ある闘病日誌3
先生は手術の必要性を説明します、本人は心が揺れ動きます、当然ですね、手術は嫌だけど死にたくない、誰にすがっていいのか分からない、どうすれば手術もしなくてこのまま生きていられるのか冷静に考えられる事柄ではありません。本人の承諾なしでは手術は出来ません、医者は診察の度に説得しますがカルテにチラっと眼をやると、キーパーソンは母親と書いてありました。この娘の体内から速く菌の固まりを取ってやりたいと思う一心でした。この時点で私はさっちゃんに詫びても詫びきれない過ちを犯していたのです。頼りない親を持つと言うことが子供にとっていかに不幸かという事、じぶん自分自身の愚かさに一生後悔と言う言葉が付きまとって常に胸に突き刺さり、この思いと同居しないと生きていけないのです。
まずは医者と患者の相性です、患者は信頼できる医者との出会いが第一なのです。娘に合う先生を探してやろとしなかった自分を責めて苦しみました、その事に直ぐに思いが廻っていたら、廻っていたらじゃなくて、直ぐに行動を起こすだけの俊敏さと冷静さが私に有ればさっちゃんにこんな苦しみ方をさせずに済んだと言う事です
この時、本人は、この癌に対して一つの方向性を出していたようです
この日から彼女の闘病日誌が始まります