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エビの下ごしらえは面倒くさい。
まず、殻を剥く。
次に、竹串を使うか、背中を開くかして、ワタを取る。
エビフライなどにする場合は、さらに腹側に包丁を入れて、火を通した時に丸まらないように筋を切る。
そして、片栗粉や塩で臭みをとったあと、キッチンペーパーなどで、しっかり水分を抑えとるのだ。
ここまでして、やっと調理に使えるようになる。
今回は、グラタンなのでぶつぎりでいい為、まっすぐにするための筋切りは省けるが、それでも面倒くさい。
下処理済みの冷凍エビも売っているが、自分で処理したのと、冷凍エビを使うのだと明らかに違う。
生を処理した方が美味しいのだ。
たまに、ネットやTVで夫が妻に、「晩御飯は簡単に唐揚げでいいよ」だったり「冷やし中華でいいよ」と言うのが腹が立つと話題になったりするが、それについて私は、主婦側と同意見だ。
『で、いいよ』の『で』がむかつく。
一食に、例えば、ごはん、みそ汁、メインのおかずとサブのおかずを作ろうとすると、器用に同時進行したとしても、準備から数えると慣れてる人でも軽く一時間はかかる。少なくともだ。
しかも、食べ終わった後の洗い物、油の飛んだコンロ回りの掃除などを含めると、結構な手数だ。
そんな面倒くさい作業が、仮に3回、毎日だったとすると、専業主婦はなんて手間のかかる仕事なのだろう。
自分が一人暮らしをしていて、全ての家事を一人でしていると、本当にそう思う。
自分一人の分だと、量もたかが知れているし、好きにさぼることもできる。でも、お子さんがいたり、自分以外の誰かの為に家事をしなければいけない主婦の方は大変なストレスだろう。
私と妻には子供ができなかった、というより、できる前に妻は亡くなってしまったので、経験はないが、小さなお子さんがいるご家庭の母親は大変であることは、想像に難くない。
自分が世の中の母親にしてあげられることは何もないが、それでも、ふとした時に考えてしまう。
どうにかしてあげられたらいいな。と。
できないのはわかっているが。
だけどせめて、世の中のゴミのような人間を少しでも減らしていくことで、世の中のの役に立ちたいものだ。
とりとめもなく考えていると、別荘に辿り着いた。
車のエンジンを切った途端、さっきまで何を考えていたか忘れた。
ラジオを聴きながら、作業をしよう。
早速だが、新兵器のお手並み拝見だ




