74.雷覇の過去
最後の方少し文章足してます!\(^o^)/
誤字も訂正してます!すみません!!m(_ _)m
香水をお願いして3日目。今日はサンプルが出来上がる日だ!
とっても楽しみ~。どんな香りなのかしら!!わたしは上機嫌で彼女たちの元へ向かった。
リヨウとスバルからはいつもつけている、雷覇の香水は
つけずに来て欲しいと言われた。他の匂いが混ざると本来の香りが楽しめないそうだ。
雷覇は、会議があるからいない。わたし一人で確認することになっている。
ふふふ。意図的にわたしが1人で確認するようにスケジュール組んだのよね!!
ちょっとずるいけど…。雷覇は自分の事聞かれるの嫌そうだったしいいよね!!
他の人から見た雷覇はどんな人なのか凄く興味があった。
「失礼します!」
わたしは扉を開けて中に入った。扉を開けるとスバルが出迎えてくれた。
「怜琳様!いらっしゃいませ!お待ちしておりました」
今日も元気でかわいいわ!!スバルは黙っていると本当に
綺麗なお人形さんみたいだけど、話すととっても明るくて
気さくに話してくれる。またムツリとの話も聞きたいわ!!
部屋に入ると、リヨウが香水を出して準備しているところだった。
「怜琳様!いらっしゃいませ。こちらが怜琳様用で、こちらが怜琳様と雷覇様をイメージした香水です」
わたしの香水と、雷覇と2人の香水がそれぞれ3つづつ並べられていた。
わたしは早速、自分用から香りを嗅ぐことにした。
「わぁ!凄くいい香り!!」
1つ目はフローラルな香りがする香水だった。
あとは少し樹の香りもする。くんくん…。
「どうですか?怜琳様をイメージした香水なんです!!」
リヨウがワクワクした顔で尋ねてきた。目がとってもキラキラしている。
「とってもいい香りです、お花と樹の香りですか?」
「そうなんです!怜琳様はお花を育てるのが好きと聞いたので!」
「わぁ!だからお庭にいるみたいな香りなんですね!!」
次にわたしは2つ目の香りを嗅いだ。
こちらは1つ目と違って、ハーブの香りが強い。
とっても爽やかで清涼感がある香りがした。
3つ目は、植物の香りではなかった。様々な香りが繊細に混じり合って
清楚で上品な女性のイメージ…。
大人の女性がつけていそうな感じの香りだった。
「3つ目の香りは植物ではないですよね?今までにない香りですね!」
「分かりますか?!独自の配合で作った香りなんです!植物のエキスや動物の油、香辛料など様々な原材料を配合して作りました!」
スバルが意気揚々と語りだす。
そうなのか!そんなに沢山の種類を配合しているのね!!
「その原材料を絶妙なバランスで配合しているのがこの香水なんです!どれもおすすめですが、これは力作ですね!」
リヨウも同じようにテンション高く熱弁している。
「そうなんですね…。じゃあこの3つ目にします!他の2つも捨てがたいけど…」
「特に1つに決めなくてもよのではないですか?」
「そうですよ!3つとも雷覇様の香水とは相性抜群です。気分で変えてもいいと思いますよ!」
「なるほど~♪それは素敵ですね!!それじゃあ3つともお願いします!!」
「かしこまりました!!」
リヨウとスバルが声を揃えて返事をする。本当に息ピッタリだわ!!
双子の人ってこんな感じなのかしら?
「それじゃあ次は、お二人をイメージした香水ですね!!」
「はい!それも楽しみです!!」
わたしはさっきと同じように、1つ目の香水から香りを嗅ぐ。
1つ目は少し甘い匂い。お菓子に似てる…。
でも香りを嗅いだあとは匂いが残ることなく爽やかに消えていく。
「かわいいらしい、甘い香りですね」
「はい!そちらは、2人の甘い時間をイメージした香水ですわ!」
スバルがニコニコしながら話してくれる。
2人の甘い時間…。一体どんな想像をして作ったのかしら…。
あまり深く突っ込むと、恥ずかしくなりそうだ。
わたしは2つ目の香水を嗅いだ。
2つ目はさっきとは真逆で、とても爽やかな初夏を思わせるような香り。
石鹸に近いような清潔感漂う香りだった。
「これは凄く爽やかですね!石鹸みたい」
わたしは感じたことをそのまま口にした。
「お二人はよくお庭をお散歩するとお聞きしたのでそちらをイメージしました!」
「そうなんですね!これも素敵な香りです」
そして最後の香水を手にした。
…。なんだろ?この香り。
とても不思議な香りだった。1つ目と2つ目を足して二で割ったような香り…。
甘さと爽やかが一緒になっているみたい。
「これはとても不思議な香りですね…」
「はい!それも様々な原材料を配合してます。夜の帳をイメージした香水ですわ!」
「ぜひ一緒につける際はお二人が熱い夜を過ごされる時に!!」
「はっ…!!熱い夜!!」
急に体がカッと熱を持って熱くなったのを感じる…。恥ずかしい!!
