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18.春魏国へ~手放すもの~

マーリンと出会った頃の怜琳れいりんが時系列で矛盾が会ったので修正しました!

すいません!!m(_ _)m

冒頭部分一文変更しております!!


マーリンと初めて出会ったのは、ちょうど4年前。

兄が倒れて、即位いたばかりの弟の怜秋れいしゅうと一緒に参加した

五神国ごしんこく会議と呼ばれる会議でだった。

その時、すでにマーリンは王位継承権を辞退していたけど

私の国の宝石を買い求めて父親に同伴して訪れていた。


初めてあった時のインパクトはすごかった。なんせあの、見た目だ。

でも話してみると、とてもきめ細かい配慮をしてくれて

相手の目を見てきちんと話をしてくれるいい人だとすぐにわかった。


「れいちゃん、わたしこの国で一番の宝石を買いたいの♡誰かいい人紹介してくれないかしら~」


「いいよ!明日街に行って紹介してあげる!!」


「えっ?本当にいいの?私達今日あったばかりよ~?」


「そんなの、話せばマーリンがいい人だってことすぐ分かるよ!」


「ふふ…。ありがとう♡れいちゃん。見た目じゃなくてわたしを見てくれたのは、あなたが初めてよ~」


「?そうなの?ねぇ!それより、どんな宝石がほしいの?大きさやランクは?」


「そうね~。大きさは3種類ほしいわ。ランクは最高級のものがいいわね♡」


その後、マーリンと宝石のこと以外でも沢山話をした。

そしてわたしの話も沢山聞いてくれた。

だから、マーリンはわたしにとって姉の様な存在で友達だった。




「ふふふ。そんなこともあったわね~。懐かしいわ♡」


「わたしも!もう4年前っていうのが嘘みたい」


「ほんとね~。でもいきなり婚約って聞いてびっくりしたわ~。しかも()()銀獅子ぎんししと」


私達はマーリンが用意してくれた別の部屋で、話していた。

ちょうどわたしも、聞いてほしいって思ってところだったのよね!!

ほんと。マーリンてタイミングよく連絡くれるな~。


「そうよね~。もうこの二ヶ月で色々ありすぎて…。なぜか婚約することに…」


「でもライライはいい人そうじゃない~?ちょっと独占欲強めだけど♡」


「ううう…。雷覇らいは殿がって言うより、わたしの問題のほうが大きの」


「…。まだ4年前のこと引きずってるの?」


「うん…。だから、雷覇らいは殿から好きって言われても、答えれなくて…」


「なるほどね~、ライライはなんて言ってるの?」


「待ってくれるって…。わたしが話すまで」


「あら!凄いわね!!愛がないとできないわ~。そんなこと」


「だからね、今はちゃんと雷覇らいは殿と向き合ってみようと思ってるの。その…。ちゃんと答え出したいし」


「そうなのね…。何にせよ、れいちゃんが前向きになってくれるのはとっても嬉しいわ…」


前向き…。そうなのかな?

