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109.建国祭~まだ始まってないのにこの勢い?!~

いよいよ建国祭編スタートです(*^▽^*)

お祭りって何歳になってもワクワクしますね!!


今日は待ちに待った、建国祭だ!

朝から窓の外からは空砲が鳴り響き、遠くの方ではパレードの行進曲の音楽が流れてきている。

わたしは胸を躍らせながらリンリンに身支度を整えてもらう。

今日来ていく服は、二週間前にマダムベリーに作ってもらったもので、銀色の生地に青色の花の刺繍が

施されている。右肩が大きく開いて左肩は袖まで詰まったアシンメトリー。

もちろのろん!…もちろん!おへそは出ている…。これも最近慣れてきた。

夏陽国かようこくの人は本当におへそを出すのが好きですね!!

足元は膝までスリットの入った体のラインピッタリなロングスカート。

今日はご飯…。あんまり食べれないわね…。少しでもお腹出るとお肉が生地に乗てしまう。

それだけ体のラインが出るようなデザインだった。

髪飾りは雷覇らいはから貰った金色の花をあしらったものを付けて髪の毛は横にゆったり流してみつあみをしてもらっている。

まさに完全武装といった感じだった。


「とうとう…。この日が来たのね…」


手元にあるブローチを見つめながら呟く。

今日までなんとか雷覇らいはには気づかれずに作ることが出来た。

最後の方はかなり怪しまれていたが…。きっと彼の事だ気づいていないはず!

桃の花をあしらったモチーフに金色のフレームで縁取ったブローチ。

雷覇らいは…。気に入ってくれるといいんだけどな。


「はぁ…。緊張する~」


鏡を見つめながらため息をつく。こんなに緊張したのはいつぶりかしら?

ブローチを渡すこともそうだが、今日の最大の目標は雷覇らいはに告白すること。

それにつきると言ってもいい。

その為に前日には体をマッサージしてもらったり、特別なオイルでトリートメントしてもらって

肌をピカピカにして、髪の毛も入念に洗って手入れしてもらった。

このままお嫁にだって行けちゃうわね!ぐらいの下準備だった。


リンリンは前日から嬉しそうに対応してくれている。ほんのり笑顔になりながら私の支度をしてくれた。

彼女が笑顔になるのは珍しい。普段はあまり表情が出ないようにしているのに…。

リンリンはこの後、自分の準備をしてサイガと一緒に見物する予定だった。

わたしは雷覇らいはが迎えに来てくれるの待つ。軍事パレードは一緒に見物する予定だった。

何度も鏡の前で服装のチェックして手元のブローチを確認する。ソワソワして仕方ない。


「お嬢様。落ち着いてくださいませ」


見かねてたリンリンに窘められた。


「ううう…。だって、リンリン。いよいよ今日なのよ?落ち着かないわ」


「お気持ちは分かりますが、あまり動いてしまいますと髪型が乱れてしまいます」


ピシャリとリンリンに止められてしまった…。

そうよね。ひとまず落ち着こう。わたしは何度も深呼吸をして落ち着こうとする。


コンコン


部屋の扉をノックする音がした。…来た!雷覇らいはだわ!

