100.家族水入らず
久しぶりの怜彬、怜秋、ラカンです(#^.^#)
書いていてとても楽しかったです☆
あとすみません。編集間違いをしている箇所があったので訂正しました。
申し訳ございませんm(__)m
芙雅おば様によれば、今回、急遽帰国した理由は息子さんのお嫁さんが
出産するためだそうだった。孫の顔が見たいと言って、仕事をほっぽり出して秋唐国へ帰国。
その際に、わたしの婚約を耳にして聞いていないと大激怒。
その怒りのまま、怜秋に婚約破棄するよう迫ったそうだった。
「はぁ~・・・。ほんとうに心配して損した~」
「本当に人騒がせな人だね。桐生おじ様・・・」
ぐったりするわたしと怜秋。
芙雅おば様が早く帰った方が良いという事だったので
わたし達はそのまま夏陽国へトンボ帰りしている所だった。
「なかなか、いい人だったじゃないか!桐生殿は。太刀筋も悪くなかった」
一人だけ元気な雷覇・・・。似た者同士で気が合うかもしれなかった。
久しぶりに体を動かすことが出来て楽しかったのか、雷覇は満足そうな顔をしていた。
「ほんと・・・。あれだけ雷覇に本気なのかとか聞いてたのに・・・お孫さんが産まれた途端どっか行くなんて信じられないわ」
「まぁ・・・。そのおかげで姉さんの婚約話は頭からすっぽ抜けたみたいだけどね」
「でも良かったじゃないか!芙雅殿が上手く伝えてくれて、連絡くれるそうだからもう安心だな」
「そうね・・・。ひとまず無事に解決して良かったわ」
「これでやっと、二人でゆっくり過ごせるな!怜彬」
「そうね・・・。怜秋はいつまでこっちにいられるの?」
「あともう一回、珀樹殿に会うまではこちらにいるよ。仕事の指示は雷覇殿の、密偵網でスムーズにできているし」
「あら!そうなの!じゃあ、久しぶりに一緒にいれるわね!」
「え・・・?いや、怜彬・・・。俺との時間は・・・」
「あ!二人で夏陽国を観光しましょう?せっかくこちらに来たんだもの」
「そうだね!僕もゆっくり見て回りたかったんだ!」
あ~ん。怜秋と一緒に街を見て回れるなんて嬉しいわ!
ほんと、ここ最近全然、二人で過ごせてなかったんだもの!
「怜彬!俺と過ごすんじゃあなかったのか?」
「えっ?・・・・あー。雷覇はいつでも過ごせるじゃん」
「そんな・・・。今回は結構・・・頑張ったんだぞ俺・・・」
「ごめん。ごめん。でも・・・。怜秋とはなかなか一緒にいれないもの」
「雷覇殿。少しは察してくださいよ!姉さんだって息抜きしたいんですよ」
「それなら、二人でかける必要もないだろう?俺も一緒に行く!」
「ダメよ!雷覇!姉弟水入らずでいたいの。今回はダ・メ!!」
「怜彬!?そんな・・・あんまりだ・・・」
がくっと肩を落として落ち込む雷覇。可哀想だけど、せっかく怜秋と
一緒に過ごせる時間があるんだもの。貴重だわ!今しかないもの。
こればっかりは譲れないわ!!
帰りの馬車で、怜秋とどこを見て回るか相談した。
雷覇は拗ねてしまって、結局、お城に着くまで何も話さなかった。子供か!!
