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短編小説

君へ贈る手紙

作者: 雨宮雨霧
掲載日:2024/05/12

木々の葉が青々と風に揺れ、君の揺れる髪を思い出します。

お元気ですか?僕は明日この世界から消えます。

今日が僕が生きる最後の日です。

今までを振り返ってみると、本当に色んなことがありました。

辛いこと、楽しかったこと。悲しかったこと。

君との思い出はあの世に行っても忘れることは出来ないでしょう。


君と出会ったのは中学生の時でしたね。

夏休みの夜、廃校になった学校に君はそこに居た。

グラウンドに大の字になって寝転んでいて、驚いたよ。

僕に気がつくとゆっくり起き上がってさ。

白いワンピースが土の色に染まっていて二人で一生懸命洗ったよね。

懐かしいな。

洗いながらお互いの話をして、笑いあって。

すごく楽しかった。

ワンピースを干して、学校の中に入って。

君が脅かしてくるもんだから怖かったよ。

肝試しはすごく楽しくて怖くて。

理科室が一番怖かったかな。

骨格標本ってなんであんなに怖いんだろう?

今にも動き出しそうで震えてしまった。


音楽室に行って、君は埃を被ったピアノの蓋を開ける。

鍵盤に触れると、音が鳴り響いた。

「まだ弾けるね」そう言って椅子に座った。

君は綺麗な音色を奏でる。

月の光が丁度ピアノに差していてすごく美しくて。

透き通るような白い肌に鍵盤を抑える細い指。

まるでお姫様みたいな君に惚れてしまったよ。


保健室のベッドで二人眠りについた。

熱帯夜で寝苦しかったけど、それはそれで思い出。


それから毎日のように君と過ごしたね。

あの日々はすごく楽しかった。

二人でカードゲームして、汚れたプールを掃除して水を張って泳いだり。

線香花火をしたり。


そんな日々も続かなかった。

夏休みが終わってから、学校で会えることなんてなかった。

毎日待っていたんだよ。

今日は来るかなって。

寂しかったよ。


もう待つのも終わり。

また会いたいよ。


君にまた逢う時は夏の空の下で。


この手紙は君に届くでしょうか。

分からないけれど。

思い出をありがとう。


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