88.2人の好きなもの
毎日暑いですね!!コロナもまた増えてきてますし・・・(泣)
みなさん体調にはくれぐれもおきをつけください!\(^o^)/
「れいちゃん!怪我したんですって?大丈夫~?」
怪我の話を聞いた、マーリンがお見舞いに来てくれた。
今日もキラキラした格好で、とっても派手だった。しかも驚いたことに
冬條殿と一緒になってお見舞いに来てくれた。
おお!!いつの間にそんな仲良くなったのかしら・・・?
付き合ってるのかしら・・・・。どうなのかしら?
「ありがとう。マーリン。わたしは平気。冬條殿もありがとうね!」
「怜琳殿・・・。これお見舞いです・・・」
そう言って、冬條殿が綺麗な箱を差し出してくれた。
「ありがとう。開けてもいい?」
「どうぞ!僕とマーリンさんからです!」
なんか・・・・。冬條殿、すごく堂々としているわ!!
前に五神国会議で会った時とは別人になってる!
箱を開けると、植物の種?みたいな黒い粒がたくさん入っていた。
「これって植物の種?」
「そうです!冬羽国の医療技術を応用して作った、薬草の種です!」
「へぇ!そうなのね!すごいわ、どんな薬草なの?」
「ハーブの一種で、マーリンさんからのアドバイスで美肌になる薬草です!」
「すごーい!そんな薬草があるのね!」
「はい!薬草の利用方法はこちらに記載してますので、ぜひ試してみてください!」
すごいわ!!2人がタッグを組んで開発したらしい。
美容のスペシャリトと、医療技術のスペシャリトの2人が組んだのなら
すごい価値の薬草にちがいない!最強ね!!これは育てるのが楽しみだわ!!
でも・・・。これってマーリンが個人的に欲しかったやつじゃないかしら・・・。
「それにしても、マーリンと冬條殿が前よりも仲良くなっててよかったわ!!」
「怜琳殿のおかげです!僕は前よりも自信がついてきましたし、マーリンさんともお話できるようになりました!」
「すごいわ!!別人みたいよ!!」
「ほんとにね~。最初に会った頃とは本当に別人よ~!」
凄く嬉しそうに語る冬條殿。
ニコニコしながら、マーリンと研究したことや春魏国で
一緒に過ごしたことを教えてくれた。
二人共現状はお友達として、仲良く交流しているそうだ。
冬條殿も今の所、この関係でいいと思っているそうだ。
初めて好きになった人だから、大切にしたいと言っていた。
「怜琳」
3人で話をしていたら、雷覇が部屋を尋ねてきた。
「雷覇!もうお仕事終わったの?」
「今ちょうど一段落ついたところだ」
そう言ってわたしの額に優しく口づけする。
「マーリン殿、冬條殿、遠いところありがとう」
「いいのよ~。ライライ♪れいちゃんの為ですもの!」
「僕もちょうどマーリンさんと一緒に行くところがあったので大丈夫です!」
「冬條殿は・・・。すごく雰囲気が変わったな・・・」
雷覇もびっくりしている様だった。そりゃあ・・・。そうよね。
もう同じ人とは思えないものね!
「ありがとうございます!怜琳殿のおかげです!」
「そうか・・・。怜琳は本当に友人が沢山いるな・・・」
「そうなの!みんな来てくれて、嬉しいわ」
「でも、足を挫いたなんて・・。れいちゃん・・・。本当に気をつけてちょうだいね?」
「ありがとう。マーリン気をつけるわ」
「あっ!これも良かったら使ってみてください!捻挫によく効く湿布です」
「こんなに沢山!ありがとう。冬條殿」
みんな本当に優しくていい人達ばかりだわ!お見舞いの品も沢山・・・。
怪我をして最初の1週間は退屈だったが、
今は毎日沢山の人が会いに来てくれるからあっという間に1日が経ってしまう。
マダムベリーや、ザガクからもお見舞いの品が届いた。
二人共、丁寧な手紙と素敵な品を贈ってくれた。
ついこの間まで・・・。怜秋だけだったのに・・・。
ふふふ。わたしはとっても幸せ者ね!
