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95.雷覇VS怜秋のお菓子バトル【前編】

1話完結のつもりが、書きたいこと多すぎて2話に分けました(*^-^*)

楽しんでもらえるとうれしいです☆


怜彬れいりん!こっちのお菓子の方が美味しいぞ?」


「姉さん!この赤いやつの方が好きだよね?」


「・・・。どちらも頂くわ・・・」


なぜ・・・。こうなった!!板挟みなんですけど!

おかしいわね~。二人にはそれぞれ歩み寄るようにそれとなくお願いしたのにな・・・。


わたしは今、絶賛二人からお世話され中だ。

右に雷覇らいは。左には怜秋れいしゅう

お庭でお茶して打ち合わせをするところまでは良かったんだけど

お菓子を食べようとした途端これだ・・・。

なぜ?二人とも競ってわたしにお菓子を食べさせようとする・・・。


雷覇らいは殿!姉さんはそんなお菓子は食べません。こちらのほろ苦い方が好きなはずです」


「お言葉を返すようだが怜秋れいしゅう殿。怜彬れいりんは甘いお菓子が好きなんだ。こっちの方が良いに決まっている」


うん。うん。二人とも当たってるわよ!どっちも好きよ?わたしは・・・。

わたしは無言でリョクチャをすする・・・。はあ~美味しいわ・・・。

ってか雷覇らいは・・・。12歳と張り合うってどうなのよ・・・。

そこは大人の余裕でも見せてだね・・・。もっとこううまくだね・・・。

できないものかね!


「今日のリョクチャに合わせるなら絶対にこっちのほろ苦い方が合います」


「いいや!怜彬れいりんはこの甘いお菓子を以前に沢山食べたんだ」


まぁ・・・。なんだかんだで会話しているし・・・。お互い無言で無視とかなら気まずいけど。

今日くらいのテンションなら別にいっか・・・。

最初から上手くいく方がおかしいのよね!ここは時間をかけてじっくり作戦ね!

わたしは二人が差し出してくれたお菓子をそれぞれ口にした。

どっちも美味しいのに・・・。


「あ・・・!いい事思いついたわ!」


「どうしたんだ?怜彬れいりん


「どんな考えなの?姉さん」


雷覇らいは怜秋れいしゅうにはそれぞれ、お菓子を作ってもらいます!」


「はっ?」


「そんなにわたしが好きなお菓子を熟知しているなら、それぞれ趣向を凝らしたものを作ってもらって美味しい方を頂きます!」


「なるほど!怜彬れいりんの好みをいかに把握しているかを確認しつつ料理の腕も試されるのだな!」


「さすがは姉さん!素晴らしいアイディアだね!」


うん。うん。同じ目標があれば共通点も増えて会話も増えるしお互いのいい所を見てもらえるかも!

尚且つ!結果的に美味しいお菓子が食べれれば一石二鳥じゃない?わたしが!!


「じゃあ、今日から準備してもらって勝負の日は3日後テーマはリョクチャよ!それ以外は材料は何を使ってもいい事とするわ!」


「わかった!最高のお菓子を作って見せよう!」


「僕も姉さんにふさわしい一品を作って見せます!」


「ふふ・・・。二人とも楽しみにしているわね!」


あーん♪楽しみ~。一体どんなお菓子が出来上がるのかしら!

ふっふっふ・・・・。我ながらナイスアイディアね!

最近ずっと緊張しっぱなしだったし、たまにこんな風にゆるーく過ごすのもいいわよね!



怜彬れいりん殿。面白い催し物をされるみたいですね!」


執務室で資料を見ていたら水覇すいは殿に声を掛けられた。


「面白い催し物?なんのことです?」


「え?怜彬れいりん殿が言い出したんですよね?兄さんと怜秋れいしゅう殿にお菓子対決するようにって」


「ええ。お菓子を作ってもらうようにはいったけど催し物とは言ってないわ・・・」


「でも城中その話でもちきりですよ?みんなどちらに投票するか、どちらが勝つかずっと相談してますし・・・僕も迷ってるんですよね~」


黒綾こくりょう殿にも言われてしまった!

え・・・?そんなに大ごとになっているの?お菓子作るだけなのに?


