103.別邸生活スタート~伝えられない想い~
やっと更新することが出来ました☆(*^-^*)
楽しで頂けると嬉しいです♪
つ・・・疲れた。
ちょっと軽食を雷覇と食べるだけでこのダメージ・・・。
心臓に悪い・・・。わたしは部屋に戻ってソファで横になった。
流されないと心に決めても、あの様だ・・・。
「どうしたらいいの・・・?」
わたしは金剛不壊の文字を見つめた。書いた文字に笑われてる気がした。
この感じでは、いつも雷覇に流されて終わり。
うーん・・。まずいわ・・・・。
2人きりになれたのはいいとして、そこから先を考えないと。
どうしたものか・・・。ロマンチックは無理だしな~。
もういっそうのこと、手紙とかにしようかしら・・・・。
「はぁ・・・・。困ったな~」
「何が困ってるんだ?」
雷覇がソファに座りながら尋ねてきた。
あなたの甘々フェロモン攻撃のことですよ!!どうにかなりませんかね!
・・・と言いたいところだけど、言えないしな~。
わたしはじっと雷覇を見つめる。
「怜琳?」
首を傾げてきょとんとする、雷覇。もう!ひとの気もしらないで!!
わたしは、クッションに顔を埋めて無視を決め込んだ。
雷覇が優しく頭を撫でてくれる。
「困ってることなら、俺が話を聞くから。な?怜琳」
「・・・・・」
そう言われてもね!わたしの話しは雷覇のことだから本人には言えないし。
上手く伝えれないかしら。こう・・・・やんわりオブラートに包みつつ伝わるような・・・。
あれこれ考えていたら、急に雷覇に脇腹を掴まれて持ち上げられた。
「きゃっ!」
「怜琳。黙っていたら分からない・・・。気に入らない事があるなら言ってくれ」
雷覇の膝の上で横抱きされて真っ直ぐな視線で見つめられる。
ううう。どうしよう・・・。もういっそうのこと今言ってしまおうかしら?
全然、それっぽいタイミングではないと思うけど・・・。
「気に入らない事なんてないわ・・・」
「でもさっき困ったと言っていた」
「それは、わたしの気持ちの問題で・・・」
「怜琳の気持ち?もしかして、ここで暮らすのが嫌になったのか?」
突然、泣きそうな顔になって雷覇に問い詰められる。
いやいや。違うから!何がどう転んだらそんな発想になるのかしら?
「ここで暮らすのは嫌じゃないです。ただ・・・」
「ただ?何だ?どうしたんだ」
「だからね・・・その・・・」
「怜琳・・・」
「つまり・・・・ね・・・・」
うーん・・。緊張するな~。さっきからずっと雷覇の視線を受け止めてる。
それだけでもこんなに緊張して心がざわざわする。
「つまり?」
「・・・・さっき食べた点心が美味しすぎてお腹いっぱいなの・・・」
「ああ!お腹が苦しかったのか!なら今すぐ胃薬を持ってこさせよう」
「うん・・・・オネガイシマス・・・・」
わーん!!わたしのばか!ばか!何ではっきりと言えないの~。
雷覇はわたしをソファに座らせて薬を取りに行ってしまった。
はぁ・・・・。言えない。炎覇の時はサラッと言えてたのになぁ。
なんで雷覇だと言えないのかしら?
何がそんなに違うのかしら?ふと、わたしは疑問に思った。
雷覇と炎覇で何が違ったのかしら?
