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130.雷覇《らいは》と剣術稽古

ギャップ萌え!わたしはめっちゃ大好物です!

普段、冷静な人が嫉妬に駆られて冷静さを失うとか!!(∩´∀`)∩

もう…最高ですね!たまりませ~ん( *´艸`)

怜彬れいりん。剣を持つときはこうだ」


「え?こう…?」


「そうだ。それで外側に力を逃がす感じで振るんだ」


「わかった…。こうかしら!」


ブンッと音を立てて剣を振るう。剣が空を切る音が響く。

以前、雷覇らいはと話していた剣術の稽古を付けて貰っている所だった。

本格的な剣術というよりかは護身術に近いもので、何かあったときに自分でも

対処できるようにと雷覇らいはが指導してくれている。

持っている剣も刃渡り15センチ程度の短いもので、女性でも扱いやすい物を選んでもらった。


ただ…。それでもけっこう難しい。短刀とはいえ腕にずっしり来る重さに加えて

力の入れ方を間違えるとい上手く切ることが出来ないのだ。

うーん…。これはコツコツ頑張るしかないわね!


「よし!じゃあ試しにこの木を切ってみよう」


「わかった!」


ガガッ!!


途中で刃が木に食い込んで止まってしまった。

勢いを付けて切り込んだ分、手がジンジンして痛い…。

雷覇らいはの手のひらが豆だらけになるはずだわ…。

2時間ほど練習しているが、一向に切れる気配がない。包丁で食材を切るのと訳が違った。

力を上手に剣に乗せて切らないと刃はたちどころに威力を無くしてしまう。

ただがむしゃらに切ればいいと言うものでもなかった。


「はぁー!難しいわね!」


「ハハハ!最初は誰でもそんなものだ。初めは柄と手が一枚の様になじむまで、打ち込むんだ」


「そんなに!?とてもできる気がしないわ…」


「俺でも3年はかかったよ。今では剣と手が一体になってる感覚がある」


そう言いながら器用に剣を持ち換えながら話をする雷覇らいは

3年かぁ…。模擬戦での戦いをするにはもっと長い年月がいるでしょうね…。

そこまで本格的にやるつもりはないけど。でもやるからには、自分で自分の身を守れるくらいは

できるようになりたかった。自衛ができれば、助けが来るまで逃げることが出来る。

その為にはまず、剣と手をなじませることがカギとなるのだった。


「やっぱり…。雷覇らいはって凄いのね!実際に体験してみて思ったけど、剣って持つだけでもしんどいもの」


「そうだな。俺の場合は特殊な形をしているからもっと重いぞ?」


そう言われて雷覇らいはが持っていた剣を手渡される。

剣が重すぎて地面にずっしりめり込みそうだ。とてもじゃないけど片手で持てる代物じゃなかった。

両手でやっと宙に浮かせる程度。それも数秒くらい…。


「ほんとうーに!重い!」


「これくらい普通だよ…。サイガが持っている鉾はもっと重いしな!」


「えっ?!そうなの‥‥」


「サイガのは長さが長い分、重量も上がるし重心も低くなるから相当使い込まないと扱えない」


「そうなんだ…。雷覇らいはもサイガもすごいのね~」


わたしは持っていた剣を雷覇らいはに返してその場にへたり込んでしまう。

額には汗がびっしり滴っていた。こんなに汗かくの久ぶり…。

そもそも運動不足だったし。これは絶対、明日腕が上がらないわ…。


「今日はこれくらいにしてまた日にちを空けて練習しよう」


「ええ。そうね。筋肉痛になりそうだわこれ…」


「ふっ。最初は肩も上がらなくなるぞ?」


「そっ‥‥そんなに?」


「ああ。手は血豆だらけになるし皮はめくれるし…最初のうちは剣を持つのも苦痛になる」


「うわ~…。軍人さんって本当に努力家な人が多いのね」


雷覇らいはの話を聞いて、開いた口がふさがらなかった。

彼が今の様に剣術を体得するまで15年…。とうていまねできない事だった。

それでも雷覇らいははまだまだだという…。しかも1日でも練習を怠れば

取り戻すのに1週間かかるそうだ。日々の積み重ねが重要になってくるものだった。


「容量のいいやつは、息抜きしながらやるけど、俺みたいなタイプは限界までやるからな~」


「でしょうね…。雷覇らいはは真っ直ぐだもの」


「怪我した後、いつも通りに動けるようになるまで随分時間がかかったよ」


「大変だったのね…。でも今日それが少しでも分かって良かったわ!」


「ありがとう。怜彬れいりん。理解しようとしてくれて」


嬉しそうに微笑みながら私の横に来て手を握る雷覇らいは

やっぱり実際に経験してみることって大切ね!

