第十話 軍の対策と王、それと友達
今回は色んな人の名前が明らかになっていくぜ!
そろそろ人物紹介した方が分かりやすいかなぁ…
「ほーう?なら、軍を潰す算段は無い、と?」
「う、うん…」
「ならどうしたらいいんだ?」
「それを一緒に考えようよ…」
めんどくさいんだよなぁ…
「もう皆殺しじゃだめかな?」
「ダメに決まってるよ…」
「なんでよ?」
「だって、善良な軍の人もいるんだよ?その人達は純粋に国を守るために軍に入ってるんだ。その人たちのためにも、軍は残すべきだと思う。単なる我儘だけどね」
こいつの言うことにも一理ある。俺が許せないのは軍の1部のみだ。そいつの為に今までよく働いていた人が罰せられるなんてあってはならない事だと、俺は思う。
連帯責任で…とか言う奴もいるが、それは今まで他人のせいでやっていたことをやり直してきたことが無かったり、そんな環境とは無縁のところで生きてきた奴らのやり口だ。
そんな無責任、学生の頃なら許せるが、社会人は許してはいけない。
確かに、立場上上司が部下の尻拭いをすることはあるかもしれないが、それはそれで業務だ。
くどいようだが、上司が部下達に1部の責任をみんなに分担、または全員にやらせるなんて言語道断、あってはならない。
まぁ、こんなこと考えるくらいなら初めから皆殺しなんて言うなって話だが。
「じゃあどうするよー!」
「えぇ…考えようよ…」
「めんどくさいんだ。」
「…うーん…じゃあ、国王に直訴してみようか」
「とりあえずそれでいいか」
~
「よっ!国王様!」
「ちょ、そんな言い方…!」
「良いのだ、マイカ。彼と私は対等。そうでなければ、な。」
「…エクサリア様がそう言うのであれば…」
ほーん?対等ー?
「対等か。なら遠慮しなくてもいいのか。」
「そんな気持ちがあるなら初めから敬語でも使っときなよ…」
ごもっともで。
「ハッハッハ!ワシにここまで無礼な奴は初めてだ!だが、悪い気はしないな」
少し前にあった時より、元気が戻っているような気もするな。知らんけど。
「そりゃ良かったよ」
「では、本題に入ってもらえるかね?」
「あぁ。」
「あ、それは私から話します。今回このような訪問をさせて頂いたのは、今後の軍の扱いについてです。」
~
「そうか…そんなことが…」
「今お話ししましたのがこれまで私が見てきた軍の招待です。」
「クロイ、軍に通達を。今まで軍の闇に関わってきたものは大人しく出頭せよとな。」
「しかしエクサリア様、それでは来ないものがほとんどでは?」
「いや、それならばウルマ殿とマイカの力に頼る。ウルマ殿、これぐらいは働いてもらうぞ。」
「まぁ、そのぐらいなら。」
「では、下がるが良い。…そうだ、ウルマ殿以外王室から出て言ってはくれぬか?」
「しかし、それでは!!」
「いや、良いのだ。そもそも、ウルマ殿が暴れれば誰がいようと結果は変わらぬ。死体が増えるだけだ。」
「…分かり、ました…」
すごく悔しそうな顔をしてクロイさん?が王室を出ていく。
「で、話はなんでしょう?」
「単刀直入に言う。ワシと、これからも対等な『友』になって欲しい。」
「…つまり、俺の力が強大すぎるから、これからも首輪は付けないが言うことを聞いて欲しい、と?」
「いやいや、そんなことは言わん。ただ、人間性が気に入ったのだ。」
へぇ…王様は、タメ口で話せる相手が欲しかったのか。さびしいのかな。
「…何か、失礼なことを考えてはおらぬか?」
「寂しかったんだろうなぁと」
こめかみがピクピクしている。
「ま、まぁ良い。貴様…いや、友達らしく『ウルマ』と呼ぼう。ウルマは今回、軍を力尽くで潰すことも出来たはず。しかし、それをしなかった。それはなぜかと思ってな?考えてみたのだ。その結果がこう。ウルマは軍のまだ闇に触れていない者を不憫に思ってこの手段をとったのだろう、と。」
へぇ…やるな。さすがに伊達に王様やってるわけじゃないか。
あ、その考えがあったからこその『今まで軍の闇に関わってきたもの』と限定していたのか。なかなかどうして賢い。
「よく分かったな。」
「そうだろう?だから、もっと知りたくなった。ウルマの考え、思いを。」
「へぇ…」
「だから、今度食事でもどうだ?」
「まぁいいけ…ん?」
「いいと言ったな!約束だぞ!」
えぇ…何この王様。やっぱり寂しいのか、可哀想に。
「…なんだその可哀想な者を憐れむ目は。」
「やっぱり寂しいのか、って思ってな。」
なんかそろそろキレそうだな。一国の王がやっていい顔をしていないぞ。
「じゃあ、今度またな。」
「あぁ。まぁ、付き合ってやるよ。」
俺は、王城を後にした
補足しておくと、
王様→エクサリア
宰相→クロイ
同郷の軍トップ→マイカ
です!