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96.雷覇VS怜秋のお菓子バトル【後編】

~お菓子バトル当日~


『さぁ!いよいよやってまいりました!雷覇らいは様対怜秋れいしゅう様のお菓子バトル!一体どちらが怜彬れいりん様にふさわしいのか?そして!どんなお菓子が出てくるのか楽しみです!本日司会進行を務めます!ムツリと申します!よろしくお願いいたします!』


会場が拍手で溢れかえる。良い感じね~。いい天気だし!庭園には多くのお城の人が集まっている。

そしてムツリがめちゃくちゃノリノリで司会をしている・・・。キャラ違うくない?

テンション高くない?・・・。意外とこういうの好きなのかしら?彼・・・。

わたしは審査委員席で拍手しながら進行を見守った。


『本日の解説役はサイガ!そして黒綾こくりょう殿です!』


『宜しくお願いします!』


『どうもっす~』


サイガと黒綾こくりょう殿はわたしたちとは反対側の席で二人並んで座っている。

二人もとってもノリノリで楽しそうだった。


『そして!今回の企画立案者であり、審査委員長の怜彬れいりん様!』


『宜しくおねがいしまーす!』


『続きまして、同じく審査委員で水覇すいは様の最愛の奥様!水蓮すいれん様!』


『最後は怜彬れいりん様の右腕。沈黙の侍女。リンリン様~!』


ムツリが上手に紹介をしてくれる。会場はかなり盛り上がっている!

みんな、今か今かとお菓子が出てくるのを待っている。

わたしも二人がどんなお菓子を作るのかは聞いていない。公平を保つためだった。


『さて!それでは早速、今日の主役に登場してもらいましょう!』


どこからともなくドラムロールが流れる・・・。すごい・・・。

大人が気合を入れると3日でここまでのクオリティで仕上がるのね!


『まずは!狙った獲物は逃さない!怜彬れいりん様をしつこく追いかけ何とか婚約者の座についた銀獅子ぎんししこと雷覇らいは様~!』


ひどい!雷覇らいはの紹介がひどい!悪意しかないでしょ!

ムツリの酷い紹介にも関わらずにこやかな笑顔で登場する雷覇らいは

今日は料理人の服を着ている。気合ばっちりね・・・。


『続きまして!秋唐国しゅうとうこくの宝石の貴公子にして若き国王!怜彬れいりん様の最愛の弟君の怜秋れいしゅう様~』


怜秋れいしゅうもニコニコしながら、爽やかに登場した。

怜秋れいしゅうはコックさんの服装をしている。とってもかわいいわ!


『では早速お二人のお菓子を持ってきてもらいましょう!』


そう言ってまず雷覇らいはのお菓子が登場した。

おおきなお皿に沢山のスポンジケーキを乗せて、生クリームが添えられて沢山のフルーツが乗っていた。スポンジケーキが緑色だから、生地にリョクチャを使っているのね!


『解説のお二人どうでしょうか?』


雷覇らいはらしいダイナミックな盛り付けっすね~』


『そうですね!どこから食べてもいいように考えられていて沢山フルーツを味わえそうですね』


『では続きまして怜秋れいしゅう様の料理の登場です!』


怜秋れいしゅうのお菓子も登場した。

雷覇らいはとは違って、カップに入った沢山のお菓子が小皿に取り分けられて載っていた。

全部種類が違うようだった。苺やブドウが乗っていたりしている。

カップの底に綺麗な緑色が見える。きっとそこに何かリョクチャを使ったお菓子を入れてるのね!


雷覇らいはとは対照的でれも繊細な飾りつけのお菓子っすね~』


『とても綺麗なお菓子ですね!さすがは宝石の貴公子ですね!』


『さぁ!ではお二人の料理をそれぞれ試食していただきましょう!』


目の前に雷覇らいは怜秋れいしゅうのお菓子が並べられた。

わたしはまず、雷覇らいはのお菓子から口にした。

リョクチャの苦みと生クリームの甘さが合っていて美味しい。

フルーツも酸味があって後味がすっきるする!とっても美味しいわ!


次に怜秋れいしゅうのお菓子を食べる。どれを食べよう!たくさんあるから悩むわ~。

わたしはブドウの載っているカップを手に取って食べた。

美味しい!一番底にリョクチャのムース、その上に甘いカスタードクリームにスポンジ。

何層にも重なったカップだった。もはや手作りの域ではない!さすが我が弟!


『では!皆さん実食されたところで、審査して頂きます!良いと思うお菓子に手を挙げて下さい!』


ううう。わたしの事じゃないけど緊張するわね・・・。どっちも美味しいから悩むわ~。


雷覇らいは様のお菓子がいいと思う方!』


わたしは真っ直ぐ手を伸ばして上げた。会場がざわめく。

手を挙げたのは私だけだった・・・。なんてこった!


『なんと!雷覇らいは様のお菓子は怜彬れいりん様の票一票のみ!ということは・・・』


『優勝は怜彬れいりん様の最愛の弟君!怜秋れいしゅう様です~!』


決着は思ったよりもあっさりついた。

会場が大きい歓声で沸き立つ!怜秋れいしゅうはとっても嬉しそうだ!