今日、雷覇らいはから剣術を学ぶことで雷覇らいはや他の軍人さんに対する見方が変わった。

彼らは日々、国を守る為に毎日欠かすことなく鍛錬を繰り返し行う。

手を豆だらけにしながら、泥だけになりながら何度も何度も繰り返す。

特に雷覇らいはの部隊は厳しく雨の日も、風の日も休むことなく

練習を行うそうだ。どんな時でも対処できるようになるためだそうだった。

実際に雷覇らいはも仕事の合間を縫っては鍛錬を行っている。

怪我が治ってからは、通常の倍以上の時間をとっているそうだ。


凄いな~。わたしみたいに毎日のほほんとしてる人からしたら大尊敬だわ。

これは毎日仕事から帰ってきたら労わってあげないと!

私は2時間剣を振っただけでもクタクタなのだ。きっと雷覇らいははもっとしんどいに違いない。

そんな素振りが今まで全くなかったから気にしていなかったけど

もしかしたら、疲労がたまっているかもしれないのだ。

今度、リンリンにマッサージのやり方を教えて貰っておこう…。

わたしは雷覇らいはと一緒に別邸へ戻る道すがら、そんな事を考えていた。



別邸へ戻ってからも稽古は続く。

今度は型の練習や今日学んだことのおさらいなどだった。

雷覇らいはは本当に熱心で、時々厳しい口調になるけど

それだけ真剣に教えてくれているという事だ。逆にちょっと厳しい口調になる雷覇らいは

新鮮で思わずきゅんとしてしまうくらい…かっこよかった。


しかも、稽古をしている時はまったく甘い空気感にならないのだ。

休憩の時はいつも通りなのだが練習中の雷覇らいははわたしに対して

指導者としての接しているため空気がピンと張り詰めていていい感じの緊張感がある。

普段は体験できない事だった。それに対してわたしは少しゾクゾクして胸が高鳴った。

好きな人が真剣に自分と向き合う姿は、見ているだけで心臓が蕩けそうになる。

甘い言葉をささやかれるより好きかも…。


わたしは雷覇らいはにレクチャーされながらそんな事を思ってしまった。

これが…。世間で言う所のギャップ萌え!というやつかしら?

わたしは凄い事実に気が付いて思わずテンションが上がってしまった。

普段は甘々でにこやかな人が、あると事をするとスイッチが入り冷静で非情な一面を見せ

全くの別人になる。その落差でドキドキして好きになったりすることがあると言う…。

‥‥。

あるわね!雷覇らいはから虫けらを見るような目でわたしを冷たく罵ったしりでもしたら…

と想像するだけで胸が高鳴ってキュンキュンした。

しかも建国祭で着ていたようなかっちりとした軍服を着てそれを言われてしまったら…。

きゃー!!めっちゃカッコいい!!言われてみたい。「お前」とか「貴様」とか言われてみたい!

普段、優しく甘い言葉しか言わない雷覇らいはがそんな風に豹変したら絶対にかっこいい。

「言う事をきかない…悪い子はおしおきだな…」

とか言って!強引に口づけでもされたら‥‥。ああ!ダメ!

想像しただけで眩暈がして、くらくらする。雷覇らいは…。かっこよすぎるわ!

今度、軍服着てもらおうかな…。それで練習してもらったら最高じゃない?

ヤバい!すっごっくドキドキしてもっともっと雷覇らいはのこと好きなりそう!


…わたしってちょっと変わってるのかな?ふと冷静になって考えてしまった。

自分の変な傾向を知ってしまった瞬間だった。まさかわたしって…制服フェチなのかしら?!

これもギャップ萌えに入るのかな?今度、スバルとリヨウに聞いてみよう!


後から雷覇らいはに上の空になってるぞと。コツンと頭を軽くたたかれた。

それだけでキュンキュンしてしまい、その日は一日中ニヤニヤが止まらなかった。

わたしって意外とМ気質なのかもしれない…。そんな一面に気が付いた一日だった。

最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

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