167.冬彩氷祭~未来への大きな一歩~
やっと更新できました~(*´∀`)
ここのシーンはずっと書きたかったものです♡
皆さんに楽しんでもらえると嬉しいです!
「れいちゃ~ん♡」
「マーリン?!」
雷覇と噴水へ向かっていると、マーリンが手を振って駆け寄ってきた。
ふわふわのファーのおしゃれな帽子に、ものすごいボリューム感のあるコートを着ている。
相変わらずひと目見てマーリンとわかるくらい派手だった。
「どうしてここに?」
「じょるたんから招待されてたんだけど、仕事でちょっと遅くなっちゃったのよ~」
「そうだったんだ!知らなかった」
「フフフ♡そうでしょ?サプライズよ~」
「久しぶりにあえて嬉しいよ!マーリン」
わたしはマーリンに抱きついた!
あーフカフカしてて気持ちいい~。大きなぬいぐるみに抱きついているみたい…。
「久しぶりだな。マーリン」
「ライライも元気そうね~」
「遠くから見てたけどラブラじゃなーいあなた達♡」
「当たり前だ。怜琳とはもう通じ合った仲だからな!」
「えっ?それってぇ…」
「きっ…気持ちの部分でよ!きもち!」
もー…。なんであんな紛らわしい言い方するかなー。
でも久しぶりにマーリンに会えて嬉しいな♪
お見舞いに来てくれて以来だから結構な時間が経ってる。
手紙でやり取りしてるから、離れている感覚はあんまりないんだけどね。
「なーんだぁ。まだそんな感じなの~?あなた達。もう随分時間が経つじゃない?」
「そうね…かれこれ一年は経ってるわ」
「時間は経ったが、問題ない。あとは怜秋殿の許可待ちだ」
「それが難しいそうね~。一番…」
「まぁ、怜秋も徐々に雷覇のことは認めてくれてるから」
「ああ。手紙で返事ももらったしな!」
「そうなのね~。まぁ、二人がいいなら大丈夫ね♡」
マーリンが来てくれて良かった~。
なんだかちょっと雷覇と二人きりが居心地悪いというか
ずっとソワソワしてて落ち着かなかったのよね…。
急に意識しちゃったからなんか…目を合わせられなかったし。
これも後でマーリンにこそっと相談しようっと。
わたしは二人の横でそんな事を密かに思っていた。
雷覇は気にしている様子もなくマーリンと世間話ししていた。
この二人も最初は仲が悪いように思えていたけど今となってはいい友人だった。
お互いに信頼しているように感じる。
とってもいいことだと思った。
しばらく歩いた先に待ち合わせ場所の噴水の前までたどり着いた。
そこにはすでに、怜秋達が集まっていてわたし達を待っていてくれていた。
皆白い息を吐きながら楽しそうに会話していた。
わたしはなんだかその光景を見てとても、嬉しくなった。
大勢の人達がわたしや怜秋の周りにいる…。
その人達は皆素敵な人達で信頼できる人達で優しい人達…。
家族が増えたみたいでわたしは少し泣きそうな気持ちになった。
「怜琳お姉様!」
「シャチー!いい子にしてた?」
シャチーが天使のような笑顔でこちらに向かって走ってきた。
空気が冷たいせいか鼻先も頬もりんごのように真っ赤になっている。
お人形みたいで可愛かった。
「はい。ちゃんといい子にしてました」
「さすが!シャチーは賢いわね」
「いやん♡なにこの女の子!すっごいかわいいじゃな~い」
「ああ。マーリンは初めてよね。キーサ帝国から来てるシャチー王女よ」
「はじめまして!シャチーと申します」
シャチーが礼儀正しくマーリンに挨拶をする。
マーリンもにこやかに挨拶を返していた。
シャチーはマーリンを見てもびっくりしていなかったのが意外だった。
むしろ普通に接していて、楽しそうにすらしている。
シャチーって…大物になるのかも…。
「じゃあ皆揃ったので、そろそろメインの会場へ向かいましょう!」
「はーい」
雷覇がすかさずシャチーを抱き上げて歩いていってしまった。
わたしだってシャチーに構いたいのに!!プンプン!!
仕方がないので、後ろから珀樹殿と怜秋と並んで後に続いた。
マーリンは冬條殿と何やら親密そうに話をしている。
もう…お付き合いとか…してるのかしら?
