第九話 苛立ちと同郷、そして死ね
短いです
「……」
…落ち着け、俺。平常心平常心。きっとまたいいことがあるさ、だから落ち着けぇ…
「ヒッヒッフゥー…」
ダメだ、気が動転してる。怒りが一周まわって焦りに変換されたみたいだ。
クソが、このトラップを仕掛けたやつは頭がおかしいのだと思う。
そう思っていると、爆煙が晴れ通路が見える。
「はぁ…この先にいるって事だよな…?」
俺は、嫌な予感を振り払って進むことを決意した。
~
結論から言うと、散々な目にあった。
言葉で言い表せば怒りが湧いてくるので、ダイジェストで行こうとおもう。
~
「どんだけあるんだよ、この階段…」
俺は、延々と続く階段を下っていた。
その降りた階段の数は800を超えており、常軌を逸している。だが、侵入者対策だと信じていた。いや、信じたかった。
~
…あれから、どのくらいたったであろう。
俺はもう真面目に階段を降りるのをやめ、第三位界魔術:飛翔で宙を飛んでいた。
…これ、絶対罠じゃん。
そう思い、第四位界魔術:魔力探査を使用したところ…
俺は、延々と同じところをぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる…していたらしい。
魔法を解除したら直ぐに下に着いた。そこにはーー
ーどんくらい降りた?ー
~
階段を降りた先には部屋があり、また階段があった。
俺がまた魔力探査を使用したところ今度は別に魔力の反応はない。
ーまたすると思った?ー
死ね。
~
さっきの俺はどうにかなっていたのだと思う。
よく考えても見れば、ただ延々と階段を下らさせられ、おちょくられ、それをまた警戒した時にその旨の話を持ちかけられただけで『死ね』などと考えるなんて…どうかしてたぜ。
俺は落ち着き払って先へ進む。
「やっとか。」
そこには、重厚な扉が佇んでおりいかにも最後の部屋、という感じが漂っていた。
魔力探査にも反応はなく、第三位界魔術:熱源探査にも人の反応を示している。
俺は扉を開けた。と、そこにはーー
「やぁ、ご苦労さま。」
まだ年端も行かない子供がいた。
~
「で、どうだった?」
「は?」
「いやいや、途中にトラップあったでしょ?まだあれ未完成なんだけど、どんな感じだった?イライラした?」
「……」
あれ、未完成?完成系はどうなるんだ?
「その反応は、結構イライラしたみたいだね。まぁ、軽いもんでしょ?元々の世界のラノベには、もっとイライラさせるような構造のものもあったし。これ、そう言うのを参考にしたんだけど」
「そうだな…もっとイライラさせるトラップ書いてる作家さんも…」
ん?なぜ、俺がいた世界の話を…転生者か?
「ご名答。私は転生者だよ。それも、1年くらい前に来た、ね。」
「…どういう経緯で?」
「召喚されたのさ。怪しげな軍連中に。」
「で、今では軍のトップ?」
「いや、そう呼んでくれるのは1部のみだよ。軍は腐りきってる。私一人の力じゃ統制しきれなかったさ。」
そこまで酷いのか…めんどくせぇ、やっぱり潰すか
「ふーん…じゃあ、君は軍を潰しに来たんだね?」
「…なんでそれを?」
「ふふっ、私は転生者だよ?祝福も貰ったさ」
「それが心でも読めるってのか?」
「半分正解で半分不正解、だね。その回答だと足りないさ」
「ん?なら、どういう…?」
「私の能力は他人が実行しようとしている計画を覗き見る能力さ。分かりにくい上に使い勝手も悪いし、使い所も限定されるんだ。めんどくさい能力だよ。」
「うーん?つまり?」
「うーん…今回のことで例えるとね?私は、あなたが『軍を潰そうとしている計画』を見ることができるってこと。だけど、あなたの計画って無鉄砲すぎるのよね。何よ、『その場その場で考えて基本ごり押す』って。」
「そういうことかぁ。いやぁ、納得納得。よし、じゃあ死ね」
「ちょ、なんでなのさ!」
「てめぇは意味もなく俺をおちょくった。万死に値する。」
「そこまで!?」
イライラする。
「第一位界魔術:惨死」
「ほえ!?ちょ、今見たけどその魔法えぐくない!?ヤバいやつじゃん!即死魔法じゃん!」
「偉大なる死神よ・我が魔力が望むは凄惨なる死・我が意思に答え・わが身心を持って・敵に死を 第一位界魔術:惨ーー」
「…すんませんしたァ!」
それは、清々しいほど綺麗な土下座であったーー
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