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模型戦記  作者: BEL
第2章 異世界戦争
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2章閑話 人物一覧

 さすがに登場人物も増えてきたので、簡単な解説を用意しました。

この話の直前までを読んでいる前提ですので、未読の場合はネタバレになります。

 その日大英達は神官に連れられ、城の1階にある神殿部屋にやって来ていた。

神官は祭壇を前に二人に語る。



「毎朝こちらで、昨日の出来事やみ使い様の現況を、祈りながら伝えております」


「伝える……誰に?」



秋津は疑問を口にするが、まぁ答えは聞くまでもあるまい。



「もちろん、ム・ロウ神ですが、実際に聞いているのは天界の天使様達だと思います」


「そ、そうなんだ」



 宗教的儀式の様に見えて、実は世俗的な業務連絡という感じに、皆は苦笑する。



「それで、昨日お困り事について話されていましたので、お連れした次第です。

内容が専門的なので、直接祈っていただこうかと」


「あぁ、接着剤がもう無くなるって言う件ですね。

という事は、話せば聞いてもらえて、対処もされると?」



大英の問いに、神官は



「そこまで直接的な事は無いと思いますが、一応意味はあると思います」



そう答え、手順について解説を始めた。

大英達は「解決を求めての具体的な神頼み」という不思議体験を経験した。



****



 そこは天界と呼ばれる異空間。

天の世界だからと言って、別に上空に浮かんでいる訳ではない。

その天界にあるム・ロウ神の領域に、神や天使が働く役所があった。



 執務室にて決済書類を確認しているユマイ神。

そこのドアをノックする音が響いた。



「うん、誰だい」


「アキエルです。 み使い周辺の人物について報告書をお持ちしました」


「入りたまえ」



ドアが開き、書類を携えたアキエルが入室し、ユマイ神の机上の未決済書類入れに入れる。



「こちらになります」


「ありがとう。 どうだい、天界からのサポートが滞っているようだけど、二人は問題ないかな」


「懸念事項の一つが顕在化しつつあるようです。 そのため、稟議書もお持ちしました」


「それは良くないね、早めに処理しよう。 君たちの進捗はどうかね」


「システム開発は順調です。 次のリリースに向けた作業も最終段階に入っています」


「そうか、よろしく頼む。 では、下がってよろしい」


「はい、失礼いたします」



一礼するとアキエルは部屋を後にする。



「だいぶ慣れたかな。 もう百二十年になるか」



 元々人間だったユマイ神が「神に成りたて」の頃は「元人間」という事で、無視されたり侮られた事もあったが、今では神の一柱として、天使たちも普通に接していた。

そして、途中だった作業を一通り終えると、稟議書に目を通す。



「そうか、まぁ良い経験になるとは思うが……、報告書も見ておいた方がよさそうだな」



稟議書の決済は保留し、報告書を開く。



「さて、どんな面々かな」



*****



■み使いとみ使いに直接関わった者 ----------


大英定刻(おおひで・さだとき)

み使い召喚にて21世紀日本より召喚した50代の男。

リアライズシステムにて模型制作対象者・召喚戦力指揮官・システム稼働スターターエネルギー提供者として指定。

職種は技術者。

陸海空3軍全てのスケールモデルを嗜む。

肌は白く痩せている。

見た目は若く自己紹介で40歳と語れば、十中八九信用されるだろう。

善人ではなく正直者。

普段あまり語らないが、特に人間関係に問題は見られない。

戦闘時の指揮など、必要な時は普通に話している。

もう一人のみ使いである秋津からは(えい)ちゃんと呼ばれている。



秋津州一(あきつ・しゅういち)

