表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/40

第十二話  聖…そして麻衣子

この話には5%ほどの性描写があります。

嫌悪感を懐かれる方はお気をつけください。

8月中旬、聖と雅は2週間ほど両親の住む香港に帰っている。

その間、俺は運転免許をとるために合宿に参加した。

そこで何人かの同年代の人と友達になり、同じ東京から来ていた麻衣子という

短大二年生の女の子と仲良くなった。

麻衣子は、長い黒髪で一際目立つきれいな整った顔をしていたが、人に媚びない

さっぱりした性格だった。女子大生特有の甘ったるさが無く話やすかった。


「大岡君、明日東京に帰っちゃうんでしょ?これ。時間が合うようだったら、

 ご飯でも食べに行こう!私は9月の頭頃、東京に戻る予定だから」

麻衣子は、20日間の合宿免許を終え、明日東京に戻る俺に携帯番号の書かれた紙をくれた。

「あっ、うん。じゃぁ、俺の携帯番号も…」

番号を交換し、俺は次の日東京に帰った。



東京に帰り、玄関のドアを開けると3日前に帰って来ていた聖がお迎えをしてくれた。

「聖~~~~」

「城~~~~」

俺たちは熱い抱擁を交わした。

「暑苦しい…」

聖と一緒に出迎えてくれた雅に、厳しい残暑が一気に雪景色に変わるような寒い目で

言われた。


ほっといてくれ…俺たちのことは。

つーか、なんで雅が10階にいるんだよ…


リビングに入ると、なんだか紙とかノートとかがテーブルの上に散らばっていた。


あぁ、雅の夏休みの宿題か…


宿題をほったらかしにし、香港に戻ってしまった雅は聖に手伝ってもらい最後の

追い込みを頑張っていた。

「お兄ちゃんも手伝ってね。あと4日あるから余裕でしょ?」

まったくの手付かずの宿題が三分の二残っていると言う。

一ヶ月半もあった夏休みをどれだけエンジョイしたんだ…雅は。

それから3日間、三人で一生懸命宿題に精を出した。



聖と雅の学校が始まったが、俺はまだ休み。

大学生は何気に夏休みが長い。

免許の試験を受け合格し、やっと免許を修得したが、おやじの車はまだ一人で運転させてもらえていない。

毎晩、おやじが助手席に座り、俺は運転の練習をしていた。


あ~、おやじとじゃなくて早く聖と二人でドライブ行きてぇ~~。

おやじをチラ見すると「おまえの考えていることはわかるが、まだダメだ!」

と、千里眼で言われた。


      ☆☆☆☆☆☆



大学が始まると学祭の準備が始まった。

メンドクサイし興味ないし、俺は適当に参加して適当にこなす予定だ。

聖の学園祭のメインはファッションショーだった。

3日間、計12回のショーは毎年業界関係者も見に来るイベントだ。

聖はモデルに決まったらしく、ほぼ毎日ショーのための練習やリハーサルで帰りが

遅くなっている。


聖のいない部屋で一人ベッドの上でゴロゴロしていると、麻衣子から連絡が入った。

電話をするのを忘れていた。

麻衣子の電話は「短大の学園祭に遊びに来い」という内容。

俺の大学の学祭とも重ならないのでOKをし、大学の友達を連れて行くと約束をした。

麻衣子との電話を切って少し経ち、聖が帰ってきた。


「疲れたぁぁぁ…」

俺の横に寝ころがった。

聖はリハーサルをしてきたのか、化粧をしたままの聖の顔は……


か、かわいい~~~、ぶほほほほ~

変態おやじのような俺がいる。


「お帰り、お疲れ~」

聖の頭をポンポンと叩いた。

「ん、ただいま…」

目を瞑ったまま言った。


まつ毛長いよなぁ、聖。

唇もかわいいよなぁ、聖。

キ、キスしちゃおうかなぁ~、でへへへ…

などと考え聖に顔を近づけようとした時、邪魔な着信音が響いた。


……誰だよ!邪魔者は誰だ!

……んげっ、登戸君。なんでメールじゃなくてコールなんだ…


聖が薄目を開けて俺を見た。

「誰?なんで出ないの…?」

「え…登戸…くん。……あっ」

聖が俺から携帯を取り上げ出てしまった。


「もっしも~し、城なら便所!う○こしに行ってるけど、なんか用?」

おいおい、よりによってう○ことか言うなよ、下品だなぁ。

それに俺のイメージが…


俺は聖から電話を取り返した。

「ごめんね、登戸君。どうかしたの?え?ううん、トイレなんて行ってないよ!

