168.冬彩氷祭~前祝い~
いよいよ怜彬と雷覇の結婚準備に向けて動き出します!
さぁ。このままスムーズにいくのでしょうか?( *´艸`)
わたし自身も楽しみです☆
「怜秋殿…本当に…?」
「はい。雷覇殿と姉の結婚を認めます」
「そうか‥‥」
「ありがとう!怜秋」
「遅くなってごめんね。姉さん…でもやっと決心がついたんだ」
「そっか…」
わたしは怜秋の傍に行って抱きしめた。
雷覇はなんだか方然としてしまって動かない。大丈夫かな?
「いや~ん♡おめでとう!れいちゃん」
「ありがとう。マーリン」
「おめでとうございます!怜彬お姉様」
「ありがとう。シャチー」
皆口々におめでとうと声を掛けてくれる。
あー…。幸せだな~。
空を見上げると綺麗な雪の結晶がふわふわと振ってくる。
光に反射してまるで花びらの中にいるようだった。
「やったー!!!」
突然、雷覇が大きな声で叫んだ。
びっくりして振り返ったら、両手を延ばして万歳のポーズをしてる。
ふふふ。よっぽど嬉しかったのね‥‥。
無理もないか…。1年以上待ってくれてたんだものね。
すると雷覇がこちらに駆け寄ってきてわたしを抱き上げた。
「きゃっ!!!」
「怜彬…。やった…やっとやっとだ…」
「雷覇。良かったね」
「ああ。嬉しいよ!こんなに嬉しいのは久しぶりだ」
雷覇がその場でグルグル回りながら何度もやったと呟く。
子供の様にはしゃいでいる。わたしは目が回りそうだけど…。
無邪気に笑う彼はとっても眩しくて輝いて見えた。
しばらくしてから落ち着いたのか地面に降ろされてぎゅっと抱きしめられた。
わたしも彼の背中に手をまわして抱きしめた。
そっか…。これでやっと…。
でも…なんだかわたしはまだふわふわしてる。
実感があんまり湧かない…。
まぁ、そのうち湧いてくるか。
わたしはどちらかと言うと、雷覇が嬉しそうにしている事が嬉しかった。
わたしにとって結婚はそんなに大きな意味はないのかもしれない。
傍にいることは当たり前で、彼の事が大好きで…。
どんな形になっても雷覇と一緒に生きていく。それは変わらない。
ただ、結婚することで正式に雷覇と家族になれることが誇らしかった。
胸の中が熱くなって、ぎゅっとなる…。
わたしは雷覇を抱きしめながらこの幸せをか噛み締めた。
「こうしてはいられない。すぐに夏陽国へ帰って準備しないと!」
「えっ!もう帰っちゃうの?」
「だって…やっと怜彬と結婚できるんだ。今すぐにでもしたいくらいなのに…」
「だめよそんなの…。それにこのお祭りの後、五神国会議もあるのよ?」
「あー‥‥。そうだな‥‥」
急にトーンダウンしてがっくりしてしまった。
嬉しいのは分かるけど、ちょっと落ち着こう!
何事にも順序ってものがあるしね。
「雷覇殿。ここじゃ寒いですし、ひとまずお城に戻りませんか?」
見かねた冬條殿が声を掛けてくれた。
彼に気を遣ってもらって申し訳ない!
「そうね。ひとまずお城に戻ってゆっくり話しましょう~♡」
「じゃあ、行きましょう!」
「そうだな…。そうする方がいいな」
「良かったですね!雷覇国王様」
「シャチー…。ありがとう…」
シャチーにまで慰め貰って…。そんな落ち込むところ?
結婚することには変わらないのだから…。そんなに慌てる事ないのに。
それに盛大に四季国で挙式したいって言ってなかった?
相当な準備がいるはずでしょ?
会場の準備に招待客のリストアップ。
どんな料理を出して、どんな曲を流すとか…。
これからやる事は山ほどある。
しかも慣れない四季国で行おうとしてるのだ。
綿密な打ち合わせをしないと大変な事になるだろう。
しょんぼりしている雷覇を引き連れてわたし達は滞在しているお城に戻った。
それにしても…。こんなに早く怜秋が認めてくれるなんて…。
珀樹殿が秋唐国へ来るって分かったからかしら?
