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14.夏陽国滞在~猛威を振るう銀獅子~

今回は雷覇殿が大暴れ!( *´艸`)


わたしが寝落ちしてしまった日から、雷覇らいは殿の態度が明らかに変わった気がする。

いつ!どこで!誰と!いようとお構いなしに、甘々攻撃の猛威を振るってくる。

もうね…。台風ですよ…。災害ですよ。あれは。

秋唐国しゅうとうこくにいたころは、言葉の甘々攻撃だったけど

夏陽国かようこくに来てからはスキンシップが異常に多い!

ううう…。恥ずかしい!!


わたしも、もともと怜秋れいしゅうに対してスキンシップは多い方だと思っていたけどそれの比じゃないです!!

どこかへ案内されるのも腰を抱きながらエスコートされるし、わたしが何か話すたびに頬やおでこに口づけされる…。

座るときはいつも横にいるし、手もいつの間にかつないでいるし…。

これって恋人みたいじゃない?

大丈夫じゃないよね?一年後には婚約解消する気満々なわたしとしては

なるべく波風立てずに解消したい。

反論しても、許容しても甘々攻撃の精度は変わらない。お手上げです。

この状況から逃れるためには前に考えていた、尼になるか、死ぬしかない!!!


今日は滞在三日目。

マダムベリーが仮縫いをした服を持ってきてくれる日だ。

もうね…。今から台風に備えないとね…。マダムベリーもいるから攻撃力二倍ですよ…。

前と同じ部屋へ通され、トルソーに衣装が着せられていた。


「わぁっ!!綺麗ですね!!さすがですマダムベリー!」


「まぁ!まぁ!姫様に喜んでもらえて光栄ですわ~。腕によりをかけたかいがあったというもの!!ぜひ合わせてみてくださいまし!!」


怜彬れいりん。早速着てみせてくれ!!」


「…。はーい」


やっぱり試着しないとですよね~。仮縫いの状態で体にフィットしているか確認する。

問題なければ、きちんと縫製されて仕上がりだ。

1着目は肩が大きく開いているデザインでおへそが丸見え!!

幸い下半身、おへそから下は裾にドレープが施されているスカートで露出はすくないほう。

だけど足元がすごくスースーする…。やっぱり慣れないな~。この国の服!!

生地の色は綺麗な青色にした。怜秋れいしゅうの瞳と同じ色!

(わたしの中でそう思ってる)

肩から手首までは同じ色の半透明な布で袖を通すデザインだ。


「ああ!!はやり我が女神は何を着ても素晴らしいな!怜彬れいりんの美しさが引き立たせている。よくやった。マダムベリー!」


「お褒めに預かり恐悦至極に存じます。雷覇らいは様!!」


「…」


わたしは貝よ…。もう何も感じない…。ニコニコしながらそう念じていた。


怜彬れいりん様を見てますと、もうデザインのインスピレーションが湧いて湧いて!!とっても楽しくデザインすることができましたわ~」


「さすがだマダムベリー!怜彬れいりんのことをよくわかっているな。この服に合う装飾品もいくつか見繕ってくれ!!」


「かしこまりました!!お任せくださいまし~。宜しければ、怜彬れいりん様のお国の宝石を使って作られてはいかがでしょうか?」


「素晴らしいアイディアだな!!早速取り寄せるように手配しよう」


「ありがとうございます!雷覇らいは様」


ああ。話がどんどん明後日な方向へ進んでいく…。

雷覇らいは殿は初孫を喜ぶおじいさんみたいだし、

マダムベリーは商売上手で財布の紐がゆるいおじいさんをおだてつつ、提案してどんどん注文数を増やしていく。

気が付けば服以外の装飾品、靴、鞄などあらゆる商品を買い付けていた。

まぁ。うちの宝石が使われることはいいことなんだけど…。

誰か止めて~!!わたしはお手上げですよ~!!!


その後、雷覇らいはおじいさんとマダムベリーのやり取りを聞きながら

残り4着の試着を終えた。

なんかもう、突っ込む気力もないわ…。二人の猛威にかなうものはない!

そう学んだわたしだった。

服の仕上がりは二日後になるそうです…。ご満悦な様子のマダムベリーが帰っていった。

ふぃ~。やっと終わった。台風の一つが去った…。

恒例の雷覇らいは殿とのお茶だけど、今日は中庭の方でしようということになった。

庭の真ん中には丸い噴水があって、それを囲むように丸い花壇がある。

花壇には赤いバラが植えられていてとてもきれいに咲いていた。

丁寧に整備された芝生に背の高い木々がまわりを囲っている。

洗練されたお庭だなと感じた。

わたしと雷覇らいは殿は庭全体がみれるテラスでお茶をしていた。


「ふぅ…。」


「大丈夫か?今日も疲れたのか?怜彬れいりん


「そうですね…。マダムベリーは何であんなに元気なんですかね?」


「ハハハ。怜彬れいりんがかわいくて仕方ないのだろうな!俺も見ていてとても楽しかった!!」


「喜んでもらえてよかったです…」


ううう…。こっちは台風の猛威に耐えながらですからね!!しんどいですよ!そりゃあ!!

雷覇らいは殿は、ますますイキイキしてますね!はぁ…。

でもお庭を見ながらお茶するって楽しい!!久しぶりに、リフレッシュできてる気がする!