いつの間にかくす玉が用意されていて、怜秋れいしゅうの上で割られた。


『それでは審査委員の方のコメントを頂きましょう!まずは怜彬れいりん様』


『はい!どちらもとても美味しかったです。甲乙つけがたいのですが、雷覇らいはの素朴なお菓子がいいと思い投票しました』


『ありがとうございます!では次に、水蓮すいれん様!おねがいしまーす』


『お二人とも怜彬れいりん様を想ってのお菓子でしたので美味しかったです!怜秋れいしゅう様のお菓子は手に取って食べやすいので選ばせて頂きました』


『最後にリンリン様!』


『わたしはスポンジケーキが苦手なので、怜秋れいしゅう様に投票致しました』


『なるほど~!審査委員の皆様ありがとうございます』


『では、優勝した怜秋れいしゅう様から一言おねがいしまーす』


『とっても嬉しいです!また姉さんに作ってあげたいと思います!それにお菓子作りが楽しいものだと学びました。ありがとうございました!』


『とても素晴らしいコメントありがとうございます!では惜しくも敗れた雷覇らいは様からも一言おねがいしまーす』


『試合に負けて勝負に勝った!という気持ちです。!俺は怜彬れいりんから一票もらえたので満足だ!ありがとう!怜彬れいりん


『はい!ごちそうさまでした!以上でお菓子対決を終了したします!ありがとうございました!』


最後は拍手喝采で終わった!残ったお菓子は他の人達にも配られた。

皆笑顔で美味しそうに食べている。


大成功して良かったな~!それにしても・・・。どっちも美味しいな・・・。

リョクチャ販売事業がうまくいったらこのお菓子をベースにしてカフェを

オープンさせようかしら!絶対に流行ると思うのよね~。

特に怜秋れいしゅうのお菓子は女性に好まれそうなものだ。

あとで怜秋れいしゅうにレシピ教えて貰おっと☆


怜彬れいりん!」


嬉しいそうにこちらに駆け寄ってくる雷覇らいは

わたしが一票入れたのが嬉しかったのね!きっと。


雷覇らいは!お疲れ様。とっても美味しいわ」


「喜んでもらえて良かったよ!頑張って作った甲斐があった」


「このスポンジケーキフワフワしててとっても美味しい。雷覇らいはってお菓子作りの才能もあるんじゃない?」


「そうだろうか?まぁやってて楽しかったな。レシピ通りにやるだけだし意外と筋トレになるしな!」


「ふふふ。意外と体力使うでしょ?お菓子作りって」


「ああ!今回の事で怜彬れいりんの有り難さがまたわかったよ」


雷覇らいはが頬に口づけをする。雷覇らいはに興味が持てるものが増えて良かった。

お庭つくりが落ち着いたら、今度はお菓子作りを進めてみようかしら?

雷覇らいはは両手で剣が持てるくらい器用だし。意外と向いているかもしれない。

もし雷覇らいはが好きになるなら、二人で一緒に楽しめるし・・・。


「姉さん!優勝したよ!」


こちらも嬉しそうに駆け寄ってくる怜秋れいしゅう。優勝トロフィーを貰って嬉しそうだった。


「おめどう!怜秋れいしゅう!すっごく美味しいお菓子だったわ」


「ありがとう!姉さん。これで今後は()()()()()お菓子を食べてくれるよね?」


「あ・・・。そうね。頂くわ」


たしかに・・・。うーん・・・でもそんな話だっけ?


怜秋れいしゅう殿。()()()()()票を貰ってないのに、随分な言い方じゃないか?」


あ・・・。また始まった・・・。


「何言ってるんですか?雷覇らいは殿。この勝負は僕が勝ったんですよ?僕に選ぶ権利があります」


「あくまで、怜彬れいりんの好きなお菓子は何かという事だろう?怜彬れいりんは俺のお菓子を選んだんだ。俺にも選ぶ権利はある」


でも・・・。

二人の顔をみると楽しそうだった。ケンカするほど・・・なんたらって言うしね!

これはこれで良いかもしれない。

・・・・。それに二人がまた、お菓子バトルをしてくれれば毎回あのクオリティの

お菓子を食べれることになる!リョクチャ事業にもつながるし・・・・。

定期的に開催してもいいかもしれないわ!


怜彬れいりん殿。お疲れ様でした!いい感じの結果になってよかったですね」


あれこれ思案していたら、水覇すいは殿に声を掛けられた。この人今までどこにいたのかしら?


水覇すいは殿。無事に終わってよかったです。考えてたんですけど・・・」


「今後も継続する方向で。でしょ?」


「よく・・・。わかりましたね」


「そりゃあね・・・。これくらいは読めますよ!怜彬れいりん殿にとってもメリットがあるし、僕にとってもメリットがあった。継続しない手はないでしょう」


「なるほど・・・。水覇すいは殿の思う壺だったのですね!」


「さぁ?何のことでしょう?とにかく。兄さんと怜秋れいしゅう殿の距離が縮まってよかった」


「まぁ・・・。そうですね!それはとても良かったです」


もしかして水覇すいは殿・・・。わざと催し物の噂をながしたんじゃ・・・。

ありえる!水覇すいは殿の事だ、メリットがない事はしない。

きっと今後の事を考えて、あえて許可してくれたんだろうな~。


「また怜秋れいしゅうが遊びに来た時にでも開催しましょう!」


「そうですね!今度は参加者を増やしてもいいかもしれませんね」


そんな話をしながら、雷覇らいは怜秋れいしゅうを見た。

まだ二人はわたしのお菓子選びについて議論している。

仲いいじゃん!あそこまで盛り上がれるのは絶対に仲がいい証拠よね!

これなら、桐生きりゅうおじ様と対面してもお互いをフォローすることが出来そうだわ!


思いがけず始まったお菓子バトル。

今後、色んな相乗効果が期待できそうだった。

やっぱり・・・。やるからには本気でやらないとね♪

最後までお読み頂きありがとうございます!

(*^^*)

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