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101.ロマンチックとは?!

ロマンチックって・・・死語ですかね?(;^_^A

今でも使いますよね?大丈夫ですよね!!

((((;´・ω・`)))ガクガクブルブル


「ただいま。雷覇らいは!」


「おかえり・・・・。怜彬れいりん・・・・」


怜秋れいしゅう、ラカンと三人で一日過ごしたわたしは部屋に戻ってしょんぼりしている雷覇らいはの側に行った。

まだ拗ねてる・・・・。今回は長いわね~。

桐生きりゅうおじ様とのドタバタ騒動が無事に解決して時間ができたため

怜秋れいしゅうと過ごすことになった。それがどうも雷覇らいはは気に入らないらしい。

前みたいに怒ってないだけましだけど・・・・。


雷覇らいはにお土産があるのよ!これ」


わたしは買ってきたお土産を雷覇らいはに渡した。

ちょっと嬉しそうにする雷覇らいは。少しだけどしっぽをパタパタ振っているように見える。


怜彬れいりんが・・・俺に?」


「うん!街で見かけてね、いいかな~って思って。開けてみて!」


雷覇らいはがゆっくりと小箱を開ける。中にはシルバーでできたネックレスが入っている。

喜んでくれるかしら・・・・?わたしはドキドキしながら雷覇らいはを見守る。


「・・・・・」


雷覇らいは?」


ただじっとネックレスを見つめて、全く微動だにしない雷覇らいは

どうしたんだろ・・・。気に入らなかったのかな?やっぱり別のもの買えば良かったかな?

買ったときはこれだ!と思っていたけど雷覇らいはの反応がないから不安になる。


「ほら・・・。わたしとお揃いなのよ?小さなプレートが付いてて可愛いでしょう?」


そう言ってわたしは自分でもっていたネックレスを雷覇らいはに見せた。

雷覇らいはが無表情でわたしのネックレスを見つめる。本当に・・・。どうしたの?


「お土産・・・。ネックレス・・・。お揃い・・・」


「そうよ!わたしが買ってきたのよ。気に入らない?」


単語を話すだけの雷覇らいは。また自分の手元のネックレスを見つめる。

えー!反応ゼロ!?めっちゃショックなんですけど・・・。

やっぱり男の人にネックレスを渡すなんて変なのかしら。

店員さんは良いって言ってくれてたのにな~。はぁ・・・。

今度は別の物にしよう・・・・。そう思ったら雷覇らいはにいきなり抱きしめられた。


「ありがとう!!怜彬れいりん!すっごく嬉しいよ」


「ちょっ・・・。雷覇らいは・・・・え?」


「びっくりしすぎて、言葉がでなかった!まさか怜彬れいりんからプレゼントをもらえるなんて!」


「嫌じゃなかった?」


「嫌なものか!しかも怜彬れいりんとお揃いなんだろ?最高だよ」


雷覇らいはがいきなり立ち上がってわたしを抱き上げる。

小さい子にする高い高いみたいに持ち上げられた。


「きゃっ・・・ら・・・雷覇らいは!」


「はー!すっごい嬉しいよ。ありがとう怜彬れいりん!」


子供みたいにはしゃぐ雷覇らいは。まさかこんなに喜んでくれるとは・・・・。

軽々と持ち上げられて横抱きにされた。ようやく落ち着いたのかまたソファーに腰かけた。

ニコニコ嬉しそうにネックレスを見つめる雷覇らいは

気に入ってくれて良かった・・・。


「大事にするよ!怜彬れいりん。今着けてもいいか?」


「ええ。どうぞ」


雷覇らいはが首の襟詰めのホックを外して前を開けた。

ゆっくり丁寧な動作でネックレスを自分の首に着ける。

やっぱり肌が褐色だからシルバーが良く映えるわ・・・。


「どうかな?」


「とっても似合うわ!」


「そうか・・・。ありがとう!怜彬れいりん・・・」


「どういたしまして!雷覇らいは


そう告げると雷覇らいはに頬に口づけされる。

もう雷覇らいはの機嫌はすっかり元通りだ。さっきまでいじけていたのが嘘みたい。

よっぽど嬉しかったらしい。何度もネックレスを見ては、ありがとうと繰り返す雷覇らいは


今はわたしの膝の上で寝転んでネックレスを眺めている。

ふふふ。小さい子供みたいでかわいいわ!わたしは雷覇らいはの髪を撫でて

その様子を眺めていた。よく考えてみたら雷覇らいはに物をあげるのあは初めてかもしれない。

料理は作ったことあったけど・・・。いつも貰ってばかりだし、時々は雷覇らいはに何かあげようと思った。


「そうだ!怜彬れいりん、明日から別邸で過ごそう」


「あ・・・。そう言えばそんな話をしていたわね」


お見舞いの人と会ったり、桐生きりゅうおじ様の事で色々あったからすっかり忘れていた。

お庭作りも一緒に相談しようって言っていたんだわ・・・。


「リンリンが綺麗にしてくれているからいつでも移れる。別邸でゆっくりしよう」


「そうね・・・。そうしましょう!お庭もどうするか話したいし」


「そうだな!どんな庭にするか二人で決めよう。楽しみだ」


「ふふふ。そうね。わたしも楽しみだわ」


やっと・・・・。やっと二人でゆっくり過ごせるのね。

次の日、わたしは生活に必要な物をラカンとリンリンに別邸へ移してもらった。

特に理由は誰からも聞かれなかった。・・・良かった~。

これで告白できるチャンスが増える!よーし!どんな雰囲気で告白するかこれから考えよう!

