表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

1-1

人は死んだら異世界転生できるらしい。

目の前に広がる大草原を見つめながら、私はひとつ、溜息をついた。


空がやけに青く、風は静かで、世界はあまりにも綺麗だった。


まばゆい光。

迫りくる車。

最後に聞いたのは確か……大勢の悲鳴。


そう、私は――死んだのだ。

少なくともあちらの世界では。


でも生きているということは。

どうやら異世界転生をしたらしい。


「……よくあるテンプレどうりじゃんか!」


思わす声に出してツッコんだ。

だってそうだろう?


事故死、転生、草原スタート。

ここまで来たら、次は神様的な人が出てきてチート能力を授けてくれる流れだ。


……そう思って周囲を見回した。

誰もいない。

声も聞こえない。

いや、聞こえる。

鳥の鳴き声が。


「ってちがーう!神様?説明係の人?いませんかー」


返事はない。

代わりに、鳥の鳴き声と草の揺れる音が返ってきた。


おかしい!!

転生者だよ?

テンプレどうりならもう少し親切なはずだ。

ステータス画面とか、スキル一覧とか、せめて言語理解くらいは―――


考えこんだ瞬間、ふと文字が浮かんだ。


《※物語開始前です》


「ん?」


また文字が浮かぶ。


《※このエリアは、まだ実装されていません》


「……は?」


実装?

今なんて言った?

あわてて瞬きをすると文字は消えていた。


「待って……」


嫌な予感がした。

ここは異世界。

私は転生者。


それはいい。

でも―――。


「なんだ、この世界」


意味が分からなくて頭を抱える。

「おー、お前、誰?」

後ろから声がした。


来た!かみさ―――

そこには少年が立っていた。


「違うんかい」


つい本音が出てしまった。

神様じゃないじゃん。


「お前ここで何してんの。見ない服装だし」


「あいや、その、転生……的な?」


ぽかんとした表情がうかがえた。


「あ、転生者ってお前の事か」


……は?


「いやーさっきさ気持ちよーく寝てたら『転生した奴いるから説明行って来い』って言われたんだよ。ったく人使いあらいぜ」


私の扱いめっちゃ雑じゃん。


「あー俺は転生した人の案内役。ロイだ」


「アンナイヤク」


うん。ちゃんといたのかよ。

ていうか状況が分からない。


「おーーーーい。困るぜフリーズされちゃ。えーと、お前の名前は……」


「あ、希空です」


「おーそうか。この世界では漢字ってもんが存在しねえから、ノアって名乗れよ」


「え、あ、はい」


「んーで。お前のスキルは……お、感情理解(エンパシー)余白認識(マージナル)か。つうことは、なんか見えたりしたかー?」


えんぱしー。

まーじなる。

なんじゃそれ。

知らないし。


見えた?……みえ……あ。


「見えましたよ」


実装がどうとか。


「そうか。んじゃ。軽く説明はこのくらい。なんかあったらまた来るわ」


気づけばそこにはもう誰もいなかった。


「は?」


意味わっかんねえ。

つまり何したらいいの?


《※この世界は未完成です》


「……うん。どうしろと?」


《※正してください》


会話成立してんじゃんかよ。


「正すって言ってもどうやって」


《※自分で考えろ》


「……は?」


口わっる。


よくわかんないけど。

死んだら異世界に飛ばされました。

そこは……まさかの未完成でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