うーん・・。まずはスキンシップ違いか・・・。
炎覇は手をつないだり、抱きしめたりはするけどそれ以上はしてこなかった。
時々、ほっぺとかおでこに口づけするくらいだった。
雷覇はその逆。とにかく触れられる事が多い。
彼の愛情表現はスキンシップによるものがほとんどだ。
人によってこんなにも違うのね~。わたしは改めて2人に対しての感じ方の違いを知った。
同じ人ではないのだから、違って当たり前か・・・。
炎覇は優しく包み込むような、温かい羽に包まれているような愛情。
雷覇は激しく甘く蕩けるような、身も焦がすような愛情だ。
どちらもわたしを想ってくれているのは間違いない。
まぁ・・・。炎覇の場合は年齢が離れていたし、落ち着いていたから無理もないか。
それにわたしは二人目の奥さんだったわけだし。
きっと若い頃の炎覇なら、雷覇のように激しい感情もあったかもしれない。
比べるほうがおかしいわね・・・。
「怜琳。薬をもらってきたよ」
「ありがとう。雷覇」
わたしは雷覇から薬を手渡されて受け取った。
ううう・・・。胃薬って苦いのよのね~。
自分で言い出したことだから仕方ないけど。
「よし!薬も飲んだし、怜彬はゆっくり休んだらいい・・・」
「えっ?」
「気分が悪いんだろう?無理することはない」
「別に・・大丈夫よ。ちょっと胸焼けしたくらいだし」
「でも顔色が良くない。ベットで横になった方がいいよ」
そう言って雷覇にあっさりと横抱きにされてしまった。
こうなってしまうと抵抗できない。わたしは彼の首に腕を回して捕まった。
なんか・・・。ごめんね。雷覇・・・。
咄嗟に出たウソだけに罪悪感がこみあげてきた。
別邸は大きな一戸建ての家で、階段はなくかなり広々と作られている。
ダイニングの横には小さなキッチン、キッチンの前を通り過ぎるとテラスに出られるようになっている。
あとは洗面所に御手洗、お風呂。それに二人では過ごすには少し広めの寝室。
それから、壁一面に本が並んでいて、本を読むには十分な広さの書斎。
どれもコンパクトだから過ごしやすことが特徴だった。
雷覇に抱きかかえられてベットの上にそっと降ろされる。
ダイニングから寝室までの距離は、歩けばすぐの距離だが
雷覇は必ずわたしを抱きかかえて移動する。本当に過保護だわ・・・。
「雷覇・・・。わたしベットまでくらいなら自分で歩けるわ」
「ダメだ。怜彬はまだ足が治っていないじゃないか」
「でも・・・。少しは歩いた方が良いって先生が言ってたもの」
「それならもう少し治ってからにしよう。まだ歩くと痛むんだろう?」
「うーん。ちょっとね・・・」
「だったら無理は禁物だ」
宥めるように頭を撫でられる。毎回運んでもらって申し訳ない。
それにずっとこのままなら、わたし本当に太りそう・・・。全く運動してないもの。
よし!こうなったらおねだり作戦よ!!
「雷覇。ちょっとずつでも歩く練習したらだめ?」
わたしは上目遣いで雷覇を見つめる。
「・・・・。そんなに歩きたいのか・・・・?」
「うん!だってこのまま雷覇に抱っこされてたら太りそうだもん」
「俺は別に気にしないよ。どんな姿になっても怜彬は怜彬だ」
うん。うん。なるほど!わたしの見た目が変わっても雷覇は気にしないのね~。
・・・・って!!わたしが気にするわ!!嫌よ太るなんて!
「雷覇は気にしなくても、わたしは気にするわ!」
「怜彬は俺に抱かれるのが嫌なのか?」
「え・・・?嫌じゃないけど」
ちょっと!言い方!抱かれるって・・・・。なんか照れる。
「そうか!よかった。怜彬は俺に触れるのがまた嫌になったんじゃないかと思った」
「そう言う意味じゃなくって!運動不足はよくないの」
「問題ない。ベットの上でもできるトレーニングをすればいい!」
キラキラ目を輝かせ白い歯を見せて笑う雷覇。
ああ!!全く通じていないわ。雷覇に触れられるのが嫌なら別邸になんて来ないのに。
もうここまできたらわたしが折れるしかない。おねだり作戦失敗だわ。
「わかったわ。歩くのはもうちょっと後からにする」
「ありがとう!怜彬」
そう言いながら雷覇に頬に口づけされる。
わたしは諦めてベットで横になる事にした。まぁ・・・。自分が悪いしね。
お腹いっぱいとか言ったから仕方ないか。
「じゃあ、俺は隣の部屋にいるから。何かあったら呼んでくれ」
「うん。わかった」
雷覇はそれだけ言うと部屋から出て行った。
ふぅ。わたしはごろんと寝返りを打って天井を見上げた。
いつもお城で見る天井よりも低い。木の木目が良く見える距離だった。
「は~あ・・・。また言えなかったわ・・・情けない」
雷覇に好きって言おうとすればするほど、体が強張って背中が汗でびっしょりになる。
すごくどきどきして喉に何かが引っかかったように言葉に詰まる。
すき。この二文字が言えない・・・。たった二文字なのに・・・。
このままずっと言えなかったらどうしよう?雷覇は待ってくれてるのに。
よし!こうなったら!誰かに相談するしかない!!一人で考えてもダメなら誰かに聞いた方が早い。
わたしは、リヨウとスバルに相談することにした。
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