表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/198

90.波乱の予感・・・

誤字すみません!都度読み返して訂正しますm(__)m


怜彬れいりん・・・。次はどれが食べたい?」


「うーんとね・・・。じゃあその苺が乗ってるやつ!」


「よし!これだな・・・はい。あーん」


「あーん・・・」


雷覇らいはに一口サイズのケーキを口に運んでもらう。

はああー。美味しい~。幸せ~。苺の酸っぱさとクリームの甘さがマッチして美味しい・・・。

今日も日課になっているお庭でのお茶を雷覇らいはと二人で楽しんでいた。

主治医の先生からも適度に日光浴することを進められているからちょうどいい。

今はテラスでケーキを食べている。ケーキは雷覇らいはが城下街で買ってきてくれたものだった。

目の前には色とりどりのケーキが並んでいる。栗が乗ったやつに、チーズケーキ・・・。

ああ!どれを食べようか迷う~!!


怜彬れいりんは本当に美味しそうに食べるな!買ってきたかいがあるよ」


「だってどれも美味しいんだもん!雷覇らいはも毎回美味しいお菓子を買ってくれるよね?どこで知るの?そんな情報」


実は密かに気になっていたのだ・・・。わたしが食べるお菓子はだいたい雷覇らいはが買ってくる。

しかも毎回はずれがない。すっごく美味しいお菓子ばかりだった。


「サイガに聞くんだ・・。あいつはこういうの詳しいからな」


「そうなんだ~。でもなるほどね!サイガなら沢山知っていそう!」


今度はチョコレートケーキを食べさせてもらった。これもほろ苦くて美味しい!!

何個でも食べれるわ!!しかもリョクチャと合う!!絶妙なコラボレーション・・・。


「サイガは昔からマメで女性にもモテてたからな・・・。俺と違って沢山女性を喜ばせる方法は知っているだろうな」


「そっか~・・・。でもサイガなら皆好きになりそうよね~。人懐っこいし!」


「誰に対してもあんな感じだからな・・・。常に途切れることなく女性と付き合ってたな。今はどうか知らんが・・・」


「今は忙しくてそれどころじゃないと思うわ・・・。主に雷覇らいはが原因で!」


「えっ?俺が・・・?」


雷覇らいはがビックリしたような顔をした。なんで意外とか思っちゃうのかしら・・・。

あれだけ好き勝手行動していて、後処理をサイガに任せているなら

当然サイガの仕事が多くなる・・。普通に考えればわかる事だと思うけど・・・。

ちょっとサイガが可哀想・・・。


「そうよ!だって勝手に秋唐国しゅうとうこくに来たり、長期滞在したりしてるんだもの。その分の対応をしてたら、プライベートな時間なんてないと思う」


「た・・・確かにそうだな・・・。考えたこともなかった」


「もう~。雷覇らいははそういう所ちゃんとしないとダメ!!」


わたしはメッと雷覇らいはを叱った。周りの人の事もちゃんと考えないと!

国王としてどうかと思うのよ!!って言うかそもそも人としてダメよね!うん。うん。


「すまない・・・。サイガとは昔から知っているからつい遠慮が無くなってしまう・・・」


「親しき中にも礼儀ありって言葉もあるでしょう?近しい人ほどちゃんと対応してあげないと。そのうち愛想つかされちゃうわよ?」


「たしかに・・・。そうだな。今度休みを取るように言ってみるよ!」


「うん!ちゃんとサイガの意見も聞いてあげてね!」


「分かった。ちゃんと聞くよ」


雷覇らいははなぁ・・・。真っ直ぐで真面目なのはいいんだけど・・・。

本当にわたしかそれ以外って感じで視野が狭いのよね~。

サイガ待っててね!もうちょっとでお休み貰えるはずだから!!

わたしは心の中でサイガにお休みが貰えるように祈った。


怜彬れいりん様・・・。お食事中すみません。急ぎの用でご連絡がありました」


「わたしに?誰から?」


ちょうど雷覇らいはに別のケーキを食べさせて貰おうとしたところでムツリが来た。

何やら深刻そうな顔をしている。・・・。嫌な予感がするな~・・・。


怜秋れいしゅう様からです。こちらを・・・」


そう言って、ムツリから手紙を渡された。手紙には緊急を知らせる赤い鳥の印がついていた。

怜秋れいしゅう・・・。何かあったのかしら?わたしは急いで手紙を開けた。


『姉さんへ。


足を怪我をしたと聞いたよ。大丈夫?凄く心配だよ。

近々、夏陽国かようこくへ行くから待っててね!

あまり無理をしないで大人しくしていてね!


いい?絶対に無理して怪我を悪化させないでね!!

それと、雷覇らいは殿と結婚するって話も聞いてないから!!


怜秋れいしゅうより』


あちゃー・・・。これは・・・。もしかしなくても怒ってる。確実に怒ってるわ!

