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プロローグ
プロローグ
二一世紀初頭――。
人類は存続の危機に直面していた。いわゆる繁殖力の減衰である。少子化、婚期の遅れ、避妊道具の目覚ましい進歩、筋肉男より草食系軟弱男がモテる風習、子供がネットで何でも知ってしまう問題……。
これらは確実に人間の繁殖力を衰えさせる、人類滅亡へのカウントダウンである。
しかしそんな中、人並み外れた繁殖力を持つ者がいた。しかもその男の繁殖力は一般人のそれとは全く異なっていた。
名は東条一。専門学校を卒業し、普通のサラリーマンとなり、ようやく社会の仕組が少し分かりかけてきた二十二歳のどこにでもいる青年である。
どこにでもいる……青年である。