19.春魏国へ~ちょっとほっこり?~
やっぱりマーリン姉さんは書いてて楽しいですね(#^.^#)
「ライライダメよ~。そんな服じゃ、れいちゃんの魅力を引き出せないわ~」
「何を言っている、怜琳はこっちの方がかわいいし、魅力的だ」
ああ。なんかもう、色々突っ込みたいですけど…。もういいですよ。お好きにどうぞ!!
なんでわたしの周りって、わたしを無視して盛り上がる人が多いんですかね!!
今日は、明日から始まる『春緑花祭』の衣装選びをしている。
そもそも、わたしの意見は無視ですか?
「お嬢様。お茶のおかわりです」
「ありがとう。リンリン」
リンリンも一緒に春魏国に来ている。わたしの侍女なのだから、当然なんだけど一緒にきてくれるのはありがたい!!
「マーリン様から頂いた茶菓子です」
「ありがとう~。おいしい~」
本当に!リンリンは気がつくのが早いよね。わたしが小腹空いたな~と思ってたら、お菓子がだされる。
マーリンのお菓子も美味しいな~。小麦粉を薄く焼いた生地にフルーツや、生クリームを一緒に巻いて食べる。くれーぷという食べ物だった。見た目も綺麗。宝石のような食べれる飾りのお菓子がついてたりしておしゃれです!!
「だいたい、マーリン殿が選ぶ服は露出が多すぎる!!そんな服を来たら皆がいやらしい目で怜琳を見るだろう!」
いやいや。雷覇殿が作ってくれた服も大概、露出、多いですよ??
「分かってないわね~。この見えそうで見えないラインで攻めるのがオツってもんでしょ?」
マーリン…。見えそうで見えないラインって…!めっちゃきわどいですよね!!足そんなに出すの?!そして、攻めないです!攻めたくないですよ!マーリンさん!!!
「れいちゃんは、可愛い系だけど!セクシーかつ清楚系でまとめつつ、儚げなイメージよん!」
すいません。全然何を言っているのかわかりません!どんな服だよそれ!!
「そんなことはない!怜琳は可愛い系一択だ!!」
やめて~。なんか小さい子供が着てそうな服。恥ずかしい!!二人の選ぶ服はどれも、ドレープや飾りが多い。ゴテゴテしてるし、はっきり言って重そうだし肩こりそう…。二人の選んでる服きたらなにもできなくなりそう…。お手洗いとかどうするの?みたいな。
「わたし…。動きやすい服がいいな…」
ぽそっと呟いた。
「機能性も大事よね!!れいちゃん♡」
「動きやすさも大切だな!怜琳」
二人に一気に詰め寄られる。怖いよ~。二人して一気に来ないで!!
「う…・うん」
でも、雷覇殿もマーリンも楽しそうにやり取りしてるな~。ふふ。思ったより気が合うのかも!!
結局、当日着る衣装は、飾りが少なく、なおかつ露出も控えめな、シンプルなデザインのものに落ち着いた。ふぅ。やれやれ…。
「あっ!マーリンが差し入れしてくれた、お菓子、美味しいよ!ありがとう」
「喜んでくれて良かったわ~♡それ新しく出すお店の看板メニューなの~」
「変わった菓子だな…」
「軍人さんにこの良さはわからないでしょうね~。女子は!こういうのが好きなのよ~。ね♡れいちゃん♡」
「うん!大好き!見た目もキラキラしてて、かわいいし美味しいし!」
「怜琳が気に入ったのなら、また食べに来よう!」
「そうだね!」
うーん。フルーツの酸っぱさと生クリームの甘さが一つになっておいしい~。
幸せ~!やっぱり甘いものは無敵ね!!
「って言うかマーリン!また新しいお店出すの?」
「そうなの~。女性向けのお菓子サロンを作ろうと思ってるわ!」
「すごーい!わたしもね、雷覇殿の国のリョクチャってお茶を取り寄せて販売しようと思ってるんだ」
「あら♡素敵じゃな~い!どんなお茶なの?リョクチャって」
「よければ今持ってこさせよう。怜彬が欲しがると思ってきて持ってきてる」
「ライライにしては気が利くじゃな~い。頂くわ」
わーい!リョクチャ!あれもあっさりした味だから、このお菓子にも合いそうよね!!