怜秋れいしゅうの筆跡がものすごく荒々しい。ほぼ殴り書きのような字だった。

わたしが怪我した事で怒ってるんでしょうね・・・きっと。しかも珀樹はくじゅ殿対策で

話していた、雷覇らいはとの結婚の話も怜秋れいしゅうは耳にしている・・・。

困ったな~。うーん。


怜彬れいりん・・・。何が書いてあったんだ?」


雷覇らいはに優しく頭を撫でられる。


「それがね・・・。雷覇らいは怜秋れいしゅう夏陽国かようこくに来るんですって」


怜秋れいしゅう殿が・・・。そうか・・・」


「私の不注意で怪我したと伝えてるんだけど・・・。どうも怒ってるみたいで・・・」


「怒って当然だろうな。俺も逆の立場なら黙っていはいない。もしかしたら怜彬れいりんを連れて帰ると言い出すかもしれないな・・・」


「あり得るわね・・・。怜秋れいしゅうはわたしをとても心配してるから・・・それに結婚する噂も耳にしてるみたいなの・・・」


「そうか。怒っているだろうな・・・。怜秋れいしゅう殿は・・・」


どうしよう・・・。まさか怜秋れいしゅう夏陽国かようこくに来るほど

怒っているとは思わなかった。元々、雷覇らいはに対する印象も悪い・・・。

結婚の話はあくまで、噂を流すだけって手紙では書いたんだけどな~。

このまま婚約解消だ!と言いかねない温度感だった。


怜彬れいりん。大丈夫だ!ちゃんと説明して怜秋れいしゅう殿に分かってもらおう!」


「そうね・・・。怜秋れいしゅうはいい子だもの。きっと分かってくれるわね」


「ああ。これは俺にとってチャンスだ!」


「チャンス?なんの?」


怜秋れいしゅう殿の印象を変えるチャンスさ!印象が悪い時ほど改善の余地があるものさ」


あっけらかんとした声で雷覇らいはが話す。

そうだろうか・・・。怜秋れいしゅうがそこまで考え直してくれるかしら。

結婚の噂の話はまだいい。こちらが意図してやったものだし。

でも・・・。怪我はな~。


雷覇らいはは何て怜秋れいしゅうに説明するつもりなの?」


「ありのまま伝える!!それしか誠意は伝わらないだろう!」


「それも・・・。そうなんだけど・・・」


怜彬れいりんは何も心配することはない!俺に任せてくれ!」


「うん・・・。じゃあお願いね。雷覇らいは


「ああ。ありがとう。怜彬れいりん


雷覇らいはに軽く頬に口づけされる。彼はニコニコしながらリョクチャを入れている。

本当に・・・。大丈夫かしら?最近の雷覇らいはなら少しは大人になってきたから

話し合いはできそうだけど、怒っている怜秋れいしゅう雷覇らいは

話を聞いてくれるかしら。そもそも。


まぁ・・・でも。避けててもいつかはぶつかる問題よね~。

わたしは雷覇らいはが好きだし。それも怜秋れいしゅうは知ってる。

いつかは結婚したいって伝えてるけど今は認められないって言ってた。

すぐに解決は難しいと思うんだよね~。


・・・・。ん・・・・?ちょっと待って!!

わたしが雷覇らいはを好きって、怜秋れいしゅうは言わないよね?雷覇らいはに!!

まだ告白できてない・・・。まずい・・・。

うっかり雷覇らいはに伝えられるのは非常にまずい・・・。どうしよう!!

自分で言いたいのに!!


怜彬れいりん、そろそろ部屋へ戻ろう。俺は仕事に戻るよ」


「・・・・。そうね。分かったわ」


わたしは内心わたわたして焦っていた。どうしよう!


「どうした?」


雷覇らいはに顔を覗き込まれる。思わずドキッとして目をそらした。


「なんでもない!!」


「・・・・?そうか。ならいいが・・・」


少し不服そうな顔をしながら、雷覇らいはに抱きかかえられる。

ちょっと気まずい・・・。でも今は言えないしな~。そんな雰囲気じゃないし!

あーん!!どうしよう!

もう、いっそうのこと今日の夜にでも言っちゃおうかしら?

この後雷覇らいはと二人になるのは夜寝る時くらいだ・・・。

怜秋れいしゅうが来る前に自分の口で伝えたかった。



「んもう!!なんで今日に限って帰ってこないのよ!!」


「お嬢様・・・。仕方ありません。お仕事ですので」


その日の夜。雷覇らいはは仕事が長引くから先に寝ていてと伝言があった。

本当にタイミングが悪い!!


「リンリンどうしよう!怜秋れいしゅうがうっかり雷覇らいはに言ってしまったら・・・」


「うっかり何を言うのですか?」


「わたしが雷覇らいはを好きってことよ」


「それは考えにくいですね・・・。いくら怜秋れいしゅう様でも勝手にお嬢様の気持ちを伝えるとは思えませんが・・・」


「ほんとう?絶対!絶対に大丈夫だと思う?」


わたしは必死になってリンリンに尋ねた。もし怜秋れいしゅう雷覇らいはに話してしまったら・・・。

しかも、公式の場で!!ああ泣きたい!!逃げようにも今は足が痛くてできない。


「何とかして、雷覇らいはに会う前にわたしと会える時間を取れないかしら?」


「分かりました。サイガ殿に相談してみます」


「ほんとう?あっ!でもわたしが雷覇らいはを好きだからって言わないでね!」


「勿論でございます。内密に怜秋れいしゅう様と会って話したいことがあると伝えます」


「ありがとうリンリン!この恩は必ず返すわ!」


リンリン様!ありがとう!!本当に拝みたいくらい嬉しい!

しかも、相談できるくらいサイガと仲いいのね!!

リンリンに知り合いができて良かった!


「お気持ちだけで十分です。さぁ。もうお休みになってくださいませ」


「分かったわ!本当にありがとう!!リンリン」


あー!これでひとまず安心ね!

こっそり怜秋れいしゅうと会って先に口止めしておけば大丈夫。

わたしは枕を高くして眠りについた。


最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

ブックマークしてくださった方ありがとうございます!!

ちょっとでもいいなと思ったら、

広告の下の☆☆にぽちりしていただけると嬉しいです(#^.^#)

感想・ご意見お待ちしております!(^^)!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