09.甘々生活スタート~銀獅子は死神姫に振り回される~
甘々生活スタートです(#^.^#)
今日で雷覇殿が通い妻?的なことを初めて1週間になる。かなりあの甘々攻撃には耐性がついてきたけど…。
慣れるのも如何なものかなぁ?糖尿病とかにならないいかしら?わたし!!
だいたいいつもお昼頃ふらっと現れて、昼食をとってお庭を散策したりお茶したり…。
本当に普通に話すだけで1日が終わることが多い。
何が楽しんだ?って思うけど、それを聞いたら一緒にいるだけで幸せ。
声を聴くだけで満ち足りた気持になるだの歯が浮くようなセリフが飛び交うので
もう何も言わない。
どうやら、王宮内に仲のいい人を作っているらしく、わたしがどこで何をしているからはその人たちに聞いているみたい。
これって段々と攻略されてない?大丈夫?ってか、1か月たったらどうなるの?帰ってくれるよね?諦めてくれるよね??(泣)
正直、雷覇殿と話す時間は楽しい。今まで聞いたことない話が多いし、わたしの話もよく聞いてくれている。(熱烈アピールがない時だけ)
特に戦場での指揮の取り方や軍の動かし方、戦術などはすごくおもしろかった。
わたしの国ではそもそも戦というものがない。
なぜなら五神国はすべて同盟を組んでおり、同盟が続く限り
夏陽国の庇護下にある。その為、他国からの侵略をほとんど受けない。
守ってもらっている代わりにわたしの国は宝石や金属を、他の国も同じように特産品や技術を提供している。
持ちつ持たれつの関係だ。まぁ、平和が一番だよね~。
戦がないってことはそれだけ、国民にとっても暮らしやすいってことだ。
だから五神国に移民してくる人は多い。
どの国も移民に対して受け入れ基準はあるものの、それさえクリアすれば入国し戸籍が貰えるようになる。
五神国内であれば自由に行き来ができるので
商売する人や学問を学びに来る人など色んな人が集まってくる。
そのおかげで国は潤い文化や文明が発展していく。いい循環なんじゃないかな!
そんなとりとめない話をしていると、雷覇殿が剣術を見せくれるということになった。
話の発端は、雷覇殿が剣を使い、サイガが鉾を使う。それはどちらが強いのか?と
尋ねたところ、証明してみようとう流れになった。今は中庭の広い場所に移動している。
おお!!間近で稽古を見れるなんて楽しみ!!しかもどっちもイケメン。肉食系VS草食系って感じの図になっている。
どうやら雷覇殿とサイガは小さい頃から一緒に育っているため、お互いに遠慮がない。
一応、主従関係ではあるものの、非公式の場では二人とも素で話すため友達みたいな感じ。
「よ~し。俺が勝ったら上手い酒おごれよ?雷覇」
「酒ならいつも俺のを勝手にくすねてるだろ!バレてんぞ!サイガ」
「なんのことかな?全く記憶にございませーん!」
「そうか、なら俺が勝ったら今までくすねた酒、全部かえしてもらうぞ!!」
意気揚々としながら二人が構える。雷覇殿は刀身が60センチくらいの長さで
刀身が大きく反っている剣を持っている。サイガは身長よりも大きな鉾で刃先が二股にわかれている。変わった形をした鉾だった。
雷覇殿は器用に両手で剣を持ち換えたりしながら構えている。両手で剣を扱えるように訓練したそうだ。
わたしは少し離れたところで二人を見守っている。久しぶりにいい緊張感!!ドキドキするわ!
「二人とも頑張ってください!!」
「怜彬殿、わたしを応援すると主が焼きもちを焼くので雷覇殿だけ応援してください!」
「お前、怜彬殿の応援を無下にするのか?」
「焼きもち焼いたお前は後々、面倒くさいからヤなんだよ!!」
「面倒くさいってなんだ!俺は正当な理由を述べてるだけだ」
そう言いながら二人が打ち合いを始めた。雷覇殿の体勢は基本中腰で低く、一気に間合いを詰める感じ、
反対にサイガは間合いが広い分踏み込んできた雷覇殿を鉾でいなしている。
キン!キン!と金属音が響く。二人ともふざけあっているような会話をしているものの
目はギラギラしていて相手の隙を見逃さないって感じ!!
すごい速い!!どんな動きをしているかわたしにはさっぱりだけど二人とも強いってことはよくわかった。
接近戦なら雷覇殿が有利なのかな?でも鉾は長いから懐に踏み込むのが難しいし。うーん。
でも決着はあっさりついた、というか引き分け。雷覇殿がサイガの首元に剣をかざして
サイガが雷覇殿の脇腹に鉾をかざしたところで動きがとまった。
「すごーい!!二人ともお強いんですね!!」
わたしは手をぱちぱち叩きながら話した。
「いやあ、戦場でのこいつはもっとおっかないっすよ~お姫様」
「サイガ口のききかたに気をつけろ!」
「大丈夫です!わたしはそのほうが話しやすいので!初めて間近で見ましたがとっても動きが速くて目で追えませんでした!!」
若干、興奮気味に話してしまったが、二人とも息ひとつあげず佇んでいる。
やっぱりすごいな~。さすが軍人さんは違うね!!
「怜彬殿が喜ぶならいつでも披露しよう!!なんなら手ほどきするが?」
「あっ。それは結構です」
わたしはきっぱり断った。厳しそうだし、雷覇殿、教えるってなったら怖そうだし。
それよりもうちの護身兵に教えてほしいな~。直接、銀獅子から教えてもらえるなんてめったにないし!!
「もし教えて頂けるなら、うちの護身兵に手ほどきして頂けませんか?あの…。ちょっとだけもいいので」
おずおずとお願いしてみた。
「もちろん!喜んで!!」
「本当ですか?ありがとうございます!!」
「っ…!」
わたしは満面の笑顔で答えた。タダで教えてもらえるなんてラッキー!!
こうなったら、これを機に王宮の警備に不備がないかとか色々見なおしてもらおう!!
うん!我ながらナイスアイディア!!でも雷覇殿の顔がすごい真っ赤だけど
大丈夫かしら?動いたから暑かったのかな?
「じゃあ、さっそく怜秋に掛け合ってきますね!!」
それだけ言い残すとわたしは怜秋の元へ向かった。
「惚れた弱みだな」
「うるさい!あんな顔でお願いされたら断れるはずがない!」
こうして、雷覇殿が滞在している期間は護身兵に手ほどきすることと、王宮の警備が見直されることになった。
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