93.飲み過ぎ注意
お酒はほんとうに飲み過ぎると大変です・・・。(;^_^A
わたしも年に1回くらいやらかします。気を付けます!
「それにしても・・・。面白いくらい色々トラブルが起こるね。兄さんと怜彬殿は」
料理を食べながら水覇殿に言われてしまった。
それに関してはわたしも否定しない。次から次へと試練のごとく何かが起きる。
それは、今に始まったことではない。
「よっぽど相性が悪いのかしら・・・。わたしと雷覇・・・」
「怜彬。そんな事はない!俺達は相性抜群のはずだ!」
「いやいや。冗談抜きでさ。僕が元々お見合い結婚だったからかもしれないけど、結婚する間にこんなに色々あるのも珍しいよ」
「そうよね~。わたしもそれは感じてました・・・」
それにしてもこの鶏肉美味しい~。やっぱりお腹すいてたら何もいいアイディアが
浮かばないわね!腹が減ってはなんとやら。とにかく今はモリモリ食べて体力つけよう!
「水覇!不安を煽るようなこと言うな。先が思いやられるだろ」
「まぁ・・・。それもそうだね。僕は何としてでも兄さんと怜彬殿には結婚してもらいたいし、うまくいくように協力するよ」
「ありがとうございます。水覇殿」
でも・・・。水覇殿の協力をもらえるのは心強かった。
おそらく雷覇一人の力では太刀打ちできる相手ではない・・・。
桐生おじ様の方が一枚も二枚も上手な気がするし・・・。言わないけど。
「それで?どんな人なのその・・・桐生おじ様って人は」
「そうですね・・・。元軍人で今は貿易業を営んでます。1年の殆どを海の上で過ごしてて、わたしも会ったのはかなり前です」
料理を食べ終えてリョクチャを飲みながら話をすすめる。
「元軍人で貿易業をとは・・・珍しい経歴だね」
「そうですね。本来なら父が崩御した時に後を継げたんですが自由な暮らしがしたいと出て行ってしまいまして・・・」
「なるほどね~。型にはまらない人なんだね」
「そうなんです。自由奔放で豪快で・・・でもとてもわたしと怜秋の事を大事にしてくれてます。怜秋が王位に就く際は後ろ盾になってくれましたし。人情味の厚い人ではああります・・・」
「それなら、怜彬の事も凄く可愛がっていただろうな・・・。俺と同じニオイがする」
「確かに・・・。ちょっと人の話を聞かない所はよく似ているかも」
「怜彬・・・。俺の事そんな風に思ってたのか・・・」
何やらにショックを受けている雷覇。え?自覚なかったの?
「兄さんと同じ属性なら話し合いは難しいな・・・。冷静に話ができる人を間に立てた方が良いかもしれない・・・」
難しそうな顔して雷覇を無視しながら話す水覇殿。
毎度の事なのでわたしも雷覇の発言はスルーする。
「そうですね・・・。確か息子さんがいたはずです。わたしと同い年くらいの・・・」
「その人と話ができたらベストだね!話が通じる人だといいけど」
「そうね~。わたしもあまり会ったことがないから覚えてないのよね~」
どんな人だったからかしら・・・。桐生おじ様の息子さん・・・。
見た目は全然似てなかった感じはするけど・・・。まったく記憶になかった。
そもそも、桐生おじ様と会ったのも、怜秋が即位した時が最後だ。
それ以降は全く会っていない。それがどうしていきなり帰ってきては婚約に反対なのか・・・。
はぁ・・・。迷惑にもほどがあるわ・・・。
怜秋・・・。可哀想に。さぞ大変だったでしょうね・・・・。
「まぁ!分からない人のことは置いておいて、桐生おじ様の事を考えよう!」
「そうね!桐生おじ様をどうするか考えましょう!」
それからわたし達3人は桐生おじ様をどうするか相談した。
豪快な人の為、論理的に話をするよりも、ありのままで話していこうとなった。
面会場所は、四季国にした。秋唐国から
夏陽国まで2週間かかるが、四季国なら1週間で移動ができる。
それぞれの国から中間地点で会いやすい。さっそく使者を出して、知らせることにした。
あとは、桐生おじ様に会うのみ!おーし!がんばるぞ!!
「よし!前途を祝して乾杯しよう!!」
そう行って水覇殿がお酒を振る舞ってくれてた。
「わーい!美味しそう!!なんのお酒?」
「夏陽国でよく飲まれている、リョクチャのお酒ですよ」
「すごーい!!美味しそう!!」
綺麗なエメラルド色のお酒を水覇殿についでもらった。
「よし!乾杯しよう!」
「かんぱーい!」
わたしは一気に飲み干した。美味しい~。
飲み口は辛口なのに後からすっと甘くなる!すごい不思議なお酒だった!
リョクチャってお酒にもなるのね!
