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用心棒エルフ・ユリエリの果てなき杞憂  作者: 陰松 蓮(かげまつ れん)
1/1

最後の晩餐にすらありつけないかもしれない……

湿気を多分に含む、鬱蒼とした森林の茂みの陰に、独りのエルフが息を潜めていた。


肌は透き通るような美白、葉っぱを日光で透かしたような若草色の瞳、エルフ独特の長耳、そして日光によって光沢を放つ長い金髪。どこからどう見てもエルフだ。


ついでに言えば、両の掌に納まらないほどの巨乳と肉付きの良い美尻を細いくびれが際立たせており、通気性の良い薄手の衣服で辛うじて際どい箇所を隠している。風でも吹こうものなら、いともたやすく彼女の衣服は風に攫われてあられもない姿を晒すことになるだろう。


金髪のエルフは両足を広げた状態で四つん這いになって、標的の動きをもうかれこれ3時間同じ体勢で追い続けている。彼女の手には鋼鉄製のボウガンが握られている。


今彼女が仕留めようとしているのはハヤテウサギ。危機を察知すると目にも止まらぬ動きで疾風のようにハチャメチャに逃げ回る。音速の域に達することもある。


ハヤテウサギは狂ったように跳ね回っている。良く見ると2本のボウガンの矢が刺さっている。彼女はすでに2発、常人では捉えられない俊足のウサギにボウガンの矢を命中させているのだ。


四つん這いのエルフは全身が汗で蒸れていることなど気にも留めず、手負いのウサギを仕留められる機会を窺っている。


それもそのはず、このエルフ――バウンサーエルフ・ユリエリはもう一週間何も口にしていなかったのだ。このハヤテウサギを仕留められなければユリエリの餓死は必至だろう。



事の発端は一週間前に遡る。

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