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悪意の散歩  作者: 吉祥
3/7

寝て起きたら、悪意の真っ只中だった件。

出会いに感謝゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜


     悪意の散歩 ③


     *注意事項*


 あまり悪意を覗き込まないように。


 混じりあって染まってしまうから。


     *注意事項*


今にも消え入りそうな男の声が呟く。


「なぜ、薬の提供者を教えなくてはならないのでしょうか」


私は、さも当然のように頷く。


「高い買い物をする時に、相手の言い値で買う人がいるかい?」


辺りの人垣がざわつく。


そっか~君たちは買ってしまったんだね~


善人にも程があるでしょ?


内心苦笑しながら続ける。


「品質の良し悪しを、相手の言うことだけ聞いて信じて買うのかい?今会ったばかりの、何処に住んでいるとも知れない者相手に?」


更に続ける。


「もし違ってたら?何と言って訴えるのかな?何処の誰とも知れない相手から高額の者を買いましたが、騙されました。取り戻して欲しいです?捕まえて欲しいです?でも、どうやって?…」


更に続けようとする私を男が止める。


「もう結構です。薬の代金は要りません」


今にも消え入りそうなか細い声が呟く。


「そう、それはとても残念だ。お支払したかったのに。そんなに薬の出所が大事かい?」


男は力なく頷いた。


そこへ更に追い討ちをかける。


「君の命よりも、大事な薬よりも、更に大事なんだね。全ての元凶なのに。」


バッと顔を上げ、何か問いたげな男。


「それはどういう…」


けれど、私はその言葉を聞くことなく、更に更に言葉を重ねる。


「それに、私が納得しても、彼等も同じ様に納得してくれるのかな?」


ハッとして、男は周りを見る。


人垣をセーブしていた男たちが姿を消したことで、様々な者たちが、私たちの話をもっとよく聞こうと迫ってきていた。


男は顔面蒼白になり、この場から逃げ出そうと、素早く周りを見回すが、


男が逃げ出す前に、私の両側を人影が走り抜けた。


それは揃いの制服に身を包んだ、この街の衛兵だった。


素早く男の両脇を抱え拘束した衛兵が、振り向き私を見る。


私はチラリと、衛兵たちが来た方向を視界の角にいれる。


そこには、今にも倒れそうな程に細い可憐な女性と、その傍で、両膝に両手をついて、息を整えている青年の姿が見えた。




感謝゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜感謝

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