塩辛い料理と合うからついつい飲んでしまった・・・・。
「怜琳・・・。あまり飲みすぎると怪我に触るぞ?」
「のみすぎて・・・ないもーん!」
「怜琳殿・・・。お酒あんまり強くないんだね~」
「つよいもーん!よわくないもーん」
「怜琳酔ってるだろ?もう部屋に戻ろう・・・・」
雷覇がわたしを抱きかかえようとする。むーん。
わたしは全然酔っていないのに!ちょーとお酒のんだけらもおん・・・。
「いや!らいは・・・いーやーなーの」
「ブハ!兄さん嫌われてるじゃん!ウケる~」
「ね~。ウケる~」
そう言ってまた水覇殿とかんぱいしれおさけをのんだ。
「水覇も煽るな!怜琳はもうベロベロじゃないか!」
「えー?怜琳殿が酔ってる?そんな事ないでしょう?」
「いいれ!わたしはよってまてん!」
「酔ってるぞ。怜琳、いい加減に・・・ほら帰るぞ」
また!らいはー。わたしをおいだそうとしてるのれ!
むむむ!まけなないんだから!
わたしはらいはのむねをポコポコ叩いた。こうかはなかった。
「やだ!かえらない!らいははいや!」
「怜琳、何で俺が嫌なんだ?」
「・・・・。ぐす・・・。だって・・・・」
らいはなぐるもの・・・・。こくりょうどのをなぐったもの・・・。
「怜琳泣くな・・・。ほらこっちへ・・・」
ううう。らいはにだっこされちゃった・・・。むむう。
かなしい・・・。とってもかなしいの・・・。なけてきた・・・。
「らいはが・・・なぐるもの。こくりょうどの・・・なぐるの」
「怜琳・・・」
「だから・・・らいははいやなの・・・」
「あーあ。兄さん嫌われてるじゃん!かわいそう~」
「うるさいぞ!水覇」
「怜琳。もう殴らない。誰も傷つけないから・・・な?」
らいはにあたまをなでなでされた・・・。へへへ。これすきなんだー。
「ほんと・・・?なぐらない?・・・・・ぐす」
「ああ。殴らないし傷つけない」
「そっかー・・・。よかったー・・・」
わたしはらいはのくびにすりよった。はー。いいにおいー・・・。
ねむい・・・。のどかわいた・・・。
「のどかわいた・・・。ねむい・・・」
「怜琳の部屋に行って水を飲もうな・・・」
「うん・・・」
ふわふわいいきもち・・・。あったかい・・・。
あーそっか・・・らいはがだっこしくれてるんだもんね・・・。
「怜彬。水だ。飲めるか?」
「うん・・・」
わたしはおみずをなんばいかのんだ。あたまがぼんやりする。
ねむいな・・・。
ここどこだっけ?そうだらいはに、だっこされてへやまできたんだ・・・。
「らいは・・・。もうなぐらないでね・・・」
「ああ。約束する」
「なぐったら・・・。らいはもいたいんだからね・・・ぐす」
「ありがとう。怜彬。もうしないから・・・絶対に」
「ふふ・・・。よかったぁ・・・・」
ああ。眠い。へやだからねていいよね?らいはなぐらないって・・・。
よかった・・・。わたしはそのまま、ねむりについた。
次の日、目を覚ましたわたしはなんで部屋に戻ってきたのか覚えてなかった。
あれー?水覇殿とリョクチャのお酒飲んでたとこまでは覚えてるんだけどな。
・・・・。やっちゃった~。酔って記憶失くすとか・・・。
「おはよう。怜彬。体調はどうだ?」
ベットの上で頭を抱えてたら、後ろから雷覇に声を掛けられた。
もう日が高い。かなり寝ていたようだった。
「おはよう・・・。雷覇。昨日・・・わたし変な事言ってなかった?」
「言ってないが、酔ってる怜彬はとても可愛かったぞ!」
にこやかな笑顔で雷覇がお水を手渡してくれる。
わたしはそれを受け取ってお水を飲んだ。凄く喉が渇いていた。
よっぽどお酒飲んだんだな・・・・。
「お願い・・・。昨日の事は忘れて・・・」
「それは・・。無理なお願いだな。だが、あんなに酔ったら他の男に何されるか分からないから気を付けてな・・・」
「そうよね・・・。もう人前ではお酒は飲まないわ・・・」
もう~。恥ずかしい・・・。わたし何もしてないよね?大丈夫よね?
「怜彬は酔うと子供みたいになるんだな」
「えっ?そうなの?」
「ああ。雷覇は嫌だって駄々こねてた」
「ああ・・・。もう。本当にごめんなさい・・・」
「俺が黒綾殿を殴ったのが嫌だったんだ。俺も痛くなるから、もう殴らないでと言われた」
「そんなこと言ったの・・・?わたし」
全然覚えていなかった・・・。お酒って怖い・・・。
一緒に飲んでいたのが雷覇や水覇殿で良かった。
知らない人だとこうはいかない。変な事されても仕方ない状況だったのだ。
マジで気を付けよう!!
「怜彬。俺はもう・・・むやみに人を殴ったりしない。だから心配しないでくれ」
「うん・・・。わかった・・・」
雷覇におでこにチュッと口付けされる。
わたし・・・。よっぽど嫌だったのね~。酔っぱらって雷覇に言うほどに。
普段あまり意識してないけど、酔うときに話すってことは無意識で気にしていたってことだ。
「怜彬。お腹すいてないか?」
「うーん・・・。あんまり・・・沢山は食べれないと思う」
「じゃあ軽めの食事を持ってこさせよう!」
「ありがとう。雷覇」
頭をなでなでしてから雷覇は部屋を出て行った。
はぁ・・・。これから大変な時なのに・・・。気を付けないと!
わたしは両方の頬をパンと両手で叩いて気合を入れた。
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