やっぱり・・・こう・・・。ロマンチックな感じが良いわよね!うん。うん。


あれ・・・?と気が付く。

ロマンチックってどういう事をさすんだっけ?

恋愛経験が乏しいわたしは想像できなかった。大変だ!これではせっかくの告白が台無しだわ!

ちゃんと研究しなくちゃ!わたしはリンリンと一緒に書庫室へ向かった。

わたしは書庫室にあった、ありとあらゆる恋愛物の小説を読み漁った。


「っだめだわ・・・!」


ひとしきり読んだところで、わたしは机に突っ伏した。

どれもこれも恥ずかしすぎる!!セリフも歯に浮くようなものばかりだった。

あなたが運命の人?!わたしの心に咲く一輪の花?!なにそれ!

しかも辞書で調べたらロマンチックとは


『現実の平凡さ・冷たさを離れ、甘美で、空想的・情緒的または情熱的であるさま。浪漫的』


と書かれていた。

むーりー!!ロマンチックはむーりー!!

なに?甘美で空想的で情熱的って・・・!!意味が分からない!


怜彬れいりん。なんの本を読んでるんだ?」


「ぴゃっ!!」


考え事している時にいきなり後ろから雷覇らいはに声を掛けられたから変な声を出してしまった。

ううう・・・。恥ずかしい・・・。


「ら・・・。雷覇らいは。お仕事はもう終わったの?」


「切りのいい所で終わらせてきた。沢山読んだんだな・・・」


「よくわたしがここにいるって分かったわね・・・」


「リンリンに聞いた。怜彬れいりんはここでなにを調べたんだ?」


「え・・・?あー。気分転換しようかなって本を読んでただけよ・・・」


言えない!告白するために、ロマンチックとは何かを調べてたなんて・・・。

どうしよう・・・。小説のジャンルを見たら雷覇らいはに気づかれるかしら?

わたしは手元にあった本を閉じて裏側にひっくり返してタイトルを隠した。

どうか・・・バレませんように!


「そうか。・・・・ここでこうして話をしていると懐かしいな・・・」


「懐かしい?」


「ああ。昔、怜彬れいりんが親父の為に調べものしていた時があっただろう?」


「ああ!そんな事もあったわね~」


「あの時、怜彬れいりんは健康に関する本を沢山読んでいたな」


「そうね!炎覇えんはが健康になればいいと思っていたから・・・・」


ふうぅ・・・。良かった~。雷覇らいはは気が付いてないみたい。

わたしはホッと胸をなでおろした。


「ちょうど今座っている席に怜彬れいりんが座ってた。髪の毛に日の光が当たってキラキラしてて綺麗だと思って見てたんだ・・・・覚えてる・・・」


「そ・・・そうなのね・・・・全然気が付かなかったわ」


「それもそうだ。こっそり見てたからな!」


雷覇らいは・・・。そんな風に思っていたんだ。

嬉しいけどちょっと照れくさい。急に頬が赤くなるのを感じてくる。

雷覇らいはがわたしの横に座って、わたしの髪をかき上げる。


「あの時偶然、怜彬れいりんを見かけて後を追って書庫室に入ったんだ。少しでも話をしたくて・・・勇気を出して話しかけた」


「え・・・?あの時は戦術書を見に来たって言ってなかった?」


ドクン。ドクン。と耳の奥で心臓の音が聞こえる。

今はここには誰もいない・・・・。わたしと雷覇らいはの二人だけ・・・・。

リンリンはさっき部屋を出て行ってしまっている。

わたしはきゅっと手を握り締めた。告白するなら・・・今だ!


