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夢におおきな爆笑を  作者: 使えない奴隷
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夢にやさしく

暇つぶしに描いてみた。

ーごめん。無理。ー


 高校一年生七月。俺、椙田(すぎた)葉津祈(はづき)はメールで散った。

 人生で初めての告白。考える時間が欲しいとのことで数日待ったが結果はこれ。


「…マジか。けっこうくるなこれ」


 己の思考よりも胸の鼓動が早い感覚。現実を受け止めきれない気持ちを代弁するように出てくるのはただの吐き気。

 する気もない今夜のおかずを適当に漁っていると通知バナーがでてきた。親友の匡季(まさき)からだ。


ー今暇?告白の結果どうなったか教えてクレメンスー


 コイツ見透かしたように連絡してくるじゃん。こわ。

 暇?の意味は電話しろって意味なのでとりあえず電話をかける。


「もしもし?暇だよ」

『おっすーおっすー。今夜のおかずは?』

「友達のお母さんを犯す寝取られもの」

『相変わらずすごいね君。冗談はさておき首尾はどうだった?』


 冗談ではないんだけどな…。事実半勃ちしてたし。我ながらすごいメンタルだ。親に感謝しなきゃ。まあしようとしたのは他の母親に顔射だけどな。

 説明すると白くないほうの涙が出てしまいそうなのでとりあえずスクショを送る。


『ま、お前じゃ無理だったわけだ。諦めな』

「二分の末に親友に投げかける言葉がそれか」

『いやだって後で自分で慰めるでしょ?』


 やかましいわ。コイツホンマに余計なことばかり考えるんだから。


『まあよかったじゃん。きっぱり断ってもらって。むしろ出血死が一番辛いぜ?』

「確かにな。まあ少なくともお前が一緒のクラスでよかったわ。他言無用で頼む」


 俺があの子のこと好きだったのを知ってるのは匡季含めて五人も満たない。結果を報告する必要もないしする気もない。コイツだから話したのだ。告白したのを知っているのはコイツだけ。


『あいよー。そっかー。何がダメだったんだろうね?顔?』

「言うな。もう過ぎたことだし考えたくもねえよ」

『また恋愛したい?』

 

 したいわけがない。少なくとも今の俺のメンタルはとても誰かを想う余裕はない。シコるやる気はあるけどな!


『そんなことばっか考えてるから振られるんだよ…』

「思考を読むな。外じゃこんなこと大きな声で言わねえよ」

『とにかく、基本的にこっちにいな。女子のネットワークは怖いってのは君も知ってるだろ?』

「そうだな…。あれは怖い」

『ん。それじゃあおやすみ』


 通話の切れる音を流しながら時間を確認する。とっくに深夜の一時だ。

 神様も案外優しい。こんな状況にいる俺に話し相手をおいてくれるのだから。ただ…。


「せめてもうちょい俺の夢にやさしくしてくれよな」


 我ながら年齢的に痛いことを呟きながら目を閉じた。





シリーズにしときながら不定期更新のいい加減なやつです。よろしくお願いします。

修正はほとんど誤字脱字のみです。

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