004 サバイバルの始まり
ぐっすりぴーやで何も出来てませんでした
投稿遅れてすみません
俺がこの森に来てからだいたい1時間がたっただろうか。空を見上げると太陽はちょうど真上あたりに存在している。
「今がだいたい昼くらいか?」
「そうだね。早めに移動しないとまずい、かな?」
「あぁ、さっきのモンスターみたいなのが蔓延る森だとしたら適当なところで夜を過ごすのは危険かもな」
「じゃあ早速移動を────ってこれは?」
紅愛と今後について話していると目の前のゴブリンの死体が光り輝き、その身体を消滅させた。いや、正確には2つの石を残して消滅した。
この光は足に絡まった草を千切った時に起こった光と似ているな。
「消えた、な」
「うん、消えたね」
「俺が魔法を使えるようになった時に千切った草も同じように光ったんだが、そういえば紅愛はどうやって魔法を使えるようになったんだ?」
「うーんと、わたしもあんまりよくわかってないんだけどね。この森に来てすぐに小さい何かが足下によってきて、虫かと思って潰したら急に魔法使えるなーっ」
「なるほど。ちなみにその時は光ったのか?」
「うん。微かにだけど足から光が漏れてだと思う」
「じゃあこの光は何かを倒した時に起こるものなのか」
「ぽいね。祐樹くんの話からして植物もなんだよね」
「そうだな。しかし、となると」
そこで一度言葉をとめた俺は紅愛と顔を見合せ
「何を食べるんだろ?」
と、2人が声を揃えて言った。
もしこの世界の生き物が死ぬと消滅するのなら俺たちの食料は何処に。
「これは、拠点となる場所を探すべきかと思っていたけど先にこの世界についてもっと知る必要があるな」
「そうだね。お水はわたしが出せるからどうにかなるけど、流石に何日もご飯なしはキツイかも」
「じゃあ今度こそ移動するか」
「うん、目指せ食料調達!」
「お、あれは」
森の探索に向かって十分が経ったあたりで、これまであったのとは違う種類の気を発見した。そして、上の方に見慣れた赤い実。リンゴが実っていた。
「りんご!」
「紅愛、任せてもいいか?」
「まっかせて!風よ!」
見つけたリンゴに興奮したような紅愛は張り切った様子で風魔法を起動した。
ちなみに「風よ!」と言っているのは移動の途中に何の魔法を使うのかを相手に伝えるために余裕のある時はなるべく言おう、と移動の途中に話し合っていたからだ。
先程と同じように紅愛の周りに展開された風の刃は上方にあるリンゴの実っている枝へと向かっていき、枝ごと切断した。
切断されたリンゴは重力に従い地面にドスンと落下した。
落下したリンゴを観察すること数十秒。消滅する様子はない。
「消えないな」
「消えないね」
「さて、リンゴは消えないことがわかったな。これ、食べれるのか?」
「食べれるって?これりんごじゃないの?」
「リンゴだと思うけどここ地球じゃないからなぁ。もしかしたら毒が・・・みたいなことがあるかもしれない」
「ふむふむ。でもどうするの?」
「俺が少しだけ食べてみるよ。で、何も起こらなかったら大丈夫。ということで」
「えぇ。大丈夫なの?それ」
「大丈夫。かは分からないけどら水や今みたいに収穫だったり頼りきりになっちゃうと思うし、毒味役くらいは任せてくれ」
「わかった。じゃあ任せるね。・・・水よ!」
任せると言った紅愛はリンゴを拾い上げると水魔法で土などを洗い流して渡してくれる。
改めてリンゴを観察してみるが、見れば見るほどリンゴにしか見えない。その真っ赤な実はちょうど昼時ということもあり食欲を刺激する。
「では、いただきます!」
一口、少し小さめに齧りつくとシャリっといい音を鳴らし、同時に口の中にリンゴの甘みと香りが広がる。記憶の中にあるリンゴと同じ、いやそれ以上かもしれない。とにかく美味しい。
「紅愛さん!紅愛さん!めっちゃ美味い!」
「私も食べていいかな?」
「特に異常は感じないかな。遅効性とか気にしてもアレだし」
「じゃあわたしももらおうかな」
そう言うと紅愛は俺の手からリンゴを奪い取るとひと齧り。
間接キスという言葉が頭をよぎるが、まぁそんなことを気にしてる環境ではないか。
「ほんとだ!美味しい!」
「となると」
「そうだね」
「紅愛さん、任せた!」
「任された!風よ!」
紅愛の周囲に風の刃が生まれ木に実っているリンゴを次々落としていく。
・・・って危な。
「結界」
一気に落としたせいか無数のリンゴや枝が跳ね返り、俺と紅愛の頭上に落下してきた。それを結界を展開して防ぎつつ周りを見渡し、今日の食料は大丈夫そうだと安心する。
紅愛の好物:リンゴ