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28.夏陽国から秋唐国へ~久しぶりの再会~

怜彬れいりん怜秋れいしゅうと表記しているところが

ありました!!すみません(´;ω;`)

修正致しました!!

久しぶりの怜秋れいしゅう登場です!!!(^^)!


雷覇らいはへ。

 ごめんなさい。急ぎ実家へ帰る用事ができたので帰ります。また連絡します。

 怜琳れいりん。』


 この手紙を置いて、怜琳れいりん秋唐国しゅうとうこくへ帰ってしまった。

俺の知らない間に…。何があったんだ?なんでだ?…。

いや!それより早く怜彬れいりんに会わねば!!!

俺は急いで、秋唐国しゅうとうこくへ行こうとしたら複数人に止めれた。


「どけ!!俺は秋唐国しゅうとうこくへ行く!!!!」


「なりません!!落ち着いてください!雷覇らいは様」


雷覇らいは!!落ち着けって!!!」


「うるさい!!!離せ!」


 俺は抑えていたやつを複数人吹っ飛ばした、怜琳れいりん…。

なんで…急に帰るなんて…。頭が真っ白だった。

何か怒らせてしまったのか?それとも彼女に触れすぎたのか?

最近の彼女の反応が良かったから、つい調子乗ってしまっていた。

彼女は待ってと言ってたのに…。


「兄さん…。いい加減にしなよ?僕も忙しいんだ。面倒起こさないでよ」


 凄い怒ってる水覇すいはが前に現れた。いつにも増して凄みが増している。


「どけ!水覇すいは!!俺は怜彬れいりんに会いに行く…」


 その後、久しぶりに水覇すいはと打ち合った。



*-------------------------------------*


秋唐国しゅうとうこく


王宮について、すぐに怜秋れいしゅうの元へ向かった。

部屋に入ると怜秋れいしゅうはベットの上で静かに寝ていた。

怜秋れいしゅうの手を握る、怜秋れいしゅうの手は温かかった…。

良かった…。生きてる…。

怜秋れいしゅうの寝顔を見ながら、わたしはホッと息をついた。

ここに来るまで気が気じゃなかった。

もしかしたら…。と嫌な想像ばかりしていた。


怜秋れいしゅう…。ごめんね…」


 まだ12歳なのに…。長い間一人にしてしまった。姉失格だわ…。

これからは出来る限り怜秋れいしゅうと一緒にいよう。


「ん…。ねえ…さん?」


 怜秋れいしゅうが目を覚ました。


怜秋れいしゅう。ごめんね…一人にして」


「良かった…。帰ってきて…くれたんだね」


 ジワっと涙が出そうになった。


怜秋れいしゅう。これからはずっと傍にいるわ…もう大丈夫だから」


「うん…」


 そう言って怜秋れいしゅうが手を強く握り返してきた。

きっと心細かったんだわ…。こんなに長い間一人にしたことなかったもの。

仕事で忙しくて会えない時はあったけど、物理的に会えないことはなかった。

わたしが誘拐されたこともきっと耳に入ってる。

余計に心配したのだろう…。


「ずっとここにいるから、もう少し寝なさい」


「うん…ありがとう…ねえさん」


 そう言ってまた静かに寝息を立てながら、怜秋れいしゅうは眠りについた。

わたしは彼の頭を撫でる。かわいい怜秋れいしゅう

わたしのたった一人の家族。わたしの大切な弟。

お医者様に容態を聞いたら、心労が重なったための疲労だということだった。


兄も心労で倒れた。その時は何もできなかったけど、今は違う。

わたしも大人になったし。ちゃんと怜秋れいしゅうを支えていける!!!

しばらくは姉弟水入らずで過ごそうと思った。



わたし達、兄弟三人は母親が全員違う。つまりは異母兄弟だ。

父親が奔放で側室を何人も持っていたから仕方なかった。ただ父はわたし達兄弟、三人を平等にかわいがってくれたのが、唯一の救いだった。

怜秋れいしゅうは特に可哀そうだった。わたしが10歳になる頃に怜秋れいしゅうの母親が怜秋れいしゅうを産んですぐに亡くなり、父はあっという間に崩御しこの世を去った…。父と母の顔を覚えていない。兄と私が親代わりだった。


産まれたての小さな手の怜秋れいしゅうを見て、絶対にこの子を守ろうって決めた。両親がいない代わりにわたしが彼に愛情をたくさん注いであげよう…。子供心にずっとそう思ってた。

母親代わりの意識が強かったためか、わたしは過保護になってることも否めない。だってかわいいんだもの!!もうね!無償の愛ですよ!!


怜秋れいしゅうが3歳になったころ、よちより歩きしながらわたしの元へ歩いてくる姿が愛くるしかった。


「お…ねちゃ…」


 怜秋れいしゅうが初めて話した言葉だ。


「ねぇ!!今のきいた?兄さん!!おねえちゃんって言ったわ!!」


「ああ。言ったな…。くそう…お兄ちゃんじゃなかったか~」


「えらいね~!!怜秋れいしゅう!!」


 わたしは怜秋れいしゅうを抱きしめる!怜秋れいしゅうはきゃっきゃっと言いながら笑ってる。

兄は自分のことを呼んでもらえず悔しそうな顔をしている。思えば家族三人そろってたこの頃が一番幸せだったかもしれない…。


兄も元気で、怜秋れいしゅうは毎日どんどん成長していく…。穏やかな日々だった。


「くそう~、怜秋れいしゅう!次はお兄ちゃんって呼んでくれよな~」


「あぅ~」


そう言いながら兄も怜秋れいしゅうを抱っこする。兄の顔をべしべし叩きながら笑ってる。

本当によく笑う子だった。


でもその後、兄の仕事はどんどん忙しくなって、会える時間がどんどん少なくなっていった。

怜秋れいしゅうも、兄に会いたかったのだと思うけど決して「会いたい」と自分の意見を言わなかった。小さいころから周りをよくて見ていた。自分の置かれている状況がよく分かっているようだった。


