第三話 試合と驚愕、そして決闘
ついに試合開始です!
~闘技場
『それでは、選手入場です!』
ーーわぁぁぁ
…なんでこんな見世物みたいになってるんだろう。
拡声魔法で実況までするみたいだし、まじ何してんだろ…俺。
「フッ、貴様が詐欺野郎か。そんな覇気のない奴にあんな偉業達成出来るわけがない。」
「はぁ」
「ちなみに、反則は出来ないぞ。魔法でみはっている上、ここには世界最強と言われたグリーベル様もいる。」
「そもそもそんなことする馬鹿なことはしないんだけどなぁ…」
ちなみに、反則は外部からの接触やバフ、浮遊魔法などだ。
あと相手を殺してしまうことなどもだが、反則を犯すつもりは一切ないので割愛する。
『では!近衛騎士最強の男でおなじみ、グリンド選手と!詐欺の疑いのかかっているウルマ選手の試合を始めます!』
ーーボォォン
でかい音を合図に、試合が開始される。
『えぇーウルマ選手は、この前発生したコボルトの異常発生を全て殺し、大群を壊滅させたと言い張り、コボルトを一匹大銅貨1枚で倒すという依頼を元に、金貨1枚を超えるお金を請求しようとしたという罪に問われています!』
ーーンなもん詐欺に決まってんだろぉ!
ーー初めから怪しいと思ってたんだ!
ーーこの冒険者の面汚し!
散々な言われ用だ。
「ふん。ギャラリーも誰もお前の味方など居ないようだな!」
「へぇ。『火球』」
ーー…ボォォオン!!
俺が火球を唱えると、一瞬の間の後気づけばグリンドの横を逸れて闘技場の壁に穴を開けていた。
ハンドボールぐらいの。
「…はえ?」
「あ、外れた。ま、しゃあないか。そりゃ初めて使ったもんな。」
「は、初めてぇ!?」
ーーおいおい、なんだよ今の威力
ーー今あいつ何を使った?
ーーファイヤランスじゃねぇかな?
ーー俺は聞いたぞ。あいつ、火球って唱えてた!
ーーはあ?あの威力でそれはねぇだろ
ざわざわと観客に動揺が走っていた。
「どんどん行くけど、死なないでくれよ?」
「な…!?」
「『火球』『火球』『火球』『火球』『火球』」
「え、ちょ、ま!待って!これは死ぬ!死ぬって!」
うーん…なかなかコツが掴めないな。てか、死ぬらしいし魔法を変えよう。
「じゃあ、『風弾』」
音もなく手から発生した風の弾は、小さな音とともに闘技場の壁を抉る。
体感拳銃ぐらいのスピードがあったな。打ったことないけど。
「あへ?」
「ん、これなら大丈夫だな。心臓にさえ当たらなかったら死なない。」
会場は、もはや誰も声を上げなかった。
が、その静寂を破る声。
『すまぬ、ウルマ殿。魔法は禁止とさせてくれんか?』
王様が頭を下げてきた。
「なぜです?」
『差がありすぎるんじゃ。聞いた話によると、コボルトを倒して回ったのは剣でとの事。その剣を使って試合をして欲しいのじゃが…』
「…ま、いいですよ。」
ーーおいおい、王に頭下げさせたぞ
ーーあいつ、これで負けたら死罪じゃねぇの?
ーー終わったな。さっきまでは押してたみたいだけどあれだけの魔法を使うやつが剣士な訳がねぇ。
残念元剣士だ。
「ふ、ふはははは!馬鹿め!魔法使いが剣など振れるわけがない!」
「えー…加減なんて出来ないので、死なないでくださいね?」
俺達が持っているのは試合用の木刀だが、死ぬかもしれないしな。
「はっ、戯けが」
「行きます…よっと」
「ぐべ?」
次の瞬間彼は場外の壁に突き刺さっていた…
~
ーーは?おいおい、今の見えたか?
ーーどうせ不正だろ。
「おい、ウルマとやら。」
「はい、なんでしょう」
ーーやっぱ不正だな。最強の男が止めに入った
「どうやってその強さを手に入れた?」
ーーは?
「どうやってって…普通に暮らしてたらこうなりました」
「そんなわけなかろう。まぁいい。答えられないというのならな。じゃあ、僕と試合…いや決闘を申し込む。」
決闘…つまり、最悪死んでもいい、という事だ。
「まぁ、いいですけど。死んでも自己責任ですよ?」
「ふん。なら、日時は明日の正午だ。明日の正午またここで会おう。」
「まぁ、いいですけど…」
こうして、最強の男との決闘が決まった。
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