ある闘病日誌2
さっちゃんに何万回謝っても謝り切れない後悔の日々が続くのです。本人は真剣に自分の置かれた状況と向き合い、色々な乳癌に関する本を読み漁っていました。特に自然療法で完治した方の本に夢中でした。無理の無いことですし、私にそれを止める事は出来ません。最後にさっちゃんの行き着いた考えは、手術するしない、どういう治療法にするかは本人が決めること、という答でした。この答は完璧に正解だったのです。まず病院を決めることですが、この担当の先生が大学病院から来られているとの事なので、先生にお願いしょうと言うようにに成りました。勿論医者は手術を勧めます、癌の種類がトリプルネガティブという最悪の癌でした。本人はもう死から逃れられないと思ったでしょう、母は先生の言うように手術さえすれば何とかなると想いでした。自分自身の甘さにさっちゃんの苦しみが分かっている様で何も分かってはいなかった、この母を責めて下さい叱って下さい、手術はしたくない、しないと言って心を決めていたあなたに、周りが、すればまだ夢が有る、しなければ苦しみだけしかないと言って、あなたの心を揺さぶって、もて遊んでしまいました。許して下さい。でもあなたは芯が通っていましたね、悲しくて苦しいが、この癌と同居しないといけないと、言っていましたよね、そうして癌と立ち向かって行こうという姿勢に頭が下がりました。しかし癌は、あなたの気持ちなど考えてもくれません恐ろしい何の感情も持たない菌の固まりなのです。