2-5.
さすがにちょっとめんどくさい。
昨晩の侵入者3人を仕留めることが出来て、元々あったのと合わせて四個分のゴミの処分を出来ることは喜ばしい事ではあるが、一人で全てをやるというのは、無理ではないし、時間もあるが、それにかかりきりになってしまう。
昨晩、取り急ぎ新たな三体分の血抜きセットだけをして、置いておき、門前に放置された車をとりあえず中まで運転して移動させ、財布の身分証から住所を把握して、それぞれのスマホを住所近辺まで持って行ってから電源を切った。
家に着いたのは深夜というか、朝の4時過ぎだ。
久しぶりの夜更かし先生だ。疲れた。
いつもより遅めの朝食を食べながら、今日のスケジュールを考える。
とりあえず、肉の方はざっくり切り分けて冷凍庫に入れておけばいいが、内臓は今日中に処分しなければならない。
やたらと足が早いからだ。
あと、単純に臭い。
肉の生臭さと鉄の匂い、そして、うんこ臭い。
今のように銃火器やミサイル、最近だとドローンで遠隔での戦争ではなく、刀や剣などで近接での戦争をしていた頃なんて、大変だっただろう。
よく、戦国時代の合戦後の描写で、近隣の農民が戦死した武士たちの鎧や刀を盗んだりするが、絵や文章では伝わりきれない匂いがあったはずだ。
たかだか4人分だけで、アレだ。
実際に何百人の死体となると、想像もつかない。
そもそも、食肉の屠殺場ではどうやって処分しているのだろう。
以前に、暇を持て余して牛丼屋の食肉加工工場でちょっとだけ数ヶ月ほどバイトに行った時に、毎日何百キロもの冷凍肉を加工していたが、何百キロの食肉があると言うことは、何百匹の牛や豚が毎日屠殺されているということだ。
ということは、使わない部分を処理しないといけないはずだが、ほとんどは皮革や食用として使うにしても、それでも恐ろしい量の内臓の処理があるはずだ。
燃やすのか、埋めるのか、はたまたさらに飼料に、するのかはわからないが、大変な作業だ。
ネットで調べても、食肉にする為の処理方法は見つかるが、不要な部分をどう処分するか、という情報は見つからなかった。
もちろんシステマチックな処理施設があるんだろうが、にしてもだ。
どこぞの過激な菜食主義者が見たら、卒倒ものだろう。
あ、うちの地下室もそうか。
まあとにかく、処理を急ごう。
午後からは雨が降る予想なので、外作業はそれまでに終わらしたい。
一人分の食器を水切りに置いて、気持ちを切り替えることにした。
前向きに考えよう。
四人分、世の中からゴミを減らせたのだ。