サイガが茶葉を持ってきてくれて、それをリンリンが人数分入れてくれた。
ユノミも一緒に持ってきてるなんてさすがです!!
「やだ…。美味しいわ~。このリョクチャってお茶!」
珍しくマーリンが驚いた顔をしていた。マーリンでもリョクチャの存在は知らんかったんだね!!
「ほんと?マーリンも気に入ってくれてた?」
「ええ、このあっさりした味でなおかつ色も緑で綺麗だわ…・。れいちゃん、わたしのお店にあなたの商品を置いてもらえないかしら?」
「えぇ!!いいの?でも販売は来年だよ?」
やった!さっそく取引先が見つかった!!マーリンのお店ならお客さんも多いし、宣伝効果抜群!
「構わないわ。もう少し早くなってもらえると嬉しいけど♡」
「わかった!なるべく早く商品化できるようにする!!」
「俺もできることがあれば手伝おう!」
おー!!なんかいい感じのチームになりそうじゃない?共通の話題があると盛り上がるしね!!
楽しみが増えてますます気合が入るな!!
「そうと決まったら早速打ち合わせしてくるわ!メニューの見直しも必要だし♡ちょっと席を外すわね~」
颯爽とマーリンは部屋を出ていてしまった。仕事のできる人って行動力すごいんだな~。
「そうだ、怜彬」
「なんですか?」
「昨日渡しそびれてた、俺の使っている香水だ」
「あっ!そうだった!ありがとうございます」
うおー。昨日も盛りだくさんだったから忘れてた。わたしはさっそく小瓶に入った香水の香りを嗅いだ。あ~。いい香り!
「手首と首筋につけてなじませるともっといいかおりがするぞ」
「そうなんですか?」
わたしは手首と首筋にそれぞれ香水を振りかけた。ふわっとシトラス系のいい香りと花?の香りがした。
直接匂いを嗅いだ時と、体に付けた時では匂いの印象が変わる。
「ほんとだ!体につけると匂いが変わるんですね」
「ああ。体温で匂いが変化するんだ。気に入ったか?」
「うん!なんか、香りに包まれてる感じで癒されるね!」
やっぱり匂いって大切だよね!はぁ…・。何度も匂いをかいじゃう!ふふ。香水って初めて付けたけどいいものだね!!
「そうだな。俺と同じ香りの怜彬が、傍にいるのはいいものだな…・」
雷覇殿がおでことほっぺに口づけしてくる。うーん。これもなんだかんだで、慣れている自分が怖い…。雷覇殿も流れる動作でものすごーくナチュラルにやってくるのよね~。
「怜彬…」
「なんですか?」
「今日も別々の部屋で寝るのか…?」
すっごいしょんぼりしながら雷覇殿が尋ねてくる。また犬みたいでかわいいな…
はっ…!!!衣装選びで忘れてたけど昨日、ヤバかったんだ…。心なしか距離をとる。
「もちろんです!!一緒に寝るなんて絶対に無理です!!」
「…。なんで離れながら言う?」
「なんとなく…」
いやいやだって、昨日危なかったもん!!口づけされそうになったもん!!
スキンシップは百歩譲っていいとして!いや千歩譲ったとして!口づけは違うでしょ?恋人でもないし、付き合ってもないし…・。わたし、まだ雷覇殿のこどう思ってるか分からないし…。
「怜彬は、俺に口づけされるのと、添い寝するのとどっちがいい?」
「えっ?」
何なんだ?その究極な二択!!!なんか、相手に切られるか、自分で切るかどっちがいい?みたいな選択肢なんですけど!!!
