*告白の結果*
時間は流れ今は放課後
「琢磨帰りにどっか寄っていこうぜ」
琢磨が帰り支度をしていた所に雄大話しかけてきた
だけど、放課後琢磨には2つの用事があるのである
1つは、歩美とどこかに出掛けること
もう1つは...
「ごめん雄大、ちょっと今日放課後に呼び出されてて」
そう、琢磨が登校中のこと後輩の少女に手渡されたラブレター放課後屋上に呼び出されているのである。
「なんだ?決闘か?」
「いや、女の子からの呼び出しだからそれはないと思うんだけど」
「あー、はいはい、モテる男はうらやましいね!一人でゲーセンにでも行ってるわ」
雄大は琢磨を茶化すようにそういうと鞄を肩にかけ後ろ手をふりながら教室から出ていった
「さてと、それじゃあ僕もそろそろ行くかな」
誰に言うでもなく琢磨も鞄を肩にかけ屋上へと向かった
そんな琢磨のうしろからあとをつけている人物が1人
そして、場所は変わりここは屋上
まだ呼び出した少女は来ておらず、琢磨は柵に背中をもたれさせて待つことにした
待つこと5分弱
「すみません、お待たせしました」
琢磨を呼び出した少女近藤さおりが息を切らし肩で呼吸しながら現れた
「いいよいいよ!そこまで待ってないから、確か近藤さん?だったよね」
「は、はい!」
さおりは琢磨に名前を覚えていてもらえたことが嬉しかったのか顔を若干赤く染めながら満面の笑みを向けていった
「ところで、このあとちょっと用事があるから早速本題に入っても良いかな?」
「あ、はい!どうぞ!」
「近藤さんの気持ちは凄く嬉しかったんだけどごめんね!僕は近藤さんと付き合うことができない」
「や、やっぱり、森川先輩とお付き合いしていると、そういうことですか?」
「いや、歩美とはただの幼なじみだよ!」
琢磨はとりあえずさおりが誤解していることを解くためにそういった
確かに高校に上がってからの歩美は一段と綺麗になり全く気にしていないと言うと嘘になる
だが、実際に琢磨と歩美は付き合ってはいない
「で、ではなぜですか?」
「僕まだよく近藤さんのことよく知らないからやっぱり付き合うことは出来ない、だからとりあえず友達からってのはダメなのかな?」
「お友達になっていただけるのですか?」
「まぁ、近藤さんが嫌じゃなければの話だけどね!」
「いえ、嫌だなんて滅相もないです。ぜひ、お友達になってください!」
さおりは先ほどまで琢磨にフラれてショックを受けていたが、琢磨が発した「友達」という言葉で顔を一気に明るくして頭を下げてたのんだ。
「いやいや、とりあえず顔を上げてくれるかな」
「は、はい!」
「とりあえず、友達ということで電話番号を赤外線で送ろうと思うんだけど」
「あっ!ちょっとお待ち下さい!えっとどこにしまったっけ」
そういうとさおりは携帯を探すためにポケットを探ったり鞄の中を見たり...いや、鞄の中身を回りにばらまいたりしていた結果...
「あっ!そういえば、今日部屋の机の上に置いてきちゃったんだ!どうしよう、私のバカ!」
「な、なら!はいこれ!」
さおりが頭を抱えながら唸っているのを見ていた琢磨は「近藤さんって以外とおっちょこちょいなのかな」と思いつつ鞄の中に入っていた紙のうらに自分の携帯番号を書いて渡した
「あ、ありがとうございます!家に帰ったら電話おかけしますね。」
「うん!待ってるよ!それじゃあ、僕はこのあと用事があるからもういくね!」
「は、はい!それでは」
そういうと琢磨はこのあとの用事のことを思いつつ屋上から出ていき待ち合わせの人物に電話をかけようとしたところ...
「あれ?なんで歩美が?」
「た、琢磨が放課後屋上行くこと知ってたから琢磨の用事が終わるまでここで待ってたの!(さっきの告白シーン覗いてたことはばれてないみたい)」
そう、先ほど琢磨が教室から出ていった時にそのあとをつけていたのは歩美であった。
「そうか!待たせちゃったみたいでごめん!それじゃあ、そろそろ逝こうか!」
「う、うん!」
そういうと、琢磨と歩美は一緒に生徒用玄関を抜けて学校から出ていった
その頃屋上では...
「はぁ、私こんな時になんで携帯電話忘れちゃうのかな、ばかばか...でも、桜井先輩とお友達になれたのは一歩前進かな♪」
そうしてさおりは琢磨の電話番号のかかれた紙を見ながらニヤニヤしていた
だが、1つ気になっていることがあるのだ...
「この紙ってひょっとして、ま、まさかね....あっ!やっぱり」
さおりはどうしても気になり琢磨から受け取った番号の書かれた紙の表を見たなんとその紙は...そう!朝さおりが琢磨に渡したラブレターだったのである
「ま、まあ、捨てられずに持っていて下さったことは嬉しいんだけどなんか複雑...」
以外にも琢磨の新たな一面を知った出来事である
そう、琢磨もさおりと負けず劣らずおっちょこちょいなのである