侵入者とマレビト
侵入者が現れたようです。
し......侵入者......遂に来てしまいましたか。
とりあえず位置を確認しましょう。
マップを広げて、侵入者の位置を確認する。1部屋前の通路に居た。追加で侵入者のステータスを確認する。
年齢 540
性別 ♀
種族 グリフォン
クラス 元女王
状態 衰弱 出血 疲労 飛行不能
レベル 420
HP 150/1250
MP 25/1560
筋力 960
耐久 1060
敏捷 1150
魔力 1260
器用 1080
幸運 980
スキル 【風魔法Lv7】【風精霊の加護】【威圧】【高速飛翔】
【言語理解】以下多数
......グリフォンーーー!?
なんで伝説の魔物みたいな相手が来てるんですかね......
ステータス差でタイチさんでも一撃で消し飛びますよ!?
いくら相手が瀕死でも勝てるわけないです。
ひとまずゴブリン達とスライム達を2部屋に引かせ、1部屋の映像を確認する。
そこでは、入ってきたグリフォンが座り込んでいた。床には血溜まりが出来ていて、グリフォンはあちらこちらに傷を負い、片方の翼も折れているようだった。
......あーもう!
放っておけませんよ。どうせ放っておいても十中八九私のほうが死にますし、お節介かもしれませんが、治療してみましょう。
困った時はお互い様って言いますし。
《購入》から最上級ポーション(1000DP)を5本買い、1部屋に向かう。1部屋に入ると、凄まじい気配を感じる。
「人の子......いや、《マレビト》か。」
!?
グリフォンが話しかけてきました。
話が通じるかもしれません。
近づいて、話しやすいように顔の近くに座り、聞き返す。
「マレビト......ですか?」
「マレビトとは、他の世界からこの世界に迷い込んできた者のことじゃ。」
「なるほど。なら私はマレビトですね。」
「見たところ、此処のダンジョンマスターじゃな。浅いダンジョン故、ダンジョンマスターが居らんと思っておった。領域を侵してしまった様じゃの。失礼した。」
そう言って、グリフォンは出ていこうとする。
「......待ってください。治療させてくれませんか?」
そう申し出ると、少し警戒されたようだ。
「.......治療して、お主に何のメリットがある?」
「実は、私はこの世界に来て2日しか経ってないんです。このダンジョンからも出た事が無いし、この世界の事も何も知らないんです。」
「.......ふむ。続けてくれ。」
「なので、治療の代わりにこの世界の事を教えてくれませんか?さらに、この世界で初めて会った話せる相手なんです。もう少しお話できたらなって。」
「嘘は言っておらんようじゃな。じゃが、我の傷はそう簡単に癒えん。人族の最上級ポーションでもあれば別なのじゃが.......」
「最上級ポーションならありますよ?」
そう言って、懐から5本の瓶を取り出すと、グリフォンさんは目を丸くした。
「何で持っておるんじゃ!?」
「ダンジョンの機能で買ってきました。」
「そんな機能があったんじゃな.......なら、すまんが治療をお願いする。瓶の中身を振りかけてくれればよい。」
「分かりました。」
グリフォンさんにポーションを振りかけていく。どんどん傷が消え、美しい羽毛と毛並みに戻っていく。
全ての傷と折れた翼を治療するのに、ポーション三本を使用した。
「ひとまず、こんな所ですかね?」
「感謝する。全快とまではいかんが、ひとまず、動けるようじゃ。」
「全快になるまで、ここで休んでいって下さい。」
「そこまでして貰うのは悪いしのう........」
「なら、ウチの魔物達で手に負えない侵入者が来たら、助けて頂けませんか?」
「そんな事で良いのか?お安い御用じゃ。」
「じゃあ、着いてきて下さい。私の部屋に案内します。」
そう言って、グリフォンさんを先導して部屋に向かった。