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17.春魏国へ~マーリンとの再会~

また新しい登場人物の登場です!!ずっと書いて見たかったキャラクターなので

めっちゃ自由に書きました!!\(^o^)/


春魏国しゅうんぎこく五神国ごしんこく最大の商業国家。草木や花が生い茂る豊かな土地で、ありとらゆる娯楽があり、この世の楽園とまで謳われている国だ。男性も女性も派手に着飾る人が多く、様々な国から移民してくる人も多いのが特徴だった。

マーリンから手紙をもらってから4日目。もの凄いスピード感で、春魏国しゅうんぎこくへ入国した。秋唐国しゅうとうこくを出てからもう一か月経とうとしている。マーリンに会えるのは嬉しいけど…。

怜秋れいしゅうに会えないのは凄く寂しい。手紙でやり取りはしているけど、やっぱり直接会って話がしたい。怜秋れいしゅうの手紙にも、早く帰ってきてほしいと書いてあったし…。


「はぁ…」


「また怜秋れいしゅう殿の事か?」


出ました!!雷覇らいは殿の、怜秋れいしゅうセンサー。今日も感度ばっちりですね!!

ため息ついただけで、わかるとかどうなってんの??


「ええ。もう一か月近く顔を見てないので…。寂しくて…」


わたしは馬車の窓から外の景色を眺めながら答えた。わたしの横にはもちろん!ばっちり雷覇らいは殿が鎮座している。


怜彬れいりんには俺がいる。寂しがることはない…。それにいい弟離れになると思うぞ!」


「うう…。そんなこと…言わないで…」


これってホームシックなのかしら…。考え出したらどんどん、怜秋れいしゅうに会いたくなってきた。怪我とかしてないかな?元気なのかな?ちゃんとご飯食べてるのかな?心配で堪らなくなる。

あ…。どうしよう。本当に泣きそうだわ。これ…。目頭が熱くなってきて、鼻がつんと痛い。

最近涙もろい気がする。抑えようとしたけど、ポロっと涙が流れてきた。


怜彬れいりん!!俺が悪かった…。だから泣くな…」


雷覇らいは殿が変なこと言うからです…くすん…」


「すまない…。頼むからこっちを向いてくれ」


「もう…。離れろとか言わないですか?」


「……。言わない…。」


間が長いな!雷覇らいは殿の葛藤が伺える。怜もちですもんね!!


「じゃあ…。いいです」


そう言って雷覇らいは殿の方を向いた。思いっきり、抱きしめられてしまった。

今日もいい香りだな…。っていうか、最近ほんとうに雷覇らいは殿に抱きしめられるの普通になってるし前みたいに変な緊張感もない。

慣れって怖い…。ぐす…。


雷覇らいは殿って、いい香りしますよね?何かつけてるんですか?」


「ああ。この匂いか?調香師にイメージを伝えて、特別に香水を作ってもらってる。気に入ったか?」


「うん…。この匂いは好きです…」


「…っ。そうか」


そういうと雷覇らいは殿の心臓の音がすごく早くなった。何に緊張してるんだろう?匂いの事聞かれるの嫌だったのかな?うーん。男の人って難しい…。


怜彬れいりんが気に入ったなら、予備で持ってきている香水を渡そうか?」


「欲しい!!」


ガバっと顔を上げて雷覇らいは殿を見上げた。やった~。香水もらえた!!言ってみるもんだね~。


「ふっ…。同じ匂いをまとわせるのは…、なかなか官能的だな…」


なっ…!!!急に艶のある笑顔で雷覇らいは殿に言われた!!なんだ?官能的って!!いーやーだー!

銀獅子ぎんししを起こしてしまった!髪の毛を持ってちゅっとするとかやめて~。

欲しいとか言うんじゃなかった…。はぁ。恥ずかしい!!

まだまだ、銀獅子ぎんししを攻略するのは難しそうだ。

その後、なかなか雷覇らいは殿が離してくれなくて大変だった。



春魏国しゅうぎこく



「れ~いちゃ~ん。久しぶり~。彼氏連れとかちょ~羨ましんですけど~」


「彼氏じゃない!!マーリン久しぶり!!元気そうで良かったわ」


怜琳れいりん…。この方がマーリン殿か?」


雷覇らいは殿が固まってしまった。まぁ、びっくりしますよね!!


「あらっ!いい男じゃな~い。はじめまして、春魏国しゅうぎこく()()()()闘春とうしゅうよ!マーリンって呼んでね!!」


バチンと完璧なウインクをかましてきたのは…。そう、何を隠そうマーリンは男だ。見た目はかなりのイケメン。灰色の切れ長の瞳に、髪の毛の色が緑と紫という派手な色でアシンメトリーの髪型。右側の髪だけが長い。服装は中性的な感じ。網タイツのようなタートルネックに、上から着物をゆるく羽織っただけの格好だった。しかも、メイクバッチリですよ!!


「ここじゃ、なんだしお部屋へ案内するわ~」


ここは、マーリンの個人宅だった。第三王子だけどマーリンは王位継承権を返還している。

今は美のカリスマ、マーリンとして商売をしている。とっても明るくて、女性らしい男性だ!!わかりずらい!!