でも最初に比べたらとても仲が良さそうだった。
冬條殿も緊張せずに接しているし、マーリンの表情も穏やかだ。
「怜秋達はなにしていたの?」
「皆で彫刻体験をしてたよ!最新の技術に触れられてとっても良かった」
「へぇ!そんなこともできるのね」
「冬條殿が色々アドバイスしてくれたから楽しかったよ」
「まぁ…良かったわね」
怜秋もとても楽しんでいる様子だった。
興奮しているせいか鼻息が荒い。そんなところは初めて見た。
子供っぽくってとってもかわいいわ!
わたしも思わず鼻息が荒くなってしまいそうだった。
「珀樹殿、今日は色々案内をしてくれてありがとう」
「こちらこそご一緒できて楽しかったです」
「明日はわたしと雷覇はお城でゆっくりするから、珀樹殿もゆっくりしてね」
「ありがとうございます。ちょっと実家に顔を出してこようと思いますので…」
「だったら僕も挨拶に行くよ。お世話になっているしね」
「えっ…そんな…。わざわざ怜秋様に来ていただくまでも…」
「わたしの分もお願いね!怜秋」
「うん。任せといて姉さん」
「あの…本当に…お二人には感謝しても…しきれません…」
「いいのよ!珀樹殿はわたしの大切な友人ですもの」
「怜琳様…。ありがとうございます」
少し涙ぐみながら、怜秋とわたしにお礼を言う珀樹殿。
感謝したいのはわたしの方だった。
怜秋との関係といい、電力事業といい…。
珀樹殿にはお世話になりっぱなしだった。
「実家に帰ったら移住の件話そうと思ってるんです。正式に秋唐国へ行きたいと…」
「珀樹殿…本当に?」
怜秋が食い気味で珀樹殿に問いかけた。
さっきよりももっと鼻息が荒くなってる!
「はい。これからは腰を据えて怜秋様にお仕えしたいと思ってます」
「ありがとう!珀樹殿、とっても嬉しいよ」
「わたしもすっごく嬉しいわ!」
「これからも…末永くよろしくお願いいたします」
「こちらこそよろしくお願いします!」
わたしは嬉しくなって思わず珀樹殿に抱きついた。
珀樹殿はとってもびっくりしていたけどすぐに抱きしめてくれた。
珀樹殿のような素晴らしい人が秋唐国へ来てくれるなんて…。
友人としても王女としても嬉しかった。
怜秋もかなり嬉しそうに頬を緩ませていた。
本人は気がついていないだろうけど…。
茶化すと拗ねちゃうから黙っておくことにしよう。
『それではお集まりの皆様!いよいよ今年の最優秀賞を発表いたします!!』
司会の男性が大きな声でみんなに呼びかけた。
会場には沢山の人が集まっていて、結果の発表を心待ちにしていた。
わたしも関係ないけどドキドキした。
午前中に沢山の人達が自分たちの技術を発表していた。
その中で上位3名が決まるのだ。
『ではまずは第三位の方から発表いたします…』
それから順番に最優秀賞を受賞した人が呼ばれた。
そしていよいよ、一位の人の発表となった。
『それでは…今年の栄えある冬彩氷祭り一位は…天候に関わらず雪を降らす技術を開発した☓☓さんです!!!』
ワー!!!!!
会場が一斉に拍手の音に包まれる。
そして、冬羽国の国王から記念品と賞金の授与がされた。
一位の人は涙ぐみながら喜んでいた。
わたしも沢山拍手をして讃えた。
パーン!!!!
大きななにか弾けるような音がしてしばらくしたら
空から雪がチラホラ降り出してきた。
「わぁ…!雪だわ!!」
「すごーい!!綺麗ね~」
わたしとシャチー、雷覇は空を見上げながら雪が振ってくるのを眺めた。
シャチーは手を伸ばして沢山雪を集めようとしている。
こんな技術を開発できるなんて…。すごいな~。
皆が喜んでその場は大盛りあがりだった。
「雷覇殿」
「何だ?怜秋殿」
皆ではしゃいでるときに、急に怜秋が真剣な顔つきで雷覇に近づいた。
わたしは思わず緊張してしまって黙って見守っていた。
「ずっと…待たせてしまって申し訳ありません…」
「何のことだ?」
「姉の事…よろしくお願いいたします」
「はっ…」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
怜秋は深々と頭を下げて雷覇に結婚の許可を出したのだった。
最後までお読み頂きありがとうございます!
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