急に鳥肌たつ感じがした。落ち着いて…。まずはブローチを渡すだけじゃない…。

わたしはもう一度深く、息を吸って吐く。


「どうぞ」


怜彬れいりん、準備はできたか?」


「ええ…。もうばっちりよ…」


振り返って雷覇らいはを見た。蕩けそうな笑顔で雷覇らいはに見つめられていた。

まっ…眩しい!!わたしは思わず目を閉じてしまいそうだった。

今日の雷覇らいはの恰好は一段と眩しかった。

銀色の生地に金色の糸で刺繍された獅子の柄。真っ赤な布地を肩から腰にかけて巻いている。

髪の毛にも装飾品が付いており、歩くたびにシャランと金属音がしていた。


怜彬れいりん、綺麗だ‥‥。今日は一段と輝いて見えるよ」


「ありがとう…雷覇らいはもとっても素敵よ…」


チュッと軽く頬に口づけされる。はぁ…。平常心よ…。わたしは何度も心の中で念じた。

わたしは自分の後ろに隠してあったブローチを出して雷覇らいはに渡した。


雷覇らいは…。これ、作ったの。良かったら付けて…」


おずおずと両手にブローチをのせて雷覇らいはの前に差し出す。

思わず手が震える。もう少しでブローチを落としそうになった。


「‥‥くれるのか?俺に…」


びっくりした顔で雷覇らいはに尋ねられた。

わたしがブローチを作っているとはやっぱり思っていなかったみたい。


「うん…。夏陽国かようこくでは、戦場に行く人にブローチを渡して無事を祈るって聞いたから…」


「ありがとう…怜彬れいりん


ゆったりした動作でブローチを手に取る雷覇らいは

少し瞳を潤ませながらブローチを見つめている…。喜んでもらえてるのよね?


雷覇らいは…。あの…気に入らなかった?」


「いや‥すごく‥嬉しいよ。怜彬れいりん…」


言い終えて顔を真っ赤にして、手で顔を塞いで思いっきり視線をを逸らす。

どうしたのかしら?なんか…。思っていたリアクションと違ったので、ちょっと戸惑ってきた。


怜彬れいりん。聞きたいんだが…。女性が男性にブローチを渡す意味を聞いていたか?」


「意味?無事に帰ってくるようにしか…。他に何かあるの?」


「‥‥そうか」


雷覇らいははわたしの返事を聞いた途端にがっくり肩を落として項垂れてしまった。

え?なにがどうなってるの?ブローチを渡す意味って他に何かあるのかしら…。


雷覇らいは…」


怜彬れいりん!ブローチを付けてくれ!これで今日の模擬戦は勝ったも同然だ!」


問いかけようとして雷覇らいはに遮られてしまった。

ちょっと空元気というか、落ち込んでいるというか…。大丈夫かな?

わたしは心配しつつも雷覇らいはの右胸にブローチを付けてあげた。


「ちょっと不釣り合いだったかしら…花のモチーフなんて」


「そんな事はない!凄く気に入ってる。ありがとう、怜彬れいりん


「良かったわ!気に入って貰えて」


「この花は何の花なんだ?」


「桃の花よ!桃の花には天下無敵の意味があるのよ」


「そうか!じゃあ、今日の模擬戦にピッタリだな!」


優しくぎゅっと抱きしめられる。すると首筋に雷覇らいはの唇の感触がした。


「ひゃっ!」


わたしは思わず雷覇らいはから身を逸らした。


「びっくりした!雷覇らいは…。また印つけたの?」


「ハハハ、それはしてない。軽く触れただけだ」


「もう!恥ずかしいから…」


「誰も見てないのに?」


そう言ってジッと雷覇らいはに見つめられる…。

口づけにも慣れてないのに、首とか触れられると体中がしびれる感じがする。

いつもより雷覇らいはを近くに感じてドキドキが止まらない。


「髪の毛も乱れちゃうから…」


「じゃあ崩さないようにしよう…」


「んッ‥‥」


また首筋に口づけを落とされる。ぴくっと肩が震えてしまう。


「この服のデザインはたまらないな…。首にかぶりつきたくなる…」


雷覇らいは…!そろそろ行かないと‥‥」


わたしは振り絞るようにして声を出して雷覇らいはを押し返えす。

このまま流されていてはダメな気がした。

雷覇らいはの放っているオーラがどこか色めきだっていて艶っぽい。

口づけ以上の事をされそうですこし怖かった。


「…よし。そうだな。そろそろ行こう!」


「んんっ…!!」


抱き上げながら思い切り口づけされてしまった!完全に不意打ちだった。

わたしは振り落とされないように首にしがみつく。ああ!やっぱりこうなるのね…。


「はぁ…っ!雷覇らいは!」


「これで元気をもらった!模擬戦では怜彬れいりんに勝利を捧げよう…」


ようやく離してもらったと思ったら、今度は熱のこもった瞳で見つめきて、耳元で囁かれる。

思わず後ろに倒れ込んでしまいそうな感じがした。

すごい…。今日の雷覇らいはは過去一番と言っていいくらい甘々フェロモン攻撃が凄かった。


告白して…。大丈夫かしら。雷覇らいはに抱きかかえられながらわたしは本気で躊躇ってしまった。

緊張と動揺とドキドキの変な感情が入り混じってるいる中わたしは軍事パレードに向かうのだった。


最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

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