第八話 バカと苦労人、そして殴り込み
これからは、《異世界と繋がった世界》と《超絶スキル》の2作品を、交互に一日づつ更新していこうかと考えております!
しかし、筆が乗らなかったり、逆に筆が乗ったりした時は複数更新や更新が遅れたり、もしかしたら交代にならない時もあるかもしれません。
それでもいいよ~という方はお読みください。
どうか、これからもこの二作品をよろしくお願い致します。
翌朝、起きると(父さんに家に泊めてもらった)玄関あたりが騒がしかった。
「おい、お前らウチのウルマに何の用だ?」
「イリヤ殿、我々はウルマ殿に謝りたい事が…」
「正体看破」
「それだけは!それだけはご勘弁を!」
「ふーん…好きな体位はきじょ…」
「うわぁぁぁぁぁ!」
…父さんに性癖を暴露されそうになった騎士は、慌てて顔を真っ赤にしながら駆け出していった。
憐れな。これがもっと歳をとってくると平気になってくるんだから、経験って凄いなって。
「…あまり、私の部下で遊ぶのは感心せんぞ、イリヤ。」
「…ん?おお、いたのか、クーリ。すまんすまん、ちょっと楽しくて…」
「楽しくて、で人の性癖をばらすのはもっとダメだと思うぞ…」
そう言ってこめかみを押さえながら出てきたのは、王様の横にもいた人だ。
私の部下とか言ってるし、王様の横にも着いていたんだから偉いんだろうけど…
父さんとはどんな関係なのだろうか?
「…ん?おお、ウルマ殿。すまない、こんな朝早くに。私の名はクーリ。近衛騎士団団長のクーリだ。」
団長様だった。
「えー…団長様がなんでこんなとこに?」
「おお、イリヤと違って礼儀があるな。ウルマ殿、こんな男にはなるんじゃないぞ?こんな、精神年齢が十代にも満たないような男には、な。」
「おいおい、いいのか?そんなこと言って。てめぇの性癖ばらされてぇのか?お?」
完全に馬鹿である。なんなんだ、この男は。もうなんでこんな男に憧れてこんな真っ直ぐな僕が生まれたのか、分かったもんじゃない。
「ふっ、今の私は精神耐性上昇をかけてもらっているのだ、いくら正体看破でさえも、性癖なんぞ見れぬだろう」
「正体看破…ふむふむ、確かに見えないな…」
「だろ?」
「魔法解除」
「…ん?」
「正体看破…おお、お前、案外Mっ気があるのな。まさかのお尻を叩かれなが…」
「やめろぉぉぉぉお!なんで!なんでなのよ!あなたって!!本当に!!」
うわぁ…セクハラだよ。現代だったら1発アウトだよ…
「団長、そろそろ…」
「ん?あぁ、そうだったな…はぁ…昔っからイリヤはいつもいつも…そのくせ、時々…はぁ…」
やっと、本題に入ってくれるようだ。
「ウルマ殿、今日は謝罪をしたくここまで赴いたのだ。」
「ふーん?」
「軍の独断行動だったとはいえ、制御出来ていないのも事実。今の国の力では、軍全体と戦争になれば恐らく、被害はバカにできない。だから、衝突は避けていたのだが…こうなれば、もう手を出すしか…」
「あぁ、ちょっと憂さ晴らしもしたいし、俺に任せてくれない?」
「…ん?」
クーリさんが一瞬何言ってるの?という顔を向けてくる
「だから、軍を潰すんだったら俺にやらしてくださいって言ってるんです。」
「…君は自分が今何を言っているのか、分かっているのか?」
「はい。」
「相手は国級の勢力だぞ?数が多すぎる。個々の力では勝っていても、数というのはこれを覆してくるんだぞ?」
「大丈夫ですって。作戦とかは全部お伝えしますから。」
「えぇ…」
完全に困惑している顔だ。
「いいじゃねぇか、クーリ。憂さ晴らしがしたいんならしょうがねぇよ」
「お前はそれでいいのか…?最悪息子が死ぬんだぞ?」
「こいつは死なないさ。」
これは、ステータスとスキルについて言っているんだろうか?
「まぁ、お前が言うなら…いい、のかぁ?」
「大丈夫だって!いざとなったら俺が助けにはいるし!」
「なら、大丈夫…なの…かぁ?」
「まぁ面倒なので勝手に潰させてもらいます。じゃ、いってきまーす」
「え?」
俺は第一位界魔術:テレポートを使用し、軍の本拠地へと転移した。
~
「たぁのもぉ!」
俺は拡声魔法を使用し、軍の本拠地であるバカでかい施設に足を運んだ。ベルメールの屋敷の十倍ぐらいのでかさで、王城には負けるが、別段劣っているわけでもなかった。
しかも、中の部屋は空間魔法で無理やり空間を広げているらしく、部屋一個一個は見た目よりデカいそうである。
「何者だ?」
門の前にいた兵士に問われる。なんか、既視感を覚えるが気のせいであろう。
「軍を潰しに来たんだけど、めんどくさいから最高司令官出して?」
「…聞き間違いか?聞き間違いじゃないよな?よし、殺していいな?」
あら、好戦的だこと。
「えーと…一応、軍の内情を詳しく把握しているのに加担していて、別段洗脳されているわけでなく自分の意思でやってる奴は捕らえるか、うるさい様だったら殺してもいいと言われているが、どうする?」
この言葉は、クーリが転移の直前に念話で無理やり頭の中にねじ込んできた内容だ。
「はぁ?んなもん、軍の内情を知らねぇやつなんてここに入っていても直ぐに死んでいるよ!」
「まぁ、お前は捕らえていい方だろ。第一位界魔術:強制転移」
無理やり王城の牢屋に送り込む。王様には一応念話で送ることを報告しているから、大丈夫だということを信じたい。
「ふんふふーん♪」
俺は、鼻歌を歌いながらトレースで思考を読み、王城の牢屋に送り込む。
なかなかストレスが発散されるな、これ。
俺こんなに性格悪かったかなぁ。
ま、いいか!
「おお、ここが最高司令官室っぽいな。」
仰々しい扉が聳え立つ。
なんだこれ、こんなにお金余ってんの?
「お邪魔しま…出来ないですな。」
扉は固く閉ざされている。恐らく、侵入者の噂を聞きつけ扉を締め切っているのだろう。
「関係ないよっ…と。」
そんなことはお構い無し。俺は無理やり扉をこじ開け、最高司令官の面を拝んだ。
だが、そこには…
ーハズレー
とだけ書かれた土人形?があった。
「…はあ?」
そう一言発すると、その声に反応したかのように土塊は爆発した
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