表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

自己愛の塊

18時に会社を出た。毎日会社を出て、駐車場に向かうまで、現実感が感じられず、ふらふらとした足取り駐車場へ向かう。「もう帰っていいのだろうか」と、仕事中真面目に働かないくせに、仕事終わりにそういった考えが浮かんでくる。ここ最近は、ミスも増えてきた。1つはこの前の日曜日に3件ほどお客さんの集金をしたのだが、終業前の入金作業の時に2千円多いことに気付いたこと。二つは、少し前だが、車の運転に関すること。上司の車を電柱でこすったり、上司を乗せた車であたふたしてしまい、まともに運転ができなかった。3つ目は、日々の態度である。集金の件は、全く見当がつかず、心の中では、「だれか俺を陥れようとしているのか」と思ってしまう始末であった。車に関しては、今思い出しても恥ずかしいほど、自分は馬鹿だと感じてしまう。下手なくせに運転が上手であるふりをしようとしているのだろうか。態度は、自分でもどうしたらいいのかわからない。ふとしたら自分の不機嫌が表に出てしまい、何もかもテキトーにしようとする。「やってられるか」と人との会話まで放棄してしまう。このように毎日自分の欠点を見つける割には、建設的な反省は全くしない。自分を責めて反省するふりをして、現実には何も変わらない。

「どうすれば申し訳ない感じに見られるか」と人と会う前は必ずこう考える。会社やプライベートでも人前では、「自分は被害者だ、過去にトラウマがあるせいで、自分はダメになってしまったんだ、助けてくれ。昔の自分はできたんだけどな、どうすればいい?」というオーラをまとい、常に挙動不審な行動を繰り返す。今の自分がこうなってしまったのも、自業自得であるということが最もな意見であると思う。しかし、正直なところ、今の自分も泥沼にはまってしまったようで、どうしたらいいかわからなくなってしまうときがある。気分が落ち着いた時には、目の前のことを真面目にやるという決心をするのだが、いざ会社に行ったり、人と会うと、そういった考えは吹き飛んでしまう。人の目を常に気にし、自分はもう社会のレールから外れてしまった存在であるという自己認識から、かなりあきらめモードのマイペースになってしまう。

初めて自立をしようと考えたのは、つい最近のことだ。幼いころからそういう考えがなかったわけではない。どんどん周りの人間の圧に押され、それに負けじと自分も自立できないのは周リの人間のせいにするようになった。そして、自分もうまくいかないことばかりに気を取られ、体調も悪くなり、常にネットで何かの病気や障害なのではないかとチェックすようになった。そうやって自分が何か患っていると確認することで、自分のこれまでの行為に納得することができ、安心する。救われたような気持になるため、繰り返し調べるようになってしまった。しかし、自分は実際に病院に行ったわけではない。もし行けば何かしらあるのかもしれないが、単に行く勇気が出ない。自分が何かしら診断されて、また社会から離脱するのが怖いのか、本当は自分の思い込みであるとわかっているのか。本当は自分はどうしたいんだ?

自分は子供のころから、人前で何か目立つことをするのが好きだった。小学校の頃は、自分でダンスを考え、自らダンスを踊ってくれる仲間を集め、自ら先生に提案をし、場所や再生機器も準備してもらい学期末のお楽しみ会で踊ったこともあった。なぜこんなことをしたのかは、ただ単に目立ちたかっただけのかとは思う。それに、ある韓国人の方が小学校でお話をしてくれたことがった。その時、先生からは、当時の情勢や本人の意向なども踏まえ、戦争等に関することを質問の時に言わないようにと注意されていた。しかし、自分はこれは違うから大丈夫と思いながらも、徴兵制に関することを聞いた。すると、周りはざわついて「だめだといわれたじゃないか」と言われた。自分の中では戦争と徴兵制はそこまでちがうと感じていた。しかし、このように空気をよめず、独りよがりな判断で場を乱すというのは今も変わっていない。今は自分が反省して改善しないのが悪いのではなく、自分の脳みそがおかしいんだと考えて逃げている。俺はどうしたい?

二年目になり転職を考えるようになった。今の会社は本当に自分の望んだ職種でも業界でもないのは事実。仕事事態も投げやりになって、仕事中は空想ばかりである。本当は他に自分の向いている仕事がある。自分は作家か音楽家どちらかになりたかったというのがあった。もしくは、大学教授や先生、雑誌編集者など。どれも高根の花だと思い、何の努力もしなかった。いまは投げやりにただ仕事をするなか、空想で「お前にはもっと向いている仕事がある。転職しないの?」などと自分の人生を今の会社の先輩が心配してくれる空想が毎日浮かんでくる。ただ自分も辞める勇気がない。自分が人と接するときも、自分の人生に有益であるかどうかで判断するようになってしまった気がする。昔は誰とでも仲良くしたかった。だけど今は、それどころじゃないと焦りを感じるようになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