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   追記 登場人物紹介

 ベレンは十年振りに家へ帰った。

 彼の顔を知らない家人がいたり、弟が彼を見るなり悲鳴をあげたり、父親と早速喧嘩したりと一悶着あったが、落ち着いた頃にシシリーとランスの帰国を知る。

 シシリーに会いたくていそいそと出かけるが、門前払い。

 そうだ、予め予定を伺うのが当たり前だと気づく。改めて面会の申し入れをしてみたが、既に予定は一杯だと返事がくる。

 これにはベレン、怒り心頭に発する。

 それからある人物を思い出した。

 あいつなら、いつでも直接会っているじゃないか。あいつに案内させよう。

 あいつ──ランスの家に押しかけて「シシリーに会わせろ」と居丈高に云う。

 予想していたランスはあっさりと了承し、

 「ついて来い」

 と彼を案内する。

 まず、正門で身分を証明して次に向かった場所で訪問の目的を伝える。

 しばらく待たされてやっと中へ通される。

 入ってすぐの部屋で荷物検査を受ける。ベレンがシシリーにお菓子を大量に持ってきたので時間がかかった。

 それから案内されて長い廊下を進み、階段を登ってまた長い廊下を通ってやっと一つの部屋へ着いた。

 「ここでお待ち下さい」

 と云われ、ベレンはやっと会えると思い込む。

 そわそわと落ち着きなく立ったり座ったり、今か今かと心躍らせて待つ。

 内側の扉が開くとベレンはすくっと立ち上がるが、現れたのは見知らぬ女性。

 「こちらへ」

 促されて隣の部屋へ。

 からの部屋にベレンは段々と怒りが沸き起こってくる。

 「まだかよ」

 とランスに苛ついた顔を向ける。

 「あいつに会うには面倒な手順があるんだよ」

 と静かに答えるランス。

 ベレンの忍耐が切れかけたところで、さっきと別の女性が扉を開け、「お出でです」とひと言。

 女官の前をすっと軽い足音で今度こそ現れたのはシシリーこと、ソレル。

 「お待たせ」

 微笑みながら声をかける。

 「殿下」

 ベレンがいらいらが吹っ飛んだように嬉しさ一杯の顔で云った途端に女官の顔が険しくなる。

 「ここでソレルさまの事を殿下と呼んではならないと知らないのですか」

 女官の厳しい声が飛んでくる。

 そんな事なんか知らないベレンは首を傾げるだけ。ソレルが取り成してその場は治まった。

 「ねえ、どうして表から来たの? いつもみたいに裏から直接来ればよかったのに」

 その言葉にベレンはまた首を傾げながら説明欲しさにランスを見る。

 「シャルなら手続きなしで入れるでしょ?」

 続けて云ったソレルの言葉にまたも怒りが込み上げてくる。ランスことシャトウィルドに。

 シャトウィルドはそ知らぬ振りでそっぽを向いている。

 或いは、意趣晴らしをした────────────のか?
















     *登場人物紹介*


 ユーリー 本名ベレン・ハイズ-ワインダー。初出 ルーシアンミス二章。

 ランス  本名シャトウィルド・ワインダー。初出 ルーシアンミス一章。

 シシリー 本名ソレル・バールメク。初出 ルーシアンミス一章。


 エヌ   本名不明。初出 ルーシアンミス一章で名前と存在と菓子だけ。

 スーラ  本名不明。初出なし。

 リニー  本名不明。初出なし。但しルーシアンミス一章・二話でシャトウィルドの記憶の中で「きっと化けるよ」と云った人。






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