「どっちも、嫌です。そういうのは恋人同士になってからするものでしょう?」
「俺はもうそうなってもいいと思っているが?」
「それは雷覇殿だけでしょ?それにまだ婚約期間中だし」
「婚約期間中だからだ!今のうちに、お互いの相性を知っておくのは大切だと思わないか?嫌なことがあったり、不快なことがあったら、どう対処すればいいか事前にわかることはいい事だと思わないか?」
「うーん…。たしかにそうだとは思いますけど…」
なんか、すごくそれっぽい理由を言われてるけど、それとこれとは話が別じゃない?
てか、珍しく雷覇殿、口数多いわね!いつもより饒舌に話してる気がするのは気のせい?
そして離れてた距離がいつの間にか詰められてる!!近いですよ!!
「だろ?婚約期間中とは言わばお試し期間だ。それは俺だけじゃない怜彬とってもだ。今のうちに試せるものは試した方がいいと思わないか?」
「たしかに!一緒に寝てみて嫌だったら婚約解消しちゃえばいいんですものね!!」
「そうだ。ものは試しだ、今夜からやってみないか?もちろん添い寝だけだ」
「わかりました!やってみます!!添い寝だけですね」
一緒に寝てみて嫌だったっていえば、婚約解消できる!…。でいいのよね?わたし、もともと結婚したくなかったし…一年後の期間が今夜になるだけ…。よね?んん?なんだ?このモヤモヤ!!
うーん…。考えても分からないから、添い寝してみて決めよう!!わたしは感覚派だしね☆
…。添い寝するって言ったわよ…。お試し期間中だし…。お得な感じがしてたけど、これはヤバくない??
「ん?どうした?怜彬?俺の顔になにかついているか?」
「いえ…。ナンデモナイデス…」
なんで!!雷覇殿は服の前がはだけてるの!?ぎゃわー!!
胸が見えてるんですけど~。鍛えられた胸筋、引き締まっててたくましい腹筋…。
じゃない!!なんか、雷覇殿の色気が凄い!!お風呂上がりだから??いつもとは何かこう…。昼間は爽やかだったんだけど…。
ああああ!わたし、とんでもない約束をしてしまったのでは?いやー!!
「あっ、ちなみに夜寝るときは、部屋にリラックスできる香水を使うんだ。この香りは嫌いか?」
「え…。あ…。かおり?…。くんくん」
雷覇殿の胸見すぎてて、匂いのこと忘れてた。そういえば、いつものシトラス系のさわやかな香りと違って、なんか森の中にいるみたいな…樹のかおり?なんだろ?
「森の中にいるみたいな感じですね!」
「そうなんだ!怜彬もわかるか?これは、森の中で昼寝をしているイメージで作ってもらったんだ!」
二パっと雷覇殿が無邪気な顔で笑う。こういう顔を破顔?とでも言うのかな?
いつもは、クールな感じだけど今は子供みたいでかわいい。いつも、こんな感じだったらいいのに…。
「じゃあ…・。怜彬こっちにおいで…」
ポンポンと雷覇殿がベットの上で横たわりながら左手をたたいて待っている。ううう…。めっちゃ恥ずかしい。けど約束だしな…。
「お…。お邪魔します…」
わたしはおずおずと雷覇殿の横に行く。腕枕されて横に並んで一緒に寝る。
おお。すごい安定感。こんな感じなのか!添い寝!!
「はぁ。怜彬と添い寝するのが夢だったんだ…幸せだ」
嬉しそうに、雷覇殿がぎゅっと抱きしめてくる。
「こんな事で幸せなんですか?」
「もちろんだ。心があたたかくなる…」
「そうなんですね…」
確かに、人肌ってほっこりするかも…。そういえば、夏陽国に初めて行った時も雷覇殿に抱きしめられて、寝落ちしちゃったんだっけ?だったら、初めから不快に思うはずないじゃない…。
今も、雷覇殿の胸に顔をうずめると、安心してほっとする…。
ああ…。断ろうと思ってたのに…。これは…まずい…。
わたしは、また知らない間に眠ってしまってた。
そして、いつの間にか雷覇殿の傍が居心地いいと感じ始めていた。
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