「俺は弟君だな!雷覇らいはが負けるところ見たいし!」


「サイガ!言葉使いに気を付けなさい!それに一応、国王なのですよ雷覇らいは様は!」


ええええ!ムツリもサイガも知っているの?

それなら黒綾こくりょう殿が言っていたようにみんな知っているのね・・・。

なんかえらいことになってしまった・・・。どうしよう・・・。


「すいません・・・。水覇すいは殿。こんな大事になるなんて・・・」


「いいんじゃないですか?皆息抜きしたいだろうし、兄さんと怜秋れいしゅう殿には仲良くなってもらった方が良いですしね!」


「そうですか・・・?ご迷惑じゃなければいいんですが・・・」


「迷惑だなんてとんでもない!むしろみんなの気持ちが一つになっていいと思いますよ!流石は怜彬れいりん殿だ」


「ありがとうございます・・・。なら・・・一層の事本気でやりますか?水覇すいは殿」


「いいね!怜彬れいりん殿!乗った!!僕の妻も呼んで審査委員をしてもらいましょう!」


わたしと水覇すいは殿はお互い利害が一致した為握手した。


「素敵ですね!女性がいいと思うのでわたし、水覇すいは殿の奥様・・・あとはリンリンですかね?」


「いいね!奇数なら勝敗をつけやすいですからね!早速それで準備を進めましょう!」


「ですね!司会をムツリにしてもらって、解説をサイガ、黒綾こくりょう殿にしてもらいましょう!」


「素晴らしい!采配です。怜彬れいりん殿。三人には僕から話をしておきますね」


おお!水覇すいは殿がここまでノリノリとは・・・。

よほど遊びたかったのかしら・・・?それにしても水覇すいは殿の奥様って

どんな人なのかしら?会った事ないのよね~実は!



こうして・・・。わたしが何の考えもなしに思いついたお菓子作りは

雷覇らいは 対 怜秋れいしゅうのお菓子バトル』になってしまった。

でもなんだかとってもワクワクするわね!みんなも笑顔で楽しそうに話をしているし・・・。

これはこれでいいかもね!よーし!わたしも盛り上げるためにお手伝いするぞ~!


その日から水覇すいは殿とどこで開催するか?投票はどのようにするか?など

色んな事を打ち合わせした。飾り付けなどは水覇すいは殿の奥様の水蓮すいれん殿とわたし。

そして会場のセッティングや配置の指示をラカンとリンリンにお願いした。

機材や材料の手配は黒綾こくりょう殿、ムツリとサイガに頼んでいる。

みんなでお祭りを作るみたいでとても楽しい。

なにより・・・。水蓮すいれん殿がめちゃくちゃかわいいのだ!!


「初めまして!怜彬れいりん様。水覇すいはの妻。水蓮すいれんと申します」


そう言って丁寧にお辞儀をされた。なんて礼儀正しい人なのかしら。しかも・・・

明るい金色の少し癖のある長い髪に、大きくてまつげの長い銀色の瞳。まさに美少女!

やるわね・・・。水覇すいは殿。こんなかわいい奥さんだったなんて。

しかもわたしと歳がちかくて20歳という事だった。

わたしと水蓮すいれん殿は飾り付けの打ち合わせのためにわたしの庭園でお茶している。


「こちらこと初めまして!秋唐国しゅうとうこくの第一王女。怜彬れいりんと申します」


「ずっと・・・。怜彬れいりん様にはお会いしたかったのです!」


「え・・?そうなんですか?」


「はい。いつも主人から話を聞いていて・・・。私の憧れなんです!」


「ありがとうございます。そんな大層なことしてませんけど・・・」


なーんか・・・。嫌な予感がするわ・・・・。


「私大ファンなんです!怜彬れいりん様と雷覇らいは様のお二人が出ている小説!」


ああ!やっぱりかー!!最近、忘れていたのにぃ・・・。くっそう・・・。

忘れたころにやってくるな!あの小説は!!