 俺、う○こなんてしたことないから、ははは~」

聖が拗ねた顔で起き上がって、俺から離れようとしたので腕を掴んだが思い切り振り払われ、俺に一蹴り入れ、出て行った。

俺はわき腹を押え、電話をしながら、聖の後を追ったが、シャワーを浴びるようで

浴室に入った。


登戸君からの電話は「次の休みに遊びに行きたい」と言うことだった。

その休みの日が、麻衣子の短大の学祭に行く日だったので、登戸君も誘った。

女子短大だと言うと、少し考えた後「僕も行きます、城くんのことは僕が守ります!」

と言ったが、何から俺を守ってくれるのか聞くに聞けない。



そして電話を切ったあと、俺はすぐに浴室に行った。

今度は聖のご機嫌を直さなければならない。

一応、風呂なので俺は服を脱ぎ、静かに忍び足でドアを開けた。

聖はシャワーボックスの中で髪をゴシゴシと洗っていて、泡泡の頭のまま俺に背を

向けている。



「ごめん!!聖~~!」

聖を後ろから抱きしめた。


「うわぁぁぁぁぁああああ」

「うわーーーー!」

エコーの掛かった二人のものすごいデカイ声が浴室に響き渡った。

聖の声に俺の方が驚いてしまった。


聖は泡泡の頭のまま振り向いたが、前が見えず手探りでシャワーヘッドを掴み泡を取り除いたあと、目を開けた。

「……」

「……」

二人で見つめ合った。


「へへへ。ご、ごめん…脅かすつもりはなかったんだけど…ははは…」

笑ってごまかしてみたが、聖はニコリともしてくれない。

「オレを…心臓マヒで殺す気か?…ハァハァ…」

「だってさぁ」

「だってじゃねーよ!ったく。いきなり後ろから抱きつかれたらビックリするだろが?!

 オレはまだシャワー中なんだよ!出てけよ!」

そうとうお怒りのようだ…


「機嫌直せよ、聖」

俺はまた聖に抱きついた。

「ちょっ、おい、放せよ!城!……な、な、何お起ってんだよ!!」

少しばかり俺の下半身は……な状態で……少し大変。


……よし、あれだ!とりあえずあれを使おう。ナイスな位置に置かれている!!


俺は聖を片手で抱いたまま、聖が使っているクレンジングオイルに手を伸ばした。


「うわっ、うわぁぁぁーーー止めろ!城!オレはショーの準備で疲れてんだよ!!

 それにクレンジングオイルなんて、何考えてんだよ!!やめてくれぇぇぇぇぇ」

「無理!止められない!」

俺の欲望は誰にも止められない!

聖のお尻近くの 「*」 マークに似た部分に、オイルを塗りたくったぁぁああ!


「うっ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~やめろぉぉぉぉおおお」

と言うことです!


「ごちそうさん!聖!」



**********************



朝、ベッドに聖を残し、俺は15階に朝食を食べに行った。

「おはよう…」

「あら、聖ちゃんは?早くしないと遅刻しちゃうんじゃないの?」

いつもこの時間の聖は朝食を食べ始めている。


「え?あぁ、聖…ちょっと、具合悪いみたいで、1時限目遅刻して行くって」

「熱でもあるの?風邪?ママちょっと見に行って来ようかしら…」

「えっ?!い、いいよ…なんか…ショーのリハーサルで…腰痛になったみたい」

「腰痛?……」

おふくろは俺をチラッと見て「あらまっ!大変ね、あなた達も~」と、言い、

俺の皿の上にトーストを乗っけて、微笑んだ。


夕べ、浴室で営んだあと、ベッドでもヤッてしまった。

男同士のアレは、男と女のアレとは少々違うため、いわゆる「受け?」とかいう聖は

かなり辛い……。よって、アレのあとの聖は翌日になっても疲労感を伴うらしい。

ので、静かに寝かせてあげたい。

俺は経験ないのでわからない…

ので、授業に出る…と。


……っーか、おふくろの意味ありげな笑顔…

   おふくろは男同士のアレの何を知っているというんだ!!


おふくろの言葉に俺の顔は真っ赤になった。



俺たちの愛は特別なものだけど、そこに愛があって体を重ねあうことは男同士でも

女同士でも、男と女であっても何も変わらない。

1ミクロンも変わらないと思う。

俺が、誰でもない聖だけを愛していることは、この先も変わらない。



注)文中にある「*」に似たところへのクレンジングオイルを使う行為は、フィクションであるため、試したことがありません。そのような行為があるのかも、体にどのような影響があるのかさえわかりません。本来クレンジングオイルは化粧を落とすためのものであり、文中のような間違った使い方をし、万が一試されてどのようなことがあっても(そんな人いないと思いますが…)責任は取れませんのでご了承ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