そして怜秋れいしゅうが8歳になったころ兄は帰らないと人となった。


ふっと目が覚めた。どうやらわたしは怜秋れいしゅうを見ながら眠ってしまってたみたい…。

怜秋れいしゅうはまだ眠ったままだ。

懐かしい夢を見た。家族三人そろっている夢…。幸せな優しい夢…。


わたしは怜秋れいしゅうが起きたら何か食べれるように、リンリンに頼んで用意してもらった。


「おはよう。姉さん」


「おはよう!怜秋れいしゅう…。体調はどう?」


 少ししてから、怜秋れいしゅうが目を覚ました。顔色はかなりいい。


「帰ってくるのが遅くなってごめんね…」


「うん。帰ってきてくれて安心したよ…」


 少し泣きそうな顔で怜秋れいしゅうが笑う。ずっと我慢してたのね…。


「何か食べる?喉乾いてない?」


「お水が飲みたい…。あとちょっとお腹もすいてる」


「待っててね、すぐに用意してもらうわ!」


 わたしは急いで、飲み物と食べ物を持ってきてもらった。


「はい。あーん」


 手に持ってるお粥を怜秋れいしゅうの口元まで運ぶ。


「いいよ!自分で食べるから…」


 顔を真っ赤にして怜秋れいしゅうが照れてる。ふふふ。かわいい~。やっぱりうちの怜秋れいしゅうが一番かわいいわ!!


「いいのよ!遠慮しないで、今日くらいお姉ちゃんに甘えなさい!!」


 そういうとおずおずと口を開けてお粥を食べた。


「美味しい?」


「うん。美味しいよ」


「ふふふ。こうしてると怜秋れいしゅうが小さいころを思い出すわね…」


「そんな事あった?」


「あったわよ!今日みたいに熱を出して寝込んでね…。全然何も食べなくて大変だったのよ?」


「覚えてないよ小さいころなんて…」


 照れくさそうに怜秋れいしゅうが話す。そう思ったら本当に大きくなったな~。あんなによちよち歩きしてた頃が懐かしい。今も変わらずかわいいけど、小さいころの怜秋れいしゅうってほんとっっにかわいかったわ!!!


「そうよね。覚えてないわよね。でもわたしは覚えてるわ…。怜秋れいしゅうが初めて話したのってお姉ちゃんなのよ?」


「えっ?そうなの?」


「そうそう!たどたどしい感じがかわいかったな~!兄さんはめちゃくちゃ悔しがってた!!自分のこと呼んでもらなかった~って」


「そうなんだ…ねぇ。姉さんもっと話してよ…。僕の小さい頃の話し」


「いいわよ~。その代わり語りだすと長いわよ!!」


「いいよ。時間なら沢山あるし。姉さんの話し聞きたい」


 珍しく怜秋れいしゅうが甘えてくる。いやーん!!怜秋れいしゅうかわいすぎ!!そんな事でよかったらどれだけでも話すわよ~。

今まで、あんまりゆっくり話す時間なかったもんね。兄が亡くなって怜秋れいしゅうが後を継いでその直後にわたしは3回も嫁ぐことになって…。


その日は、怜秋れいしゅうが小さい頃の時のはなしをたくさん話した。

久しぶりに穏やかな時間だった。怜秋れいしゅうも元気そうだし。よかったな。


しばらくは秋唐国しゅうとうこくにいよう。そう心に決めたわたしだった。


怜秋れいしゅうの面倒を見ることに精一杯で、雷覇らいはに、後からまた連絡するって話をわたしはすっかり忘れていた。

だからわたしは、この時に雷覇らいはが大変なことになってるなんて夢にも思ってなかった。


*-------------------------------------*


夏陽国かようこく


怜彬れいりんから連絡がこない…。秋唐国しゅうとうこくへ帰ってもう2週間以上経つ。

こちらから手紙を送ろうとも思ったが、また連絡すると言っているのに送るのはどうかと思い、思いとどまっている。後から事情を聞くと、怜秋れいしゅう殿が倒れたという事だった。


弟想いの彼女の事だ。きっと気が気じゃなかっただろう…。それに今は弟と一緒にいたいと思っているかもしれない…。はぁ…。こういう時につくづく実感する…。俺は彼女の何者でもないってことを。家族でもない…。恋人でもない…。

ただの婚約期間を設けている他人だ…。じりじりとする焦燥感を感じる。今すぐにでも会いに行きたい。会って確かめたくて仕方なかった。


不安になる…。もう戻ってこないんじゃないか?もう会わないって言いだすんじゃないだろうか?嫌な考えが頭の中をぐるぐるする。珍しく精神的にまいってる…。こんなことは久しぶりだった。

ついこの間まで、うまくいっていると思っていただけにダメージがでかかった。


彼女の笑っている顔を思い出す…。拗ねたり怒ったり様々な表情の怜彬れいりんを思い出しながら、俺はひたすら仕事に打ち込んだ。


最後までお読みいただきありがとうございます(#^.^#)

怜秋れいしゅうのことは実際に私の体験談から書いています。

回想のシーンは泣けてきて大変だった!!(笑)

なんとか書けてよかったです( *´艸`)

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