怜琳れいりん…。男性の友達とは聞いていないぞ」


「えっ?言ってませんでしたっけ?」


「やだ~。れいちゃん!そういうとこ~。ほんと抜けてるんだから~」


あれ~?そうだっけ?言ったような気もするけど…。まぁ、マーリンは女みたいなものだしいいよね!!てへ☆


「ライライは、れいちゃんの婚約者なのよね~?」


「らっ…。らいらい?」


「そう!!雷覇らいはだから、ライライ!かわいいでしょ~」


「ふふふ。相変わらずマーリンはあだ名をつけるのが好きだね」


「れいちゃんは相変わらず、かわいさ爆裂ね~!!あ~ん。早くおめかしして出掛けたいわ♡」


そう言って、マーリンはわたしに抱きついてくる。マーリンは洋服や、装飾品が好きで自分でデザインしてるくらいだ。それがこの国で一番の人気店のオーナーにまでなっている。

かなりの才能の持ち主なのよね~。


「っ…。くっつきすぎだ!!」


ガバっと雷覇らいは殿の方に、引き寄せられてしまった。うーん、やっぱり雷覇らいは殿は苦手な相手よね~。だから来なくていいって、遠回しに言ったのに。


「あら!かなり、独占欲が強いのね~。やきもち焼きは女に嫌われるわよ~」


雷覇らいは殿、マーリンは昔からこんな感じなんです。それに男性が好きだし」


「そうよ~ん。でも…。れいちゃんは()()()()♡女の子で、初めて好きになった子よ~」


「えっ?そうだったの?マーリン!!!」


びっくりなんですけど!!男性しか興味ないとか言ってなかった?


「ふふふ。今でも好きよ?」


「ほう…?」


おっふぅ!!なんか、デジャヴュ!!どっかで感じたことある、寒さなんですけど~…。

はぁ。やっぱり相性悪かったな…。この二人。


「いや~ん。怒った顔もイケメンね!!ライライって♡」


「まぁまぁ、二人共せっかくなんだし仲良くしよ!!ねっ?」


「そうよ~。せっかく来たんだから、楽しみましょ♡」


今回、マーリンが招待してくれた理由はわたしが近くまで来ていたからっていうのもあるけど、もう一つ春魏国しゅうぎこくで最大のお祭りが催されるためだった。

ちょうど二日後に始まり、『春緑花祭しゅうりょっかさい』と呼ばれている、一周間かけて春魏国しゅうぎこくの誕生と神様に感謝をするお祭りだ。

国中の草花が集められて、街中に飾られる。まさに楽園を再現したような華やかさになるんだそうだ。

たくさんお花や草木をみれる!!植物好きのわたしにとっては、たまらないお祭りなのだ。


もちろん、飾り付けられるのは街だけではない。人も同様に仮装したり、仮面をつけたりして華やかに装う。色んな国から人が来たりするからかなりの賑わいになる!!楽しみ!!



()()()()!わたしは一人でソファで寝ます!!」


わたしは今、人生で最大のピンチに見舞われている!雷覇らいは殿と寝室が一緒だったからだ。

ぜっっったい!!マーリンわざとだ。あのおんな~!!覚えてろよ!!あっ、男か!!

他の部屋に変えてもらうように行ったけど、「ごめ~ん。準備が整ってないの~。てへ♡」

って言われて断られた!!何がてへ♡よ!!!!


怜琳れいりんをそんな所で寝かせれるはずないだろう?一緒にベットで寝よう!!」


さっきの不機嫌はどこへ行ったのやら。満面の笑みで雷覇らいは殿が言ってくる。

しかも、めっちゃイキイキしてる。だめよ!一緒になんて寝たら、貞操の危機!!絶対食べられる!!色んな意味で!!!


雷覇らいは殿と一緒のベットなんて無理!!」


「なんでだ?」


「なんでって…。それは…」


「それは?」


ニヤニヤしながら雷覇らいは殿がにじり寄ってくる。うう…。とうとう壁際までおいこまれてしまった。


「わたし、寝相悪いし…」


「大丈夫だ。気にしない」


「寝言と歯ぎしりもすごいって言われたことあるし…」


怜琳れいりんの寝言と歯ぎしりなら問題ない」


「問題あります!!大アリです」


「何が問題なんだ?」


そう言いながら、雷覇らいは殿が左手で頬に触れてくる。こういう時のこの人は本当に質が悪い。まるで獲物を狙う虎そのものだ。絶対に逃さないって顔してる。


「恥ずかしすぎて…。死んじゃう…」


わたしは半泣きで雷覇らいは殿見つめた。もう勘弁してください!!


「っ…!ふっ。本当にかわいいな…。怜琳れいりんは…」


「っつ…!!!」


一瞬驚いたような顔をした雷覇らいは殿だったけど、ゆっくりした動作で顔が近づいてくる。そのままおでこに口づけされる。その間に反対側の頬も抑えられて、動けない。

だんだん距離が近くなる。唇が近くなって、息がかかりそうな距離になった時…。口づけされる…!!!と思った瞬間…



コンコン。


部屋をノックする音が聞こえた。


「れいちゃ~ん。いるぅ~?」


「なっ…なに!!マーリン!!」


助かった~!!!本当に今のは危なかった!!マーリンありがとう!!さっき悪口言ってごめんなさい!!わたしは、もうダッシュで扉に向かった。


「お部屋の準備ができたみたいなの~。今から移動する?あっ?でも婚約してるんだし、ライライと一緒のほうがいい?」


「いいえ!!別でいい!!」


「あら?そお~?んじゃあ、案内するわね♡」


わたしは、急いでその場から離れた。雷覇らいは殿の顔を見る余裕はなかった。




最後までお読みいただきありがとうございます!!

ブックマークしてくださったかもありがとうございます(^o^)

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