でも・・・。その分、怜秋とは沢山話をすることが出来た。
秋唐国での新しい、電気事業やリョクチャ事業のことなど
話したいことは山積みだった。久しぶりに、がっつり二人で話ができて大満足だった。
夏陽国へ戻った次の日、早速わたしと怜秋は街に繰り出すことにした。
わたしは歩けないから、ラカンも一緒に来てもらって車椅子を押してくれている。
なんだか懐かしい・・・。秋唐国で過ごしているようだった。
「こうして三人でいるのは久しぶりね!」
「そうだね。雷覇殿からプロポーズの手紙を貰って以来じゃない?」
「確かにそうですね。もう随分昔の事のようですね」
わたし達ははこの前、雷覇から教えて貰っていた演劇を一緒に見ることにした。
怜秋も見たいと言っていたから一緒に来られて良かった。
久しぶりに家族三人そろったって感じがするわ~。
「凄いな~!やっぱり、夏陽国は技術もそうだけど、芸術も進んでいるね!」
「そうね!街並みや暮らしも秋唐国に比べると発展しているわね」
「うーん。僕も負けてられないな!もっと、もっと秋唐国を発展させて、雷覇殿をぎゃふんと言わせるんだ!」
「その意気よ!怜秋。あなたならできるわ」
「怜彬様、そろそろ始まりますよ」
心なしかラカンも楽しそうだ。
わたし達にとって、ラカンは小さいころから一緒にいる家族も同然だった。
わたしにとっては兄のようだし、怜秋にとっては父の様な存在だ。
リンリンは久しぶりにお休みを取ってもらっている。ここの所、色々お願いしたしね!
聞けばちょうど、用事があるとかで朝から準備して別行動をとっていた。
今日の演目は喜劇。太ったおじさんが何も知らずに悪の組織を壊滅させてしまうという話だった。
動きがとてもコミカルで面白かった。わたし達三人は始終、お腹を抱えて笑った。
二人とも楽しそうで良かった・・・。思えば雷覇に出会うまでの4年間は必死だった。
毎日、毎日兄の後を引き継いだことを対応するので精一杯。
朝から晩まで会議に資料に目を通す毎日。いかに、兄が大変だったのかよく分かった。
それにわたしは途中で3回も他国へ嫁いでしまう・・・・。
怜秋を守るためとはいえ、一緒にいる時間を犠牲にしてきた。
今こうして、一緒にいることができて本当に良かったと思う。
「はー!もう3年分くらいは笑ったわ!わたし」
「そうだね!僕もあんなに笑ったのは久しぶりだよ」
「では、次はお食事ですね。サイガ様からおすすのお店を聞いております。そちらに参りましょう」
「やった~!楽しみだわ!!」
わたし達三人は、サイガのおすすめしてくれた料理屋へ向かった。
老夫婦で営んでいる小さなお店で、サイガが小さいころから通っているそうだった。
おすすめはハンバーグとナポリタン。
普段は食べることがない味でとっても美味しかった。
それに、老夫婦の二人もとっても優しくて感じのいい人たちだった。
美味しそうにハンバーグを頬張る怜秋。かわいいわ!
よっぽどここの味が気に入ったのね。ご飯を何杯もお代わりしていておばあさんに喜ばれていた。
「美味しかったね~!」
「うん!とっても美味しかった!僕もうお腹いっぱいだ」
「あんなに沢山たべる怜秋様は珍しいですね。ぜひ我が国に帰って作らせましょう」
「できるの?そんな事」
「はい!あのご夫婦にレシピを教えて頂きました」
いつの間に・・・・!さすがはラカン。料理人の息子さんね!
わたし達が食べている間に、仲良くなって教えて貰ったそうだった。
「やった~!あのハンバーグがもう一度食べれるなんて!ありがとう、ラカン!嬉しいよ」
「怜秋様は育ち盛りでございますからね。沢山食べて下さるなら、これくらいどうという事はございません」
「良かったわね!怜秋」
「うん!楽しみが増えたよ。サイガにもお礼を言わないと」
「ふふふ。そうね!ちゃんとお礼を言いましょう」
わたしの国の料理は薄味だから、怜秋にとっては物足りなかったかもしれない。
あの・・・。ナポリタンも美味しかったわ!また食べに来よう。
「怜彬様。ナポリタンのレシピも頂いておりますので、いつでもお作り致しましすよ?」
「ほとに?ラカン!天才ね」
さすが有能な従者だ!わたしの考えていることはお見通しね。
それからは街をめぐったり、電車に乗ったり夏陽国を満喫した。
久しぶりに三人で過ごせてとても充実した一日だった。
ずっと、桐生おじ様の事でピリピリしてたもんね!
雷覇が拗ねているから何かお土産でも買ってあげよう!
わたしは、お揃いのペンダントを買う事にした。渡したときの彼の顔を思い浮かべると
ちょっとくすぐったい。わたしはとってもほっこりしたのだった。
最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)
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