それから、しばらく4人で話をしてマーリンと冬條殿は帰って行った。
今日は夏陽国に泊まって、明日に春魏国へ帰るそうだ。
「怜琳は本当に人気者だな」
「ほんとね・・・。とっても幸せ者ね。わたし」
2人を見送った後、雷覇と部屋に戻る途中で言われた。
雷覇がまた焼きもちやいているのと思ったけど、表情は穏やかだった。
雷覇も成長したわよね~。うん。うん。
「ごめんね。雷覇・・・。中々2人になれなくて・・・」
「大丈夫だ。その分、怜琳のお世話が沢山できてるからな!」
「そう?なら良かったわ」
「・・・。怜琳。黒綾殿のことなんだが・・・」
「あ・・・」
雷覇がわたしを椅子に居座らせながら、気まずそうに話す。
実はずっと黒綾殿のことは気になっていた。
怪我をして以来一度も会っていなかったのだ。
「怪我も落ち着いてきたし、会ってみるか?」
「いいの?」
「ああ・・・。2人きりにはしたくないが・・・」
「ありがとう・・・。雷覇」
わたしは雷覇の手を包み込みように握った。
「きちんと黒綾殿とお話するわ。その時は雷覇も側にいてね」
「分かった。明日にでも会えるようにしよう」
「うん・・・。ありがとう雷覇・・・」
わたしは雷覇に抱きついた。
彼がわたしの気持ちを汲んでくれている事が嬉しかった。
前の彼なら絶対に会わせてはくれなかっただろう・・・。
後からサイガに聞いた話では、夏陽国では婚約している女性に触れることは
タブーで絶対にしてはいけないことだそうだった。
だから・・・。雷覇はあんなに怒ったのね・・・。
「怜琳・・・。ずっと聞きたかったんだが・・・」
「なあに?」
わたしは体を離して雷覇の顔を見つめた。
雷覇の表情はかなり思い詰めてる感じだった。
「もう・・。俺のことは怖くないか?」
「雷覇・・・」
あの時凄く怒っていた事を言っているのだろう・・・・。
確かに怖かった・・・。今まで知らない一面を見たから・・・。
「今は怖くないわ・・・。でも、あの時の雷覇は全然わたしの声が聞こえてなかった。それがとても怖かったわ」
「怜琳・・・。すまない・・・」
そう言って優しい手付きで頬に触れる雷覇。
「今度はわたしのこと・・・。忘れないでね・・・ちゃんと思い出してね」
「ああ、忘れない。絶対に!」
いい終わって彼は力強くわたしを抱きしめる。
耳元でかすかにホッとした息使いが聞こえた。ずっと気にしていたのね・・・。
雷覇は時々、すごく繊細になる。わたしが全く気にしないことも
彼にとっては気になるようだった。わたしは、雷覇の背中を優しく撫でた。
わたしももっと配慮しないとダメね・・・。雷覇があんな状態にならないように
なるべく男性と2人きりになるのは避けよう。
うーん・・。そうなるとほとんど雷覇と2人きりで過ごす感じになるのよね~。
そこらへんは上手に対応しないとね!
雷覇が暴走するしないは、わたしの行動1つで大きく変わる。
今回のことにならないように、他の人との距離感も気を配る必要がある。
なんか・・・。猛獣使いにでもなった気分だわ・・・。
「そう言えば、マーリンと冬條殿から薬草の種をもらったの!」
「薬草の種?」
わたしは2人から貰った箱を雷覇に見せた。
「なんかね、ハーブの一種で美肌に効くらしいのよ!」
「そんなものがあるのか・・・。凄いな」
「でしょ?2人で共同開発したらしいわ!」
「あの2人はそんなに仲が良くなっていたのか・・・」
雷覇がちょっと驚いた様子で尋ねきた。
「びっくりよね!ふふふ。でも上手く言っているようで良かったわ」
「そうだな・・・・。怜琳が2人のキューピッドだな」
「そうなったら嬉しいわ!この貰った種、怪我が治ったら一緒に植えましょう!」
「いいな。育てるのは難しいだろうか?」
「大丈夫よ!ちゃんと説明書を貰ったからほら!」
わたしは冬條殿からもらった説明書を雷覇に見せた。
彼は熱心に見つめていた。
「これくらいなら俺にもできそうだ!」
「でしょ?楽しみね!」
「・・・・」
急に雷覇が何かを思いついたようで考え込んでいた。
どうしたのかしら・・・?
「怜琳、俺にも庭作りを教えてくれないか?」
「えっ?雷覇が?」
「ああ。俺も怜琳が好きなものを好きになりたい!」
「それは素敵ね!2人でやれることが増えるもの!」
「ああ。きっと楽しいだろう。別邸の裏庭が・・・たしか空いていたな。そこに2人の庭園を作るのはどうだろう?」
「いいわね♪すごくいいアイディアだと思うわ!」
「よし!そうと決まったら早速、準備をしよう!怜琳は部屋でゆっくりしていてくれ」
「ふふふ。分かったわ」
そう言って雷覇は意気揚々と部屋を出ていった。
うわー。驚いた!!まさか雷覇が庭作りしたいだなんて・・・。
普段はわたしが何かをしているのを後ろで見守ってるって感じだった。
彼がわたしの好きなものに興味を持ってくれいているのは嬉しい!
わたしも、雷覇に庭作りを教える段取りをしなくちゃ!!
早速リンリンにお願いして庭作りや植物に関する本を沢山持ってきてもらった。
庭作りは別邸に行って2人で相談しながらしようと決まった。
彼と共有できるものが出来て嬉しい・・・。
それなら・・・。わたしも剣術・・・習おうかしら・・・。
そうすればお互いに話すことも過ごす時間が増える・・・。雷覇も適度に発散できて
ストレス解消にいいんじゃないかしら?うん。うん。我ながらいい考えだわ!
わたしは怪我が治ったら雷覇に剣術を教えてもらう約束をした。
雷覇はとっても喜んでいてくれて、またおじいちゃんみたいにお金を掛けまくって
作ると張り切っている。それからどんな剣をわたしにプレゼントするか、楽しそうに考えていた。
最後までお読み頂きありがとうございます!
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