怜秋の表情を見るととても晴れ晴れとしていてスッキリしてる。
あんなに結婚に反対してたのに…。ちょっぴり寂しい…。
怜秋はもう…大丈夫になったのね。
わたしがいなくても自分の足で立って歩いて行けるのね…。
怜秋の背中はとても逞しくなって大きくなっている気がした。
彼の成長が嬉しくもあり物悲しくもあった。
母親ってこんな心境になるのかな~。ホロリ…。
そんな事を考えながらわたしは、お城への道を歩いて行ったのだった。
お城に戻ってからは、大盛り上がりだった。
冬條殿が結婚が決まったお祝いにと豪勢な料理やお酒をふるまってくれたのだ。
大人組で宴会が始まってしまった為、ご飯を一緒に食べた後
怜秋とシャチーは部屋に戻って寝ることになった。
「もう~。ほんとに良かったわね♡ライライ~」
「ああ。ありがとう!マーリン」
「良かったですね!雷覇殿」
「ありがとう。冬條殿。それにしても…この酒は本当に美味いな!」
「これも、冬羽国の技術を駆使したお酒ですからね!」
「素晴らしいな!では美味い酒に乾杯だ!」
「そうね~♡乾杯しましょ~」
「かんぱーい!」
もう何度目か分からない乾杯を雷覇とマーリンと冬條殿でしている。
わたしはお酒はこりごりだから、三人から離れて珀樹殿と食後のお茶をしていた。
それにしても…。冬條殿って意外にもお酒強いのね!本当に意外だわ!
雷覇とマーリンは湯水の如くお酒を飲んでいるのはいつもの事だけど
そのペースに普通について行っている冬條殿は相当な酒豪だと思った。
「ふふふ。雷覇様とっても嬉しそうですね」
「ほんとに…。あんなにはしゃいでいる雷覇は、初めて見たわ」
「それだけ嬉しかったのでしょう…。なんせずっと思い続けた人と結ばれるんですもの」
「まぁ…改めてそんな事言われると…照れちゃうけど」
「挙式は夏陽国で上げられるのですか?」
「ううん。四季国でやるって雷覇が…」
「まぁ!四季国で?」
「そうなのよね~。わたしはぶっちゃけ、こじんまりとした挙式でいいと思ってるんだけどね…」
「怜彬様は二回目ですものね」
「うん。一回目が凄すぎて正直しんどかったのよね~。ご飯は食べれないし、ドレスは重いし眠いしで…」
「盛大になるほど負担は大きいですものね…」
わたしはゆっくりお茶を飲みながら話した。
今でもあのしんどさは忘れられない。
何時間も夏陽国を籠に入れられて練り歩いて
朝早く起きて髪の毛やらお肌のお手入れをして磨いて…。
ふぅ…。やっぱり気が滅入ってしまう。
二度とするもんかって思っていたもの。
まさかもう一度やることになろうとは…。
「はぁ…。今から憂鬱だわ」
「それでしたら、怜彬様が計画したらどうでしょう?」
「わたしが?」
「はい。規模は縮小できないかもしれませんが、怜彬様の要望を伝えることはできます」
「なるほど…。その手があったか」
「前回の式を踏まえて改善して執り行えば少しは辛くないんじゃないでしょうか?」
「そっか…そうね!そうするわ、珀樹殿!」
「わたしも微力ながらお手伝いいたします」
「ううう。ありがとう…珀樹殿…」
わたしは思わず泣きそうになった。
なんて…なんて珀樹殿はいい人なの!
わたしの気持ちを分かってくれる人は珀樹殿しかいないわ!!
やっぱり女性の気持ちは女性にしか分からないのね。
その後、騒いで飲んでいるだけの男性陣を尻目に女性陣は
どんな式が一番楽でしんどくないのかを検討した。
珀樹殿とあーでもない。こーでもないと言って
夜遅くまで話をするのはとても新鮮で楽しかった。
おかげで結婚式への嫌な気持ちも解消されてむしろどう乗り切るかに切り替わった。
雷覇に任せておいたら大変なことになりそうだしね。
よーし!盛大で楽な結婚式にするぞ~。
最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)
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