「読んでるんですね・・・・。あの小説・・・」


「はい!毎回ドキドキしてしまって・・・。わたしお見合い結婚なのであんな大恋愛に憧れてまして・・・」


頬を真っ赤にして、キラキラと少女のように眩しい瞳で語りだす水蓮すいれん殿・・・。

めちゃくちゃ恥ずかしいけど・・・。かわいいから許すわ!


「そんな!むしろ雷覇らいはのせいですみません!水覇すいは殿の時間を奪ってしまって・・・。あまり二人で過ごせてないですよね?」


「あ・・・。いえ・・・。大丈夫です。前に長いお休みも頂いてますから・・・十分時間はありました」


すっごい恥ずかしそうに耳まで真っ赤にして顔を伏せてしまった・・・。

とっても素敵な時間を二人で過ごしたのね!よかったわ!


水蓮すいれん殿が話しやすい人で良かったわ!これからも仲良くしてくださいね」


「はい!私の方こそぜひお願いします!」


向日葵のように明るい笑顔で水蓮すいれん殿に微笑みかけられる。

ああ!本当にかわいいわ!水蓮すいれん殿。これはマーリンに報告してまた

着せ替えごっこをしなくっちゃ!!ぜったい・・・ぜーったい!

水蓮すいれん殿もいろんな衣装が似合うわ!


その後は二人で当日の飾りつけの打ち合わせをした。審査は天気が良ければ私の庭園で行う。

今咲いているお花をつんで沢山飾ろうという事になった。


「あの・・・。怜彬れいりん様にお聞きしたいことがあるんですけど・・・」


遠慮がちに水蓮すいれん殿に尋ねられた。


「なあに?」


雷覇らいは様の事はどう想ってらっしゃるんでしょうか?」


「え・・・?雷覇らいはのこと?」


意外と直球な質問がきて驚いた・・・。水蓮すいれん殿は本当に恋バナが好きなんだそうだ。


雷覇らいはには内緒にしてくれる?」


「はい!絶対に言いません!お二人のファンですから」


「わたしね・・・。実はまだ雷覇らいはに好きって言えてないの・・・」


「まぁ!そうだったんですね・・・。何か気になる点でもあるですか?」


「ううん。ただタイミングが中々なくて・・・。だから今は雷覇らいははわたしの返事待ちなの」


「そうなのですね!二人は両想いなのですね~。ああよかった!」


「そんなに心配してくれていたの?」


「はい!最初に水覇すいは殿からお伺いした時は、雷覇らいは様の片思いだろうって聞いていたので・・・。怜彬れいりん様がどう想ってらっしゃるのか凄く気になってたんです。」


「あー・・・。そうよね。最初はわたしも全然、まったく雷覇らいはの事好きじゃなかったわ!」


むしろ逃げてたくらいだしね~。懐かしいわ~。

わたしはリョクチャをすすった。


「どこで好きになったんですか?いつからお気持ちが変わったんですか?」


目をキラキラ輝かせながら、水蓮すいれん殿に矢継ぎ早に質問される。

グイグイくるわね~。


「一緒にいるうちにだんだん・・・。好きになったって感じね。決定的だったのは一度会えないかもって思う時期があってね。それで自覚したの。雷覇らいはが好きだって」


「まぁ。そうなのですね。はぁ・・・。素敵ですわ~。わたし今まで恋なんてしたことなくて・・・。もちろんちゃんと水覇すいは殿は好きです。でも・・・。怜彬れいりん様の様に燃える恋もしてみたかったなって・・・」


「ふふ・・・。今からでもできるんじゃない?燃えるような恋」


「えっ?そうでしょうか・・・?」


「まだ結婚して間もないのでしょう?これからお互いを知ればある日突然、水覇すいは殿を好きになるかもよ!」


「ああ!そうなったらどうしましょう・・・。一緒にいれるかしら私・・・」


「毎日ドキドキするわね!きっと」


「そうなったら緊張しますけど・・・。楽しみです」


頬を赤らめて話す水蓮すいれん殿。出会いがお見合いだと気持ちは後になるものね・・・。

わたしも炎覇えんはの時がそうだったわ!きっと大丈夫!

水蓮すいれん殿の恋を応援しながら、わたし達は遅くまで恋バナで楽しんだのだった。

最後までお読みいただきありがとうございます( *´艸`)

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