「お二人ならきっとラブラブな夜を過ごされているのではないかと思って!!」
うっとりした表情でスバルが語りだす。
「あの雷覇様が初めて好きになった人ですもの!そうに違いないわ!」
リヨウも同じようにうっとりした表情で話す。ううう。そんな事想像したのか!!
それにしても…。前にも行っていたけど…。あの雷覇って
どういう事なのかしら?
「あの…。お二人に聞きたいのですけど、雷覇殿ってそんなに…その…」
「女性と深く付き合ってこなかった?という意味ですか?」
ニッコリと微笑みながら話す、リヨウ。
「そうです。雷覇殿にも聞きましたがあまり女性のことを覚えていないって言うんです…」
「あー…。雷覇様は昔は凄く淡白な方でしたからね~。凄くモテるのに、全く女性に関心がないんですよね」
凄く残念そうにスバルが話す。
「本当に戦闘ばかとう言葉がぴったりな人です。口を開けば剣術と、戦術の話ばかり…」
「そうそう!おまけに一度戦争に出てしまうと全く音沙汰なし!女の子はほったらかし」
「ええっ!そうなんですか?」
「そうですよ!4年位前までは、全く女性とまともに付き合った事ないと思います」
そうなんだ…。また雷覇の意外な一面だった。
この前も言っていたけど、本当に女性に興味が持てなかったのね…。
どうしてかしら?
「むかし雷覇様が仰ってました、どんな女性もみんな同じに見えるって…。自分を好きだと言われても全く心が動かないって…」
ちょっと寂しそうにスバル言う。
「お母様を亡くされたのが大きいかもしれません…。剣術にのめり込んだのはお母様が亡くなってからですから。確か雷覇様が10歳の時だったと思います」
リヨウが続けて話す。
そう言えば突然失くなったのよね…。雷覇のお母様。
10歳のときに亡くなったのか…。
「雷覇様は本当にお母様が好きで、いつも剣術の稽古をしてもらっては勝てないと言って悔しがってました。」
「そうなんですね…」
ちょっとわたしと似ていると思った。わたしも早くに母を亡くし
母の面影を追って庭作りに没頭した。料理やお菓子もそうの1つだ…。
寂しい幼少期だったのかも知れないわ。
「お母様を亡くされてからは、炎覇様のお姉さま方がよく面倒を見られてましたよ!」
「ああ!虹珠殿と、虹禀殿ですね」
「そうです!よくお城に来ては雷覇様に稽古をつけたりお勉強を教えたりしてました」
「なかなか…。あのお二人だと厳しそうですね…」
「恐らくは…。かなりしごかれたと聞いたことがあります」
おおお!想像するだけでゾッとした。あの強烈な2人だ。
いくら雷覇でも子供の頃だったら、大変だったろうな…。
「雷覇様は15歳から戦場に出るようになったんですが、どんどん強くなっていきました。でもどんどん表情は暗くなっていって…。18歳には銀獅子という異名で呼ばれてましたね」
「あの頃の雷覇様って本当に怖かったわね~!オーラが尖っていて、近寄りがたいというか…。目つきも鋭いし」
リヨウとスバルが語る雷覇はとても今の雷覇とは違う。
時々、銀獅子のオーラが出てるのは見たことあるけど…。
「4年前からよねちょっとずつ変わったのって!香水のイメージを注文してきたのもその頃よね!」
「そうね!それまではお任せって感じだったのにね!寝る時の香水も最近作ったよね!」
そうだったんだ…。
4年前といえばちょうど炎覇と夫婦だったときだな。
あの時の雷覇も今とは全然違ってたな…。結構ぶっきらぼうだったし。
そう言えば雷覇っていつから私のことを好きなのかしら…。
ふと疑問に思った。気がついた時には好きだと言ってプロポーズされてたんだ。
「怜琳様…。雷覇様のことお願いしますね!」
リヨウがギュッと手を握りながら見つめてきた。
「私からもお願いします!あんなやつですけどとっても優しくていいやつなんです!」
スバルも同じように真剣な目でわたしを見つめる。
二人共…雷覇のことを大切に想っているのね。
マダムベリーも同じようなこと言ってたな…。
「ええ!分かったわ!わたしに任せて!」
「ありがとうございます!怜琳様」
2人同時にお礼を言われ、2人同時に抱きしめられた。
やっぱりこの2人のシンクロ率はすごいな…。
その後、お茶をしながらお互いのことを沢山話をした。
二人共年齢が近いせいかとても会話がはずんだ。
時々2人同時に同じ答えを返してくるからとてもおもしろかった。
香水は器が決まったら作ってくれることになった。
雷覇と2人の香水は、2つ目の爽やかな香りのものを選んだ。
さすがに熱い夜は…。無理…。
なんとか秋唐国へ行くまでに間に合いそう!
器もどんなものをザガクが持ってきてくれるか楽しみ!!
…。それにしてもと思った。
雷覇のことまだあんまり知らないのね~。
この前も聞いてみたけど、自分のこと語りたがらないし…。
自分のこと話すの嫌なのかな?
どうして剣術を頑張ってきたのか?
銀獅子と呼ばれるようになった頃はどんな人だったのか?
また、雷覇の仕事が終わったら聞いていよう!
そう思いながらわたしは、執務室に向かったのだった。
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(*^^*)
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