「あの時は誤魔化すためにそう言ったんだ。怜彬れいりんを見かけて追いかけたなんて言えるわけなかった・・・」


「それも・・・そうよね」


「嬉しそうに俺の話を聞いている怜彬れいりんがかわいかったよ・・・」


雷覇らいは・・・。そんな事思ってたのね」


「話をするだけで緊張してたのを思い出す。怜彬れいりんが笑ってくれるだけで幸せだと感じてた」


「随分前なのによく覚えてるわね」


「忘れるはずがない・・・。怜彬れいりんと話したことは全部覚えてるよ・・・」


「わたしはあの時は友達だと感じてたわ・・・」


「そうだろうな。あの時の怜彬れいりんは親父しか見てなかったから・・・」


雷覇らいはがわたしの頬に触れる・・・。距離が近い・・・。

真っ直ぐ真剣な表情で雷覇らいはに見つめられる。目が逸らせない・・・。

ドクン。ドクン。雷覇らいはの話声と心臓の音が重なって聞こえる。

言わなないと・・・。好きって。雷覇らいはに・・・。


怜彬れいりん。俺はもうちょっとで、手を出して触れそうになったんだ。こんな風に・・・・」


雷覇らいは・・・あの・・・わたしね・・・」


怜彬れいりん、嫌ならそう・・・言ってくれ」


そう言ってもう片方の手で顎を掴まれて、顔を雷覇らいはの方に向けられる。

心臓が早鐘のように激しく音を鳴らす。ああ・・・。だめ・・・口づけされる。

そう思ったけど遅かった。彼が嫌なわけない・・・。嫌なはずが・・・・ない。

そっと優しく雷覇らいはがわたしの唇に触れる。


「んっ・・・・・・・」


わたしは目を閉じて、雷覇らいはの袖を掴んだ。

体中が熱くて、沸騰しそうで倒れそうだった。

ああ・・・。また・・・・。告白できるチャンスだったのに・・・。

深く唇を重ねながら頭の端でそんな事を考えた。


「はぁ・・・・んん・・・・・」


怜彬れいりん・・・すきだ・・・・」


雷覇らいはにそう、静かにささやかれる。

わたしもって言おうとしたけど無駄だった。すぐに口を塞がれる。

久しぶりだわ・・・彼の唇に触れる感覚・・・。雷覇らいはの感情ががぶつかってくる感覚。

様々な感覚が体中から伝わってくる。


呼吸する暇さえ与えてくれない激しい口づけで息が苦しい。

体が密着して急激に雷覇らいはの存在を近くに感じたわたしは翻弄された。

あの時、雷覇らいははこんな事したいって思ってたの・・・・?

そんな事考えたらもっと、体温が上がる感じがした。


「はぁ・・・・怜彬れいりん・・・・」


「・・・ら・・・いは」


ようやく彼の気持ちが落ち着いたのか口づけから解放された。

その代わりに何度も頬や瞼にチュッチュッと口づけを落としてくる。

わたしは、必死にに呼吸を整えようと息をする。唇が・・・・熱い・・・。


怜彬れいりんの・・・唇が真っ赤だ・・・」


雷覇らいは・・・のせいよ・・・・」


「ふっ・・・。すまない・・・・」


雷覇らいはが、少し申し訳なさそうに笑う。

恥ずかしい。わたしは今顔をしてるんだろう?どんな表情で彼を見つめてるんだろう・・・・?

彼が優しい手つきでわたしの唇をなぞる。まだ心臓がドキドキしてる。


「かわいいな・・・。あの時の俺はよく我慢したと思うよ・・・」


わたしは何も言えずにじっと雷覇らいはを見つめていた。

あの時はただただ、炎覇えんはの話が聞けて嬉しかった。

炎覇えんはの異名を初めて教えて貰ったからよく覚えてる。

同じ場所で、同じ人と一緒にいるのに心のありようが全く違う。

不思議な気持ちだった。


雷覇らいはあの・・・・んっ・・・・・」


何とか伝えようとするけどまた唇が重なる。

わたしの腰に手をまわして雷覇らいはにきつく抱きしめられる。

雷覇らいはは何を考えてるんだろう?

わたしと同じであの時の事を思い出してるのかな・・・?

口づけされながら、そんなことをぼんやり思った。


「あの時こうしたかった・・・・ずっと」


雷覇らいは・・・」


口づけから解放されたわたしはふわっと体を持ち上げられて雷覇らいはの上に座る形になる。

下からわたしを見上げる雷覇らいはの瞳はすこし潤んでいて熱っぽい。

わたしは彼の頬を撫でた。手のひらから伝わってくる体温・・・。

彼の温度も高かった。



雷覇らいは・・・・あのね・・・・わたしね」


怜彬れいりん?」


しばらく金色の瞳を見つめて口を開いた。


「す・・・・・」


ドサドサッ!!!


「っ・・・・・・・・・・・!!!!なに!?」


わたしはびっくりしてまわりを見渡した。誰かに見られた!?

よく見ると重ねて置いていた本がバラバラになって地面へ落ちてしまっていた。

さっき隠そうとして、変な置き方しちゃったんだわ。・・・。きっと。


「本が落ちたみたいだな・・・・」


「そうね・・・・そうみたい」


「ぷっ・・・・あははは!」


お互い目を合わせて笑った。さっきまであんなに真剣な雰囲気にだったのに。

なんだか可笑しかった。あーあ。拍子抜けだわ。もうまた・・・流されちゃった・・・。


「そろそろ行こうか!」


「そうね・・・行きましょう」


雷覇らいはに本を戻してもらって、わたしは車椅子に乗る。

原因はこれね・・・。わたしが雰囲気に流されるから告白できないんだわ。

わたしは猛烈に反省した。



最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

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