賞を取ったら怒られた話
中学生のとき、私は卓球部だった。今でこそちょっと流行っている感じも無きにしも非ずだが、私の時代には美容院で「部活何してるの?」「……言いたくない」「あっ卓球部でしょぉ!?」ってなくらいには人気がないスポーツだった。
私は兄が卓球部だったからなんとなく入っただけだったので、とても後悔した。あんな中腰の情けない姿でピョンピョンするスポーツだとは思わなかったんだよぉ!(すみません)もっとモテる部活にすればよかった。バスケ部とかバスケ部とかバスケ部とかぁ!まぁ、運動音痴な私には文芸部が良かったと思うんだけれど。
それで、勝ち負けみたいなものに全く興味がなかった私は、それなりに上手なんだけど、強くはなくて「センスだけある」と言われてしまう存在だった。それなのに、何故か私の魅力あふれる人望とナイスバディが認められたのか副部長に任命された。
いやぁ……いいの私で?やる気ないよぉ……?
そんな感じで、副部長と言っても中学校の部活レベルだから何もすることがなくて、本当だったら多少は練習メニューを考えたりするんだろうけれど、なぜかご近所に卓球の超強いおじさんがいて、コーチをしてくれていたから私は本当に何もすることがなかった。
私はただひたすらお蝶婦人サーブを練習していただけだった。
だから、下級生が入ってきたときに、私はすぐに実力で追い抜かれて、どうぞどうぞという感じでレギュラーの座を譲った。
とある地区大会で優勝したんだったと思う。うちの中学校は大会で賞を取ると、全校集会で校長先生に賞状を渡されて「おめでとう!」って言われるイベントがあったんだけど、その頃の私はレギュラーじゃなかったので、呼ばれても登壇しなかった。
そしたら後で顧問に呼び出された。
「なんで登壇しなかったんだ?」
「あれ?私が出場した大会ですか?」
顧問は何も言わなかった。とてもとても呆れた顔をしていた。私も負けじと「いやぁ、本当に興味ないんだよね……」という顔をしていた。
こんな私を副部長にするからだよ。はっはっは。
でも、私はできない子とか、ちょっとおバカな子っているでしょ?あんまりじっとしていられないような子。ああいう子達と仲良くしてた。
ガチでやっている人達じゃなくて、部活に所属しないといけないから仕方なく来ている子達といつも一緒にいたから、たぶん、そういう意味でちょうどいい潤滑油ってやつだったんだろうと思う。
私は卓球部の中に囲碁部を作ってしまうくらいヤバい副部長だったのだ。
いや、だって卓球台が3台しかないのに部員15人くらいいたし……無理だって。
なんでか知らないけれど、それ以降も、文化祭実行委員とか、会計とか、ゼミ長も大学でやったなぁ……なんかそういうのやらされてきた。やる気ないんだけどねぇ。私のあふれる魅力ってやつなんだろうか。