1-8.
朝からいい事を思いついた。
とういうか、逆になんで今まで思いつかなかったのだろう。普通に考えれば、最初の方に思いつくようなことだ。
自覚をしていないようなプレッシャーで、視野が狭くなっていたのか。
骨の処分にばかり意識が向いてしまっていたのだろうか。
まあ、どちらでもいい。
失敗したわけではなく、より効率の良い手段が見つかったのだから。
そう、ミンチ機を買えばいいんだ。
調べてみるとミンサーというらしい。
最初は、山に捨てて自然や動物に処分させようと考えたが、その動物が人体とわかるような部分を咥えたまま人里に降りてしまう可能性を考えて断念。
漫画や小説にあるような、人体を跡形もなく溶解するような薬品は、私のような一般市民には手に入りようがない。
であれば、焼き切って焦げの塊にしてしまい、残った骨を細かく砕いて処理すればいいと思って、オーブンを作ってみた。うまくはいきそうだったが、思っていたより処理に時間がかかるので、その辺りが課題かと思っていたが、肉はミンチにしてしまえば、かなり時間の短縮ができそうだ。
解体するときに、できるだけ骨から肉を外して、肉はミンチにして山や穴に捨ててしまえば、人体の形が残ったものを動物に運ばれる心配はないし、きっと自然に帰るのも早くなるだろう。
小分けにして運びやすくもなる。
それに肉をはがしてしまうことで、骨を焼ききるスピードもきっと早くなる。
なんだったら、オーブンを使わなくても、焚き木をするときに薪と一緒にしてしまってもいいかもしれない。
まあ、処分量に応じて、オーブンか焚き火か臨機応変にすればいい。
今回、二人分のゴミを片付けるのに、最終的に1週間ほどはかかりそうだと思ったが、肉を外す為の解体にかかる時間を倍にしたとしても、焼き切って処理する時間が2分の一、3分の一になれば、結局は日数の短縮になる。
何度かやるうちに、解体速度も上がってくるだろう。
今日は朝からなんていい日だ。
天気予報が外れてしまい、鬱陶しい天気だというのに、なんていい日だ。
清々しい気持ちだ。
昨晩、寝る前に自宅の冷蔵庫に卵と牛乳を少し残してしまっていた事を思い出して、若干勿体無い事をしたと後悔していた事が嘘のようだ。
早速、注文することにしよう。
ネットでミンサーを検索してみると、たくさん出てくるが、イメージしているものより小さい。
いつかの海外の映画で観たのは、もっと大きかった気もするが、もしかすると、子供だったからそう見えただけかもしれない。
まあ、電動のものを二つ三つ買えばいいか。それくらいの余裕はある。
適当なものを見繕い、カートに入れ、購入確定のボタンを押そうとするその時、さらに閃いた。
ミキサーでよくないか。
ミキサーなら、家庭用でもかなり大きいものもあるし、鰹節を粉々にするテレビショッピングを観たことがある。
確か鰹節の硬度は鉄よりも高いはずだ。
ネットで調べてみると、鰹節のモース硬度7〜8とある。
鉄が5〜6なので、骨もそれと同等なので、理屈で言うとミキサーがあれば、骨ごといける。
半年かけて作ったオーブンが、急に用無しになってしまったかもしれない。
勢いで買った粉砕機も同じだ。
不要なものが、不要のまま場所をとる。そんな無駄な事は好きではない。
好きではないが、我慢できないほどではない。
どうせ、一人の男が生活するには大きすぎるほどの別荘だ。そもそも二階なんて、全く使っていないのだ。
そんな瑣末なことよりも、いいアイデアが浮かんだ事が喜ばしい。
今日すべき事が終わったら、家電量販店にでも見に行ってみよう。
確か車で1時間もしないところにあったはずだ。