でも、前に比べると、あの夢も見なくなったかもしれない。

彼のことを考えることも少なくなったかもしれない…。

でも…。とも思う。

ふとした瞬間、水面が揺れて、過去が顔を出すことがある。

ほんの些細なことがきっかけで、過去に捕まる…。

彼が言った言葉、彼と一緒に行った場所、その時の天気、その時の服装…急に鮮明に思い出す。

そうなると止められない、堰を切ったように次々に溢れ出す。


「前よりかは前向き…。だと、思う。彼のこと考えることが少なくなったし…。でも…。まだこの簪は手放せない…」


「手放さなくていいじゃない?大切に持っていればいいの」


「いいの?ずっと持ってても…」


「いいに決まってるじゃない!!とってもいい簪よ~。それ♡かなり繊細なデザインだし、手が込んでるし、一級品だってことくらい見たらすぐに分かるわぁ~」


「そんなにいいものなの?全然知らなかった!!」


「さすが。れいちゃんね~。ふふふ。だからね、簪に罪は無いってこと。それはただの装飾品よ。れいちゃんが勝手にあの人と結びつけてるだけよ…」


マーリンが肩に手をおいて優しくなでてくれる…。

そっか…。ただの簪。そうだよね。

彼から貰ったものだからずっと持っていないと、いけないと思ってた。

でも…。手放しても、手放さなくてもいいのか…。

わたしが本当に手放さないといけないものは、もっと他にある…。


「ありがとう!!マーリン、ちょっとスッキリした!!」


「いいのよ~。大切なお友達だもの♡」


「マーリン!!ほんとうに!!いつも話を聞いてくれてありがとう!!大好き」


わたしはガバっとマーリンに抱きついた。

本当に嬉しかった。肩の荷が下りた様な気がしたもの。

やっぱり、誰かに話すって大切ね!!


「ふふふ。これくらいお安いご用よ~。さっ、夜ふかしは美容の敵よ。もう寝ましょう!」


「うん!!」


そう言ってマーリンは部屋を出ていった。今日はいい夢が見れそうだ!!



*-------------------------------------*

部屋を出ると、怖い顔をした銀獅子ぎんししが立っていた。


「あら♡やだ~。こんなところで見張り?随分とご執心なのね彼女に」


わたしは、雷覇らいは殿に対してわざと、かなり威圧感な態度を取った。

あの子に相応しいか試したかったからだ。


「俺の婚約者に何かあっては困るからな」


「ふふふ。怖い怖い。そんな怖い顔をしてたら彼女に逃げられちゃうわよ?」


「逃さない。やっとここまで来たんだ。」


あら?意外と冷静ね。嫌味を言えば乗ってくるかと思ってたに…。


「ふーん。彼女が何を抱えているか、ライライは知っているの~?あの子随分と重たい荷物をもってるのよ?」


「知ってる。でもそんな事は関係ない。俺が怜琳れいりんの傍にいてやりたいだけだ」


「それって自己満足なんじゃない~?彼女に負担になるって思わないわけ?」


「思わない。彼女のためを思ってるからだ」


「随分と…。傲慢な考え方ね。あなたが気持ちを押し付けるほど、彼女はそれに押し潰されそうになってるの分からない?」


「なっ…んだと?」


自覚無いの?本当に彼女のこと好きなのね。

純粋に。だけどその分危うい…。

純粋な人は、何の意図もてらいもなく相手を思う。

相手のためだと純粋に思って行動する。

それがたとえ相手のためでないとしても…・。


「想像もしてなかって?銀獅子ぎんししが聞いて呆れるわね。あの子は女の子で、人間よ。戦争とはわけが違うのよ…」


「お前に何が分かるんだ…」


「分かるわよ。わたしは4年前からずっと彼女を見てきた。彼女から色々話も聞いてるわ。ひとつ思い違いをしているから忠告してあげる。」


「何?」


「彼女を救いたいと思ってるみたいだけど、無理よ。彼女を救えるのは彼女自身よ。自分で乗り越えないといつまでも止まったままだわ」


「…」


「よくお考えなさいな。銀獅子ぎんしし様」



わたしはそれだけ雷覇らいは殿に言うと、その場から立ち去った。

全く…。まっすぐ彼女を思うのはいい事だけど、真っ直ぐすぎるわ…。

れいちゃん大丈夫かしら?軍人さんは頭が硬いから心配だわ…。

全部自分でコントロールしそうだもの。

あの子を任せるのはまだ無理ね。


今のままだと、きっとあの子が彼に寄りかかってしまう。

それは何の意味もない。

彼女を支えるのはいい。

彼女がそれで前に進むなら。立ち止まるならありがた迷惑だわ。


わたしは、わたしであの子のためにできることをするわ…。

そう決めて部屋に戻って行った。


*-------------------------------------*

最後までお読み頂きありがとうございます!

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アウトプットって大切ですよね~!\(^o^)/

話していて色々気がつくこともあります!!!

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