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業報の牢獄とピエロの仮面  作者: 大田リョウセイ
2/4

アナル

この時めちゃくちゃ緊張しました

指定された席につくと前にいたデカいやつに話しかけられた。

長ランにハイウエストドカンにリーゼント、エナメルのベルト、エナメルのシューズ……絵に描いたような不良やなって今70年代ちゃう!!


「俺、細川真宏って名前やからよろしく。好きに呼んで」

「よろしく。達哉って呼んで」

「…………いやもうちょいなんか聞いてや!それ待ちやってんから、ほい!聞いて!!」

なんか尻尾ブンブン振ってくるワンちゃんみたいで、ちょっと可愛いかも?

細川くんへの質問を考えていると教室のドアが勢いよく開き、若い男性が入ってきた。


「自己紹介やんぞ、移動しとー奴は自分の席戻れ。まあお前らもう結構打ち解けとーし適当に流したらええ。なんか考えるんもだるいしな」

なんか色々と問題発言が耳に入ってきたような気がする。

そうか不良高校は生徒も生徒なら先生も先生なのか。


そして自己紹介が始まった。


最初からインパクトが強すぎた。

中ランに煙突でエナメルの靴、ベルト、頭は坊主、ここまではよくいるから全然良いんやが名前が『アレクサンドロス・ロビー・ノーソリア』だった。

名前長すぎな?ゴリゴリのマッチョで、しかもスペイン王家の末裔とか属性モリモリやんけ。


……やばい、アレク君が印象強すぎて後が覚えられへん。


細川くんも無事終わり、間に1人挟みすぐ僕。


「(大丈夫、言うても自己紹介よ。すぐ終わるし緊張することない。出身中学と趣味、それと基本的な自己紹介)よし!」

「あ、待って待って!」


唐突に男性教師が口を挟む


「お前の顔、なんかアナルみたいやな!今日からあだ名アナルな!上から生えてるんケツ毛?」

「だれが顔面アナルや!ケツ毛どんだけ多いねん!」


男性教師はなぜか怪訝そうな顔をする。


「毛そんな特別多いか?いやむしろ……」

「誰がハゲや!ケツ毛ハゲとるは普通に嫌やろ!」


終始男性教師と漫才のようなやり取りを繰り広げた。

緊張していた人も笑顔になってくれていたので結果オーライなのかもしれない。


全員の自己紹介が終わり、授業時間である50分に到達する。

「ここまでにしよか、あとはお前らで勝手に仲良くなっといてくれ」


学校初日は平和に終わった。








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