フロアマスターと初めての買い物
ゴブリンとスライムを召喚したら、フロアマスターを召喚できるようになりました。
フロアマスター、ですか。
聞くからに強力そうですね......私が生き残るためにも、直ぐに召喚してしまいましょう。
《召喚》
下級魔物召喚 10DP
ランダム召喚 100DP
フロアマスター召喚(1) 1000DP
「......よし。」
フロアマスター召喚を選択する。すると、ゴブリンやスライムの時より明らかに大きい魔法陣が展開され、光が迸る。
目の前に現れたのは、中が空っぽになっている騎士鎧が剣を携えた魔物だった。
目の前の騎士鎧は、私を見て跪く。その時、
《フロアマスターに名前を設定してください》
と、脳内に語りかけられた。
......名前?フロアマスターには召喚時に付けられるんですね。
どうしましょうか......?うーん......私の趣味関係から、選んで付けるとしましょう。
「《タイチ》さんにしましょう。」
そう告げると、目の前の騎士鎧は頷く。
「ではタイチさん、よろしくお願いしますね。では、2部屋の防衛をお願いしますね。」
指示を出すと、タイチさんは頷いて2部屋へ向かっていった。
あ、そういえばタイチさんのステータスを確認していませんでした。丁度いいので今確認しちゃいましょう。
《設定》からタイチさんのステータスを呼び出す。
名前 タイチ
年齢 1
種族 リビングアーマー
クラス フロアマスター
レベル 1
HP 280
MP 120
筋力 80
耐久 100
敏捷 50
魔力 50
器用 40
幸運 60
スキル 【剣技Lv1】【頑強】
......凄い。強いです。ひとまずタイチさんに守って貰いましょう。
タイチさんなら、その辺の弱い魔物くらいなら一蹴できるはずですし、少しだけ安心出来ました。
さて、次はお買い物ですかね。
......私だって女の子です。お買い物には胸が踊ります。
こんな殺風景な洞窟に居ますけど、これからの生活を考えて少しでも環境を整えたいですね。
そんな訳で、《購入》を選択すると、いくつかのタブで物資が振り分けられていますね。
.......一通り、物資を見ましたけど酷いです。日本にあった商品がいくつか売られてます。でもとんでもなく高いんです。
醤油が15000DP、味噌が20000DP.......買えるわけないじゃないですか!
もう食べられないかも......と覚悟していたお醤油を見つけて歓喜した私の喜びを返して!返してください!
.......とりあえず、普通に安く売っている(多分)この世界に存在しているモノを一通り揃えましょう。
布団付きベッドに食べ物、水、テーブルと椅子、コップ、換えの服装ete......占め1460DPです。
ひとまず寝床、食料、服は確保しました。ベッドが1番高くて、食べ物、水は安かったです。
家具を配置して、水は水瓶に、食料は麻袋に入れて......ひとまず寝床は完成しました。ここで火を使うのは怖いので、食料はそのまま食べられる物にしましたし、お風呂は代わりに水で体を拭くことにしましょう。こんな状況です。妥協は大事なんです。
あとは、武器も用意しましょう。.......正直、タイチさんがやられた時点で詰みですが、せめて最期の抵抗くらいしたいです。
そんな訳で、初心者でも扱えるモノを選びます。
そういえば、昔読んだ冒険小説に初心者なら槍がいいという話がありましたね。
......ひとまず、1.5mくらいの手槍と、刃渡り長めで包丁としても使えそうなダガーナイフを買いました。
無いよりマシです。少しでも振り回して手に馴染ませておきましょう。
「ふあ......ぁ......」
今日は色々ありすぎました。今の時間は......ダンジョンのメニューに表示されていて22:00ですね。少し早いですが、眠いので今日は寝てしまいましょう。
侵入者が来たら警報を鳴らすように設定して、おやすみなさい。
読んでくださって、ありがとうございます。
「ダンジョン農家でスローライフ」作者の朝陽です。
処女作としてノリで書き始めたこの作品、ゆるく更新していきますので、良ければお付き合い下さい。
これからもよろしくお願い致します。