*ラブレター*
場所は変わりここは琢磨と歩美が通う相川高校の生徒用玄関である
「まったく、琢磨は...」
「一体なんで怒ってるのさ」
「別に怒ってないもん!」
歩美がなぜ琢磨に怒ってるのかと言うと時間は戻り登校中のことである
「今日って授業なにがあったっけ?」
「確か、数学、世界史、化学、体育、古典、英語だったはずだよ」
「げっ!いやな授業ばっかじゃん!」
琢磨の質問に歩美が答えると言ういつもの会話をしながら登校中のこと...
「さ、桜井先輩ちょっと良いですか?」
「えっ?」
琢磨は右隣に居た歩美の方に向いてた頭を正面に向けた、そこに居たのは後輩であろうかちょっとだぼっとした感じに相川高校の制服を着た小柄な少女が立っていた
「あ、あの、これ読んで下さい!」
少女は肩を震わせて頭を下に下げながら手紙を琢磨の方につき出していた
「とりあえず受けとればいいのかな?」
「は、はい!」
琢磨は震えながら手紙をつき出す少女を見てなんだかこのまま放置しておくのも可哀想だと思い笑顔で「ありがとう」と言いながら少女から手紙を受け取った。
「そ、それじゃあ、私はこれで!」
少女は顔を真っ赤にしながら相川高校の方へ走って行ってしまった
「一体なんだろうこの手紙?」
「むーーー!」
「そして何で歩美は膨れてるのかな?」
「べっつに~、手紙もらったんだから読んでみれば、さっきの子も読んでって言ってたんだし!」
「だよね、じゃあ...」
琢磨は先ほどの少女から受け取った手紙を取り出して読み出した内容は...
(突然お手紙で申し訳ありません!
高校見学の時に桜井先輩が体育の授業でバスケットをやっているところを見ました。
その時からなんだか、頭の中から桜井先輩のことが離れなくなってしまいました。
森川先輩ともしお付き合いされているのならキッパリ諦めます。
ですが、私は桜井先輩のことが好きです。
放課後屋上にてお待ちしています
そのときにお返事を聞かせて下さい!
1年A組 近藤さおり)
「.....す、すごいラブレターじゃない!し、しかも私と琢磨が付き合ってるって...///」
「だよね!僕達はただの幼なじみなのにね?」
琢磨はそのラブレターを鞄にしまい隣にいる歩美にいつもの笑顔で話しかけた
「.....た、琢磨のバカーー!!!」
「え、えええええ!」
琢磨はこの時理不尽に思っていた
そして現在に至るのである。
「もう!ホントに琢磨はなんで気がついてくれないのかな!」
「なんかわかんないけどごめん!帰りに好きなとこ付き合うからさ!」
「ほ、ホントに!!うーんと、どこに付き合ってもらおうかな」
歩美は琢磨の言葉を聞くとさっきまでの怒りはどこかへ飛んでいき今はスキップをしながら廊下を琢磨と歩いていた
そのとき琢磨は
「(はぁー、女の子ってなんかホントよくわかんないなあ)」
っと、心の中で呟いていたのである。