92.本当の理由
今回はちょっと短めです!(*^-^*)
とんでもないことになってしまった・・・。わたしが怪我したばっかりに・・・。
でも・・・・なんで?婚約解消だなんて。いくら怜秋が雷覇を
認めていないと言ってもあまりにも強引な感じがした。
「怜秋。何かわけがあるんでしょ?ちゃんと話して!」
わたしは怜秋の腕をつかんだ。
怜秋は私の方見ない。
「姉さん。理由はさっき話したよ・・・」
「いくら怜秋でもそんな強引なやり方はしないでしょう?何か他に理由があるんでしょ?」
「姉さん。何度も言わせないでよ。理由は信頼が無くなったから!以上だよ!」
怜秋がバッとわたしの手を振り払った。
ひどくイライラしているように見えた。いつもの怜秋じゃない・・・。
こんなに声を荒らげるなんて・・・。絶対におかしい。
「怜秋!お願い!ちゃんとわたしを見て!」
わたしは怜秋の頬に両手を添えてこちらを向かせた。
怜秋は泣きそうな顔をしている。
「怜秋・・・。ちゃんとお姉ちゃんに話して。お願い」
「・・・・」
切羽詰まった顔の怜秋。どうやらただ事ではないらしい。
一体何があったというの?
「・・・・おじさんが帰ってきてるんだ・・・・」
「えっ?・・・・うそでしょ?」
わたしはそれを聞いて固まってしまった。桐生おじ様が帰ってきてる・・・。
そんな・・・。どうしよう・・・・。
「怜彬。叔父って誰の事だ?」
雷覇が側に駆け寄って、わたしの肩を掴んだ。
「・・・・。血のつながりはほとんどないの・・・。ただ、怜秋が国王に就任するにあたって尽力してくれた人で・・・」
「だったらいい人なんじゃないのか?何を二人とも怯えている?」
「雷覇なら想像できるわ・・・虹珠殿を3人分にしたような人なの・・・」
「なんだって・・・・?」
「怜秋・・・。桐生おじ様が反対しているのね?今回の婚約を・・・」
「うん・・・。今回も夏陽国へ乗り込むって聞かなくて・・・。何とか収めたけど、もう頭に血が上ってて、婚約解消しないと国を滅ぼす勢いなんだ・・・」
「なんてことなの・・・・。怜秋。よく収めたわね」
わたしは思わず怜秋を抱きしめた。
「なるほど~。怜秋が必死になって解消しようとしたのはその人が原因なんだね?」
凄く冷静な水覇殿が尋ねてきた。
「そうです。強引な話をして申し訳ございません。僕の力じゃどうにもならなくて・・・」
「だったら、大丈夫だよ!兄さんがその人を説得させるから!!」
「へっ?」
「でしょ?兄さん!」
「そうだな!怜彬と婚約解消せずに済むならその方に会おう!」
「いいの?雷覇。とんでもない人なのよ?」
「それならいつも、叔母上様三人を相手にしてきたから慣れている。問題ない!」
雷覇はあっさりと話しているけど、それは桐生おじ様を知らないからだわ。
あの人は雷覇と同じ元軍人で、父の弟にあたる人だ。今は貿易業を営んでいる・・・。
船に乗ってあちこち旅をしては数年に一回、秋唐国へ帰ってくる。
一言でいえばとても豪快な人だった。それに・・・。物凄く血の気が多い。
雷覇以上かもしれなかった。
「怜彬や怜秋殿が困っているならなおさらだ。そもそも、その人の許可がないと結婚できないならどのみちぶつかる道だ」
「それは・・・。そうだけど・・・でも」
「大丈夫だよ!怜彬殿。兄さんならまあるく収めてくれるさ!」
「水覇殿・・・」
「安心しろ!怜彬。人ならば話せば何とかなる!」
「ありがとう・・・。雷覇」
「とういう事だ。怜秋殿。婚約解消の件はちょっと保留にしてもらえないかな?」
「承知いたしました。水覇殿・・・。お手数をお掛けして申し訳ありません・・・」
怜秋が深々と水覇殿に頭を下げる・・・。
いやいや、実際に交渉するのは雷覇よね?
若干・・・雷覇への対応が冷たい気がするけど。まあ仕方ないか・・・。
「それにしても12歳なのによくそんな人を相手にできたものです!流石ですね」
ニコニコしながら水覇殿が怜秋を褒めてくれる。
二人は似ているからな~。なんか通じるものでもあるのかしら?
「ラカンも一緒でしたから何とかなりました・・・」
「そうですか!では明日にでも今後の対策を練りましょう!今日はお疲れでしょうから部屋でゆっくり休んでください」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせていただきます。姉さんごめんね・・・」
「怜秋・・・。いいのよ!みんなで何とかしましょう?」
「うん。ありがとう・・・」
それだけ言い残して怜秋はムツリと一緒に部屋を出た。
「二人ともありがとう!ごめんさいお家ごとに巻き込んで・・・」
「大丈夫だ。怜彬。以前も叔母上様の事で協力してもらったんだ。今度はこちらが返す番だ」
「そうですよ!怜彬殿。お気遣いは無用です」
雷覇に頭をやさしくなでなでされる。それだけでほっとした。
水覇殿はいい事言ってるけど・・・。結局何もしないのよね?
「お前は前回その場にいなかっただろうが!偉そうにするな!」
「だから、知恵を貸すって言ってるじゃないか。そもそも、怜彬殿に怪我をさせてなかったらこんな事になってないんだよ?」
「それとこれとは話が別だ!」
「何が別なのさ!兄さん」
「ちょっと二人ともやめて!それよりも桐生おじ様をどうするかでしょう?」
わたしは大きく手を振って二人を止めた。
身内でもめている暇はない。夏陽国に乗り込んでくるほど
桐生おじ様が怒っているなら早急に手を打った方が良い。
あの人は思ったら吉日みないな人だ。のんびりしていたら本当に夏陽国に
来てしまうかもしれなかった。それだけは何とか避けたい。
「それもそうだな。怜彬」
「とにかくご飯でもたべながらそのおじさんって人のこと聞かせてよ」
わたし達は水覇殿の提案通り、食事をしながら話すことになった。
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