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片思い歌  作者:
3/8

懐かしい白い部屋

前もここにあの子を閉じ込めた

僕はその時から壊れてた

あの子をアイツに取られたくなかっただけなのに


「…ここは…」

優が目を覚ました時、始めに見たのは、真っ白な天井と優しく輝く蛍光灯であった。

部屋の至る所に白がある。

その場所は優が良く知っている、場所に似ていた。

とても懐かしい場所に。

「…動けん…」

優は手足を拘束されていた。

しかし、拘束具にはタオルが巻かれていて、直接肌に触れないようにしてある。

まるで怪我をさせないように。

「あ、優、気が付いた?」

「…雪…」

木製であろう白い扉が開くと、灰色の盆に青の皿を乗せた雪が部屋の中に入って来る。

優は雪が自分をここへ監禁した犯人だと解ったが抵抗することも、逃げ出す気もない。

「大丈夫?腕キツくない?平気?」

まるでそれが普通であるかの様に、雪は優に質問をする。

いつもの笑顔を浮かべながら。

「…問題ない、だが、食事をする時などは外してくれ…」

「え、ヤダよ。私が食べさせるの!」

駄々っ子の様に喚く雪。

これではいつもの雪だ、今こんな事をしているのに…、優の気持ちは雪には伝わらず、結局涙を流し始めた雪に根負けして、食事を採った。


「…ん…」

「どう?美味しい?」

優に一口食べたせては聞き、食べたせては聞き、優は最初のうちは律儀に美味いとか、料理の腕を上げたななどと答えていたが、返す言葉が無くなり、今では頷くばかりである。

しかし、雪は優が自分の作った物を食べてもらえるだけで幸せである様で、少し腫れた目を細め笑っている。

「はーい、これが最後の一口」

大きな目を細めて、優の口の中に食事を入れる。

ゆっくり食べさせられていた為、少々冷めてはいるが、美味であることは変わりない。

「…ごちそうさまでした」

裏で止められている為、手を合わせて挨拶は出来ないものの、雪の料理に感謝をする。

「お粗末様でした、どう?私腕上げたでしょ?」

子供の為に、良い物を作る母親のような顔した瞬間に、いつもの懐っこい顔をして、優にくっつく。

「かなりな、昔は料理なんてからっきしだったのにな」

「もー良いでしょ!昔は!優の為に勉強したんだから!」

雪を褒めるとうれしそうな顔をするが、幼い子頃の事を出すとムスッと頬を膨らませて不機嫌になる。

「それはそうとして、そろそろこれ外してくれないか?布地が擦れて痒い」

「むー、仕方なーいな、優しい雪さんが外してあげるよ」

優しいならこんな事しないのでは、などと優は思いつつ、拘束具を外してもらう。

拘束具を外すと、優の腕は、少し赤くなっていた。

「痒い、痒い」

「あ!掻かないの!薬持ってくるから!」

優が腕を掻き始めると、優はそれを静止するよう言い、足早に部屋から出ていった。

その間、優は必死に腕の痒みに耐えていた。


「私は肌が弱いんだ。次からはもっと柔らかい布にしてくれ」

「捕まってるのに流暢な…」

どうせ、次もあるだろうと思ったは優は雪に注文をする。

そんな優はに、雪は呆れ顔で言葉を返すのであった。

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