バラも綺麗に咲いているし、芝生もとってもふかふかして気持ちよさそうだし…。

ああ!!ゴロゴロしたい!!今日は天気もいいし。温かいし。最高のゴロゴロ日和なのになぁ~。


怜彬れいりん。何か気になることでもあるのか?」


「あ~。芝生でゴロゴロしたいな~って見てました…」


「なるほど!!いいな!そうしよう。すぐに準備させよう!」


「へっ?!」


ボーっとしていて適当に言っちゃったけどいいの?まじで?


「…いいんですか?」


「もちろんだ!怜彬れいりんが寝てくれたら芝生も喜ぶだろう!!」


ちょっと何言ってるかわからないけど、芝生で寝れるなら何でもいい!!


「ありがとうございます!雷覇らいは殿!すっごく嬉しいです!!」


「…っ。ああ。喜んでもらえて、俺も嬉しい…」


??なんだ?歯切れ悪いな。でも、まっいっか☆


一気にテンションが上がった。ああ。あのふかふかしている芝生で、ゴロゴロできるなんて幸せすぎる!!


怜秋れいしゅうも一緒だったらなぁ…」


「ふーん。怜秋れいしゅう殿もな…」


あっ!思わず本音が出ちゃった。だって、絶対!!怜秋れいしゅうと一緒にゴロゴロしたら、気持ちいいもの!!

ああ。そう思うと怜秋れいしゅうに会いたくなってきた…。

まだ三日しか経ってないけど怜秋れいしゅうは元気かしら。


怜彬れいりんは…。本当に弟のことが好きなんだな…」


「はいっ!!大好きです!!かわいくて、綺麗なラピスラズリの瞳に、サラサラな黒髪は天使かって思います!!おまけにとっても姉思いのいい子なんです!!」


「それに10歳も年が離れているせいか、わたしもついつい面倒を見てしまうんです…。あの子は物心ついたころから父も母もいませんでしたから…。わたしが母親代わりみたいなところもあるんです」


「まぁ・・。10歳も年が離れていたら可愛がるのは無理ないが…」


木陰の下で絨毯を敷いてもらい、腰かけながらわたしは雷覇らいは殿に怜秋れいしゅうの良さをプレゼンしていた。

なぜかだんだん雷覇らいは殿が無口になっていくけど。そこは気にしない!!

わたしの怜秋れいしゅうへの愛は、無敵なのよ!!そして後で怜秋れいしゅうに手紙を出そう!!


「ほんと~に!!ほんとうに!!怜秋れいしゅうは可愛いんですよ!小さい頃はわたしをお嫁さんにするって言ってきかなくて…」


「なるほど…。よくわかった」


「えっ?…きゃっ…」


ドサッと急に雷覇らいは殿が覆いかぶさってきた。

両手を抑えられて地面に押し倒される形になる。

目が…。雷覇らいは殿の目が怖いんですけど~…。

なんで?わたし何か気に障るようなこと言った?


「あの?雷覇らいは殿?」


「俺といる時は他の男の話をするな…」


「ホカノオトコ…?」


はて?そんな話した?…他の男って怜秋れいしゅうの事!?

ちょっと待って、男の子だけど、弟よ?なんでそんなに怒ってるの?

雷覇らいは殿の顔がだんだん近づいてくる…。やばい!!この体勢でこの距離は!!

話を逸らさなきゃ!!


「男って言っても弟ですよ。しかもまだ怜秋れいしゅうは12歳ですし」


怜彬れいりんは何もわかっていない…」


「わかってないって何をですか?」


「何で俺が他の男の話をするなと、言うと思う?」


「何でって…。」


「嫌だからだ。たとえ血の繋がっている弟だとしても、怜彬れいりんの口から他の男の話は聞きたくない!!」


えー!!なにそれ!!怜秋れいしゅうに焼きもち焼いてるってこと??

銀獅子ぎんししが?軍事国家の最大当主が??12歳の男の子に嫉妬!!!


「聞きたくないって言われても、無理ですよ!怜秋れいしゅうは私の弟なんですよ?切っても切り離せない」


「そんなの知っているさ。だから余計に嫉妬する…。なんの理由もなく君の傍にいられる、そんな彼が妬ましくて羨ましいくて仕方がない…」


だんだん、雷覇らいは殿の声が暗くなっていくのがわかる。

表情も切羽詰まってる感じがする。

どうして、そんな顔するの?おかしいよ…。


「俺がどんなに望んでも今のままじゃ、無条件で怜彬れいりんの傍にはいられない…」


雷覇らいは殿…」


そんなこと言われても困る…。わたしは最初から言っているもの…結婚はできないって。


怜彬れいりん…今日、最初に試着した服の色も怜秋れいしゅう殿を思って選んだのではないのか?」


「えっ…。どうしてそれを?」


怜彬れいりんを見ていればわかる。あの服を見る時の君の表情だけ、明らかに違っていた…」


「あの服は…。青色がとてもきれいで…。だから怜秋れいしゅうの瞳の色に似ているなっておもっ…」


言いかけたら、雷覇らいは殿に口を塞がれてしまった。


最後までお読みいただきありがとうございました(^O^)/

書いているうちに、最初考えていた方向とはだんだん違うほうに行ってました笑

ちょっとでもいいなと思ったら、広告の下の☆☆にぽちりしていただけると嬉しいです(#^.^#)

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[一言] 怜彬が寝てくれたら芝生も喜ぶで笑ってしまいました
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