み使い召喚にて21世紀日本より召喚した50代の男。

リアライズシステムにて召喚戦力指揮官として指定。

建築業界とつながりが深い。

やや太めの年齢相応なスタイル&顔。 それでも現地の同年代と比べれば若く見える。

初対面の人を相手にする対人スキルでは大英を凌駕し、スブリサの人々とも短時間で打ち解けた。

少し頭が固く感じられるが、それは大英と比較しての話。 一般的には柔らかい方だと推測される。

もう一人のみ使いである大英からは(あき)やんと呼ばれている。



●パルティア=アルサケス

巫女。

後述するリディアの妹。 16歳。

リアライズシステムにてシステム稼働スターターエネルギー提供者として指定。

赤髪ポニーテールのおとなしい常識人。

み使いとの年齢差は親子ほどになるが、そのためか言葉も少なく接し方に戸惑いも見られる。

普段の姿はミニ丈のワンピース。

その生地は段ボールを少し明るくしたような色。



●リディア=アルサケス

神官。

実力は一人前であるが、王国の資格試験を受けていないため、正式な役職は神官見習い。

パルティアの姉。 18歳。

リアライズシステムにてシステム管理者・システム運営者として指定。

黄緑髪ツインテールの明朗快活な人気者。

親子ほど年の離れたみ使いとも問題なく接している。

衣服は上下が分かれ、上は胸当て風の布だけ、下は前垂れのようなカタチのものが前後にあるという姿で、み使いの世界における認識では拳法でも使いそうな姿とされる。

もちろん、現在の地上には拳法なるものは存在していないため、当然使う事は無い。

布地は妹と同じなので、色も同じ。



●ゴート=ボストル

み使いの所属する「神獣騎士隊」の顧問をしている50代の男。

元子爵。 形式上は隠居の身。

当初レリアル神のみ使いに騙されて、率いていた第3騎士団団員と共にみ使いに敵対する。

召喚兵器同士の戦いでレリアル神のみ使いが敗れた際に、騙されていたことに気づいてそのみ使いを討つ。

現在は二人のみ使いにとって、最も信頼できる協力者となっているようだ。

息子は第3騎士団団長のアラゴン=ボストル。

アラゴンのほかに娘が2人居て、孫も5人いる。



●セレウコス=オーディス(スブリサ辺境伯セレウコス4世)

み使いを送り込んだ地(スブリサ辺境伯領)の20代の若き領主。

み使いが自分たちとは異なる習慣を持つ地よりの来訪者である事を認識し、便宜を図った。

領民からも慕われており、名君になると推測される。



●フランク=ビリーユ

スブリサ辺境伯領執政官。伯爵。

辺境伯領にて行政の実務を担っている30代の人物。

最初にみ使いと接見し、好感触を得たようである。

名目上神獣騎士隊の隊長も兼任している。

まだ若いが切れ者と評価される。



●シッキム=ビステル

神獣騎士隊の騎士。

10代の若者。

以前は近衛騎士隊に所属していた。

公私ともにみ使いと行動を共にしている。



●ホラズム=ウエルク

近衛騎士隊隊長。

40代の体格の良い男性。



●マラーター=アルサケス

神官。

リディアとパルティアの父。

地上の様子を毎日報告している。



●シュリービジャヤ=エリアンシャル(ロード・エリアンシャル伯爵シュリービジャヤ=エリアンシャル)

第1騎士団を率いる団長。 世襲騎士。

20代長髪美形男性。

父親は伯爵。

当初はみ使いたちに対して反発したが、すぐに深い信頼関係となった。



●パガン=バレリア

第2騎士団を率いる団長。 一代ナイト。

色黒で恰幅の良い30代荒くれ男。

槍や長斧を得意とする。

騎士団団長としては、真っ先にみ使いたちを認めた。



●アラゴン=ボストル

第3騎士団団長。 世襲騎士。 子爵。 30歳。

妻と二人の子が居る。 父親はゴート=ボストル。

(妻:グラナダ=ボストル/長女:カスティーリャ=ボストル/長男:エスパーニャ=ボストル)

団長としては新人だが、間近でみ使いの召喚兵器の戦いを見て理解を深めつつ成長中。



●メーワール=オーディス

スブリサ辺境伯セレウコス4世の母。 太后。

結婚前の名はメーワール=アーリア。



●ササン=カテドラル

魔導士師見習い。

召喚兵器6ポンド砲を砲兵と共に扱う。



●パンチャーラ=バージェス

鍛冶屋。

召喚兵器6ポンド砲の砲弾と発射用装薬を作成する。



●ゴットルプ=バメス

み使い担当の執事。




■スブリサ辺境伯領の者とその他の者 ----------


●アケメネス=オーディス(スブリサ辺境伯アケメネス2世)

スブリサ辺境伯セレウコス4世の父。 先代辺境伯。 故人。



●サファヴィー=オーディス

スブリサ辺境伯セレウコス4世の妹。



●メディア=バメス

メーワール太后の付き人。

現在は隠居している。

息子はみ使い担当の執事、ゴットルプ=バメス。



●コジャ=バンホーデル

スブリサ辺境伯領の隣にあるザバック辺境伯領の第1騎士団団長。

メーワール太后とは旧知の仲。



●カリンガ=タンバル

第1騎士団団員。




■レリアル神勢力現況 ----------


●天使モリエル

男性型天使。サポートスタッフのリーダー。

様々なシステムの開発・運営を取り仕切っている。



●天使ミシエル

男性型天使。生物創造の名手。



●天使キリエル

女性型天使。生物制御・統制の達人。



●天使マリエル

女性型天使。戦神の研究で知られている。

モリエルの右腕と呼ばれる切れ者。



●み使い

み使い召喚にて21世紀日本より召喚された男性と見られる人物。

見た目より年齢は30代前後と思われるが、詳細は不明。

モリエル仕様のリアライズシステムを使用していたと推測される。

その召喚軍は大英・秋津の召喚軍に敗れ、当人もゴートに斬られて死亡。




■付記 リアライズシステム現況 ----------


●現在以下の機能が実装済み


・スケールモデルからの現物化

完成させた模型をワンタイム触媒として、現物を生成出現させる。

これを「召喚」と呼称しているが、いずこからか現物が呼び出されている訳ではない。


・ノンスケールモデルからの現物化

ノンスケールモデルは元々のシステムでは召喚対象外。

同一スケール帯の1ランク下として対象に加える。

実測により1/274となった場合、本来は1/200~1/300帯であるが、1/350~1/550帯のキットとしてシステムに認識される。


・1/100以下キットにおける省略フィギュアの補完機能

主として航空機が該当する。

パイロットがパーツとして付属していない場合でも、パイロット付きで召喚されるようにする。

なお、1/200以下はパイロットのパーツが存在しないキットがデフォルトのため、こちらは当初より補完されている。


・人物の指揮権

フィギュアより召喚されるホムンクルスは指揮権を持つ「み使い」にのみ従う。

指揮権を委譲する指令「**に従え」については、現在スブリサ領主のみ対象として認定。

必要に応じ追加は可能。


・人物への日本語付与

フィギュアより召喚されるホムンクルスに母国語に加え日本語能力を付与する。

副次的効果として、日本語より現地語への変換機能の対象となる。


・実在人物の記憶付与

実在人物のフィギュアより召喚されるホムンクルスに当該人物の能力に加え、記憶・経験をデータとしてホムンクルスに付与する。

性格・信条等についてはキット自身およびその他の取得情報からの再現が困難なため、簡素化された限定的な付与となる。



●以下の機能が開発中


- 省略 -


●以下の機能について仕様検討中


- 省略 -



*****



 一通り目を通したユマイ神は呟いた。



「ふむ、スブリサの人々ともうまく協力出来ているようで何よりだな。 当代の領主も良い人物のようだ。 これなら実施してもいいだろう」



そして、稟議書にサインし、決済済みの箱へと入れる。



「さて、ム・ロウの様子でも見てくるか」



 彼は秘書の天使に決済済みの処理を依頼し、外出の行き先を告げ、妻に会いに出かけた。

最近は日課となっている、いつもの行動であった。

用語集


・- 省略 -

ここではネタバレ抑止のため、省略していますけど、実際の報告書ではちゃんと内容が記載されています。




■オマケ マリエル着任時の会話。

本編では


----------

そう告げて、マリエルは作戦提案を行う。

その内容は……ミシエルの想像のはるか上を行っていた。


「ま、これにちょっと隠し玉を追加してやれば、かなりいい所まで行けるんじゃないですか」

----------


という感じで省略されていました。

これ、省略してない内容を没原稿より拾ってくると。


----------

 さて、その「右腕」は早速作戦提案を行う。

その内容は……


 前哨戦としてゴブリン集団(20体)による村ヘの夜襲。

 その混乱に乗じ、夜間の内に村の東西の平原にトロール集団(30体)・ゾンビ集団(30体)を展開。

 両集団には20体づつのオークを直衛に付け、先導用に5体ずつのゴブリンを配置する。

 同じく夜間の内にオーガ騎兵60体を2隊に分け、一方を街道沿いに敵の都へ差し向ける。

 もう一方は丘陵森林地域を同じく都へ進軍。

 村の東西に展開した部隊は夜明けと共に攻撃開始。

 街道沿いに進んだ騎兵を囮とし、もう一方の騎兵隊で都を強襲。

 総兵力は190体。


というものであった。


「ま、これにちょっと隠し玉を追加してやれば、かなりいい所まで行けるんじゃないですか」

----------


てな感じです。

いきなり説明しちゃったら、ネタバレもいいとこなので、ここではカットし、本編では話が進むにつれて少しづづオープンにしました。

予定通りに進まなかったのは、本編の通りですね。

で、隠し玉とはキリエルの空中機動軍を指します。

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