第六話 過去と僕、そして今
遅くなりました!
ここで、昔の話をしよう。
これは僕がだいたい10歳のころ。
この頃は祝福が発言していなかったが、無邪気にも父の仕事である冒険者に憧れていた。
だが、ウルマは知っていた。自分に才能がないことも、その才能を覆す努力をすることも出来ないことも。
子供ながらに悟ってしまっていた。
しかし、そこで妙に思うのではないだろうか。
そう、ウルマ…初期の五十嵐漆間はレベル×10だけjpとspを持っていた。
これは何故か。
答えは簡単、初期から持っていた、だ。
しかし、人々はこれに気づくことが出来ない。
ウルマは、ステータスを見ていない上に、見ていても子供なので気づくことは無かっただろう。
だが、ウルマは神に愛されていた。愛されてしまっていた。
事件は起こった。
ウルマが攫われたのだ。
理由は分からない。
なぜなら、攫った犯人は…ウルマによって殺されたからだ。
ウルマには、神に施された、まだ隠された能力があった。いや、それは能力と呼ぶには少し違うかもしれない。
ウルマは、怒りに支配された時、爆発的に身体能力が上がる。もう、周りも見えないほどに。
それが隠されたウルマの能力であり、欠点だと自分で思っている。強力な力は制御出来なければ、その身を焼くことになる。
この状態を止めることが出来るのは、今になってはもう父親だけだろう。
あの人の力はステータスや能力は関係ないからな。
今の俺達の状態は、一種の二重人格だと思う。
元々あった記憶に前世の記憶を入れこまれ、新たな人格が形成されていて、俺の場合は多分前世、つまり今の状態の方が普段からの性格が戦闘に向いているから戦闘中はこの人格に切り替わる。
俺達はお互い二人で一つ、もちろん人格を切り替えても別に記憶まで別だとかはない。
なんと表せばいいのだろうか。
人格と言うよりかは、性格が入れ替わっている。そんな感覚。
多分ウルマもこの感覚を持っている…というか、俺は僕の時もこう感じているので間違いない。
~
「父さん!」
「おお、早かったな、ウルマ。とりあえず落ち着いて座れ母さんは寝室に寝かしている」
「わかった」
俺は椅子に腰掛ける。
「で、何があった。」
「…信じてくれるなら、話すよ」
「もちろん信じる。たった一人の息子だからな」
俺はこれまでの事を全て話した。
「そんな、ことが…」
「信じられないよな?」
「いや、現にこんな状態になっているんだ。信じるしかないだろう。しかし…」
「しかし?」
「ベルメールは友人だが、こんな事はしない。恐らく王国騎士団の独断だな。」
「そうなのか?なら、行くか。」
「行かせないぞ?死にに行くだけだ」
「…俺は僕が大切なんだよ。」
そう言って僕は家を出た。
「第一位界魔術:不死王の剣【顕現】」
そう唱えると、目の前に文字列が現れる。
我、汝に問う。
汝、我に見合う者か。
汝、願いはなんだ。
汝、我に何を望む。
「見合うかどうかは知らねぇし知らなくてもいい。願い?何を望む?そんなもん決まってる。誰にも、何にも、それこそ国にだって負けない力が欲しい。俺のモノになれ、不死王の剣!」
また文字列が浮かぶ
よかろう。
汝の願いを聞き入れた。
我が名はホワイト。
未だ何にも染められず、気高い名だ。
この神剣ホワイト、汝に従おう。
「ホワイトか…能力はどんなだろうな。楽しみだ。」
俺は自然と足取りが軽くなり、ベルメールの所へと向かっていった。
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