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【番外】マーリンの憂鬱

マーリン目線です(((o(*゜▽゜*)o)))


マーリン目線

*-------------------------------------*

「そんなの、話せばマーリンがいい人だってことすぐ分かるよ!」


れいちゃんがわたしに言ってくれた言葉で一番うれしかった言葉。


小さい頃から、男であることに違和感を感じ、自分は人と違うと自覚しながら生きてきた。

はじめは王子であろうと必死で努力した。王子らしく、男らしく。

だんだんそれが次第に本当の自分と乖離しだして苦しくなってきた。

嘘の自分で生きていくことは、死んでいることと同じことだと感じていた。


ある日父がいきなり縁談を持ってきた。わたしが18歳の時だった。

控えめでおとなしい女性だったわ、彼女はわたしが男らしくで好きだと言った。

衝撃だった。そんな事無い!!

わたしは本当は女性らしいものが好きで、綺麗でかわいいものに囲まれていたいと思ってる。

男らしさの欠片もない。彼女を騙しているようで気が引けた。

それもそうだ…。

自分ですら偽ってるにに…。


それからは本当の自分でいようと決めた。それが例え王子らしくないのだとしても。

王位継承権を放棄したのはせめてもの自分のけじめだった。

今までかけてくれた時間やお金を無駄にするようで少し心が痛んだけど

自由に生きれることのほうで開放された気持ちのほうが強かった。


周りの風当たりはキツかったけど、仕事で成功してからは誰にも何も言われなくなった。

そろそろ次の事業を始めたい。装飾品関係の仕事をしようと考えていた時、父が五神国ごしんこく会議に出席すると聞いて、頼みん込んで同席させてもらった。

まさかその会議で運命の出会いを果たすなんてね~。

人生はどうなるかわからないものだわ♡



彼女を初めて出会ったのは、今から4年前の五神国ごしんこく会議の時だった。

その当時かなり噂になっていた彼女は注目の的だった。

傾国の美女。宝石の妖精。兄王が病気で倒れ、後を継いだ弟王と一緒に五神国ごしんこく会議に参加していたからだ。

悲劇のヒロイン。そんな目で皆が彼女を見ていた。

わたしの目にはただの普通の少女にしか見えなかった。

驚くほど美人だがそれ以外は、同じ年の少女と達と何ら変わらない。

どんな人なのだろう?単純に興味が湧いた。

だから思い切って話しかけてみた。


すると驚いたことに彼女は普通に話してくれたわ。

初めはちょっとびっくりしてたけどね。ふふふ。

色々聞いていくうちに、彼女が本当に普通の18歳の女の子だと言うことがよく分かった。


思い切って宝石の取り引きを仲介して欲しいと頼んだら彼女はあっさり許可してくれた。

びっくりしたわ。普通はもっと慎重になるんじゃないかしら?

取り引きはとても大切だ。信用が、なにより重要になる。

会って間もない私に紹介してくれるなんて…。

ましてや、私の見た目は、こんなんだし…。


でも彼女はあっさり言った。私がいい人だと。

見た目に拘ってたのは私の方だったのよね。

彼女はちゃんと私の中身を見てくれてた。

普通は皆嫌がるか、愛想笑いがほとんど。…。普通。

普通ならこうあるべき。普通ならこう言うだろう…。

自分を偽るのは止めた癖に、枠の中に拘ってたのは私自身だった。


彼女はそんな枠を取っぱらってくれた。本当に大切な人。

だからこそ、彼女を大事にしたい。守ってあげたい。

この気持ちはきっと彼女には届かないけど、見守りたい。

彼女が疲れたら傍にいてあげたい。元気がないなら励ましてあげたい。


そんな彼女が4年前に起こった出来事で傷つき苦しんでる。

支えてあげたいと思う。どんな話でも聞いてあげたいと思う。

そんな時に彼女が私の国に訪ねて来てくれた。


「ううう…。雷覇らいは殿がって言うより、わたしの問題のほうが大きの」



そう言った彼女は、前とは違って表情が明るかった。

前は4年前の話をするだけで、泣いていたのに…。

きっとライライの影響ね…。


「うん…。だから、雷覇らいは殿から好きって言われても、答えれなくて…」


「なるほどね~、ライライとはなんて言ってるの?」


「待ってくれるって…。わたしが話すまで」


「あら!凄いわね!!愛がないとできないわ~。そんなこと」


「だからね、今はちゃんと雷覇らいは殿と向き合ってみようと思ってるの。その…。ちゃんと答え出したいし」


彼女はとてもひたむきだ。真っ直ぐ相手に向かってく。

私に対してもそうだったように、きっとライライにも同じようにするのね。

彼女が前を向いて歩くなら応援しよう!

それが私にできる唯一のことだから!


彼女が私に、向けて笑ってくれてる。大好きだと言ってくれる。

たとえそれが、恋愛感情じゃないとしても、私は傍にいれれば満足だわ…。

まぁ出来ることはやりますけど?ふふふ。

ちょっとライライには意地悪言っちゃったけど、それもれいちゃんの為だしね!


その後まさか、れいちゃんが誘拐されるなんて!!!

本当に生きた心地がしなかったわ!あの時ちゃんと2人の喧嘩を止めてたら…。凄く後悔したわ…。

でもれいちゃんが無事で帰って来てくれて本当に良かったわ!

でも…。な~んか。いつもと様子が違うのよね~。女の勘は当たるのよね!!

きっとライライと何かあったんだわ!ライライはめっちゃくちゃよそよそしいし。また後でれいちゃんに聞かなくちゃ!!今夜は女子会ね~。うふふ♡


その後冬條とうじょうことじょるたんに告白される。

まさかって感じでびっくりよ~!!本当に人生って何があるか分からないわね♡

冬條とうじょうとどうなったのかはまた別のお話♡


これからもれいちゃんの1番の親友であり続けるわ!

だってれいちゃんは私が本当に好きになった女性だもの!


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最後までお読み頂きありがとうございます(*^ω^*)

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