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64.マーリン再び!!


「れいちゃ~ん!ライライ!久しぶり~♡」


相変わらず派手な服装でマーリンがやってきた。

とっても元気そうで安心した。


「マーリン!久しぶりね!今日は来てくれてありがとう!」


わたしはマーリンに抱きついた。

マーリンもぎゅっと抱きしめてくれる!


「ふふふ。れいちゃんの為ならどこへでも行くわよ~♡あっ!!ライライ怪我は大丈夫なの?」


「ああ。ありがとう。もう治りかけている」


「良かったわ~。れいちゃんから、お手紙貰った時は心配したんだから~」


そう言って、マーリンは雷覇《雷覇らいは》にも抱きつく。

雷覇らいはは嫌そうな顔をしていたけど、マーリンにとっては挨拶だ。


「マーリン今日はね!紹介したい人がいるの!黒秦国こくしんこくの第二王子の黒綾こくりょう殿よ」


「まぁ♡かわいい~!!とっても綺麗な男の子じゃな~い♡」


「初めまして!!マーリンさん。黒秦国こくしんこく黒綾こくりょうと申します!」


やっぱり!マーリンも黒綾こくりょう殿が気に入ると思ったわ!!

だってこの天使のような笑顔ですもの!!


「マーリン殿、わざわざ来て頂き感謝する。応接室へ案内しよう」


雷覇らいはが先頭に立って案内してくれた。

早速、応接室では商品の打ち合わせを行った。


「前にれいちゃんが送ってくれた資料を見たわ!とってもわかりやすくて良かったわ」


「ありがとう!黒綾こくりょう殿も沢山アドバイスしてくれたの!」


「あら♡そーなのね~。仕事の出来る子は好きよ♡」


「ありがとうございます!マーリンさん!」


ニコニコしている、マーリンと黒綾こくりょう殿。

最初は黒綾こくりょう殿もマーリンを見て驚いていたけど

今でもとっても仲良く話をしている。

黒綾こくりょう殿のコミュ力の高さが伺える。


「でも…。仕事の話をする前にちょっといいかしら!!」


マーリンが、いきなり立ち上がった!

どうしたんだ?マーリン!!


「もう…。我慢できないわ!!」


「マーリン!!どうしたの?」


マーリンが拳を握り締めながら、肩をワナワナと震わせている。


「りょうたんを着飾らせてちょうだい!!」


皆驚きのあまり一瞬部屋が静まり返った。


「マーリン!!そう言うと思っていたわ!!黒綾こくりょう殿は絶対に女装したらかわいいわよね!!」


「さすが!れいちゃんだわ~♡私もずっとそう思ってたのよ~」


「えっ?!僕が、ですか?」


寝耳に水と、言った表情の黒綾こくりょう殿。

まぁ…。そうですよねー。

この感覚は女子にしか分からないわ!!

そして、黒綾こくりょう殿のあだ名はりょうたんなのね!

かわいいものね!黒綾こくりょう殿!!


「お気の毒に。黒綾こくりょう殿…」


可哀想なものを見る目で雷覇らいはが告げる。


雷覇らいはどのー!!」


「れいちゃんから話を、聞いて衣装もばっちり!メイクもカツラも持ってきているわ!!」


鼻息を荒くしてマーリンがまくし立てる。

さすがです!マーリンさん!!


「マーリン!!私はまずお姫様にしたいわ!!」


「いいわね♡それで行きましよ!」


その後、打ち合わせそっちのけで黒綾こくりょう殿を着飾る会を行った。

終わる頃には夜になっていて、黒綾こくりょう殿もさすがにぐったりしていた!


私とマーリンは大満足ですよ!!そうりゃあもう…。悦ですよ!!

お姫様から始まり、様々な女性の衣装を着せて黒綾こくりょう殿を着飾った。

しかもマーリンは撮影隊まで連れて来ていて物凄い気合の入りようだった。

そして黒綾こくりょう殿のかわいさを余すことなくカメラに収めていた!

あとで絶対に写真を、貰おう!!


マーリンが来たその日は、結局打ち合わせをせず着飾る会で終わった。



「ふふふ…」


わたしは、鏡の前で髪をとかしながら思わず笑ってしまった。

いやあ~。本当に今日は楽しかった!!大満足だわ!!


「そんなに楽しかったのか?」


後ろから雷覇らいはが抱きしめてくる。

最近は車椅子生活にも慣れてきたのか、上手に抱きついてくるのよね~。


「うん!とっても楽しかったわ!!」


「そうか…。それは良かったな。黒綾こくりょう殿は可哀想だったが…」


「でも、あれだけ黒綾こくりょう殿がかわいいんですもの!仕方ないわ!!」


黒綾こくりょう殿には悪いが怜彬れいりんが楽しいならいいか…」


そう言って抱きかかえられて、雷覇らいはの膝の上に乗せられる。


「…っ!!雷覇らいは!」


「ふふふ。今日はあまり構って貰えなかったからな」


「でも…、足は大丈夫なの?」


「もうほとんど治ってる。後は歩く練習さえすれば問題ないそうだ」


「そうなのね!良かった!」


わたしは嬉しくて思わず、雷覇らいはの首に抱き着いた。

最近は自然にこれくらいはできるようになった。

随分と進歩したものだと思う。ほんとうに!!


怜彬れいりんが、ずっと看病していてくれたからだ」


「じゃあ、食事は一人でも食べれるわよね?」


「それは別だ。食事は今のままで行こう!!」


「えっ?もう左手も使えるようになってきているでしょう?」


さすがにずっとこのままでは、ムツリに怒られそうだけど…。


怜彬れいりんに食べさせて欲しいんだ…。だめか?」


ううう。出ましたよ!わんこ雷覇らいは!!

その上目遣いやめて!!わーん。


「毎日は…無理よ。ムツリにも怒られるもの…」


「じゃあ。二日に1回は?」


「多いわよ。せめて五日に1回にしない?」


「そではな少なすぎる!間を取って三日に1回にしよう!」


「…。わかったわ」


「ありがとう!怜彬れいりん


幸せそうな顔で雷覇らいはが笑う…。ううう。弱いな~わたし。

ずっとこんな調子で大丈夫なのかしら?国王として…。

なるべく食事の時間は誰にも見られないようにしてもらおう!!


怜彬れいりんは、何か俺にして欲しい事はないか?」


おもむろに雷覇らいはに尋ねられてきょとんとした。


「わたし?」


「ああ。いつも怜彬れいりんは俺のために、色々してくれているだろう?俺も怜彬れいりんに何かしたい!」


「うーん…。そうね~」


いざ何かと言われてもすぐには思いつかなかった。

雷覇らいはにはいつも優しくしてもらって、良くしてもらっているし…。

むしろ貰いすぎなくらいだった。


「新しい服とか、装飾品でもいいぞ?」


「服は前にいっぱい作ってもらったし…。装飾品もたくさん貰ったしな…」


「新しい花はどうだ?木でもいいぞ!」


「いや、それはいいわ。前に1日おきで送られてきたから、むしろ多いくらいだもの」


「…そうか」


急にしょんぼりして、怒られた犬みたいになってしまった。

でも本当に思いつかないのよね~。欲しいものか…。

ふと、雷覇らいはの香りで思いついた。


「香水が欲しいわ!!自分のオリジナルの!」


「香水か…。よし!早速、俺専属の調香師を紹介しよう!」


「ありがとう!雷覇らいは


どんな香りにしようか?雷覇らいはみたいなシトラス系でもいいし

バラの花の香りも素敵よね!!ふふふ。考えたら楽しみだわ!


「香水を作るなら、二人の香りも一緒に作ろう!」


「二人の香り?」


「そうだ。今は俺の香水をつけているが、それぞれの好みを生かして調合してもらおう!」


「いいわね!楽しそう!やってみたい!!」


「ああ。俺も楽しみだ…」


そう言って頬に唇と落とす。髪の毛が頬に当たって少しくすぐったい。


「ふふふ。雷覇らいは…くすぐったいわ」


「ああ。悪い…。髪の毛が当たったな…」


雷覇らいはが髪の毛を耳にかけながらこちらを真っ直ぐ見つめる…。

急に心臓がドクリと音をたてて、騒ぎ出す…。


雷覇らいは…あの…」


わたしは急に恥ずかしくなってきて、膝から降りようとした。

頬が熱い。きっと顔は真っ赤だわ!

その瞬間、ぐっと腕を引き寄せられて雷覇らいはの唇に触れる。


「んっ……」


深く唇が重なる。ぶわっと雷覇らいはの香りが体中に纏わりつく感じがした。

…。体が熱い…。


「ら…いは…んんっ…」


息も絶え絶えになりながら、何度も雷覇らいはに唇を重ねられる。

こんなに近くに香りを感じるのはわたしの体温が上がったからだ…。

雷覇らいはから貰った香水は、体温で香りがかわる…。

そんな事を以前、雷覇らいはが言っていたのをぼんやり思いだした。


怜彬れいりん…」


「はぁ…らいは…」


もう離して…。そう言おうとしたけど無駄だった。


「はっ…んっ…・」


また雷覇らいはに口を塞がれる。

最近の雷覇らいはは、好きだという気持ちをこういった形でぶつけてくる。

わたしは、受け止めるので精一杯だ。彼の服を握り締めて、必死に耐える。

こんな時どうすることが正解なの?

ちゅっちゅっと音を立てながら唇を吸われる。

…っ!!!もう限界だった。


「らいは!!」


少し唇が離れた瞬間に、雷覇らいはに伝えた。


「おねがい…もう…離して…」


「ああ。すまない…つい夢中になってしまった…」


そう言って雷覇らいははわたしの胸に顔を埋める。

はぁ…。恥ずかしかった…。

ドキドキが止まらない…。どうしよう。心臓の音…絶対聞こえてるよね?


怜彬れいりんの唇が心地良すぎる…」


噛みしめるように、雷覇らいはに囁かれる。

…っ!!もうっ!本当にどうしたらいいの?

わたしは、恥ずかしすぎて何も言えなかった。


どうしよう…。まだ、好きって言ってないのにこれって…。

しかも、雷覇らいはは怪我をしていて体調も万全ではない。

全快した日にはどうなるのか、全く予想もつかなかった。

わたし…。死ぬんじゃないかしら?恥ずかしすぎて…。


わたしの胸にうずくまる雷覇らいはの頭を撫でながらそんなことを考えていた。

相変わらず、雷覇らいはの髪の毛はサラサラしていて気